皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。
小学6年の受験生たちが知らないはずのことを説明文で誘導し、
それについて答えさせるリード文問題の頻出題材を解説する第2弾です。
今回は「マメ科の植物と根粒菌」について解説していきます。
中学受験を目指す皆さんにとって、マメ科の植物というと、
真っ先に頭に浮かぶのは「エンドウ」でしょうか?
とても不思議な形の花ですよね。
一つの花の中に、花びらの形が3種類もあり、
まるでチョウが飛んでいるような姿……
その形から、マメ科の植物は「蝶形花(ちょうけいか)」と呼ばれています。
社会現象にもなったあのアニメの中で、
鬼が嫌う花として重要な役割を果たした「藤」もマメ科の植物です。
無数の紫色の花が垂れ下がっている全体の印象が強いと思いますが、
一つ一つの花を見ると、ちゃんと小さなチョウのような形をしているんですよ。
さて、そんなマメ科の植物の中でも、
よくリード文問題の題材になっているのが「レンゲソウ(ゲンゲ)」です。
昔の農家は、稲を収穫した後の田んぼによくレンゲソウの種をまいていました。
このレンゲソウが、イネの肥料になるからです。
マメ科の植物の根には「根粒菌」という細菌がつきます。
これら根粒菌は、空気中に約78%も含まれる窒素を吸収して、
窒素を含んだ肥料を作ることができるのです。
これを「窒素同化」と言います。
植物にとって重要な三大肥料は、「窒素」「リン(酸)」「カリウム」ですね。
根粒菌は、この中の「窒素」を提供する代わりに、マメ科の植物から
光合成で作った栄養分をもらっているのです。
つまり、マメ科の植物と根粒菌は「共生」の関係になっているのです。
植物は、光合成ででんぷんを作りますが、それ以外の栄養分は、
肥料を使って体の中で合成しています。
特に、窒素を必要とするのが「タンパク質」の合成なので、
根粒菌のおかげで窒素がたくさん使えるマメ科の植物は、
タンパク質の合成が得意なのです。
ダイズが「畑の牛肉」と言われるくらいタンパク質を多く含むのは、
この根粒菌との共生関係のおかげなのですね。
次回も、中学受験で頻出の題材を説明していきます。
どうぞお楽しみに!