皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。
小学6年の受験生たちが知らないはずのことを説明文で誘導し、
それについて答えさせるリード文問題の頻出題材を開設する第3弾です。
近年、防災意識の高まりもあって、様々な自然災害に関する出題も増えています。
そこで、今回は災害に関連する基礎知識として、似た言葉の違いについて説明します。
皆さんは、「大潮(おおしお)」と「高潮(たかしお)」と「高波(たかなみ)」と「津波(つなみ)」の違い、
きちんと説明できますか?
何となく違うということは分かるけど、明確な違いや発生原因を説明できる人は、
意外と少ないのではないでしょうか?
それでは順番に説明していきましょう!
「大潮(おおしお)」
これは、太陽や月の引力によって起こる潮の満ち引きの一つです。
太陽による引力の方向と、月による引力の方向とが重なることで、
特に海面が高くなる現象のことです。
潮の満ち引きについては、こちらのブログに詳しく書いていますので、
ぜひ参考になさってください。
「高潮(たかしお)」
これが近年では、一番中学受験で聞かれているような気がします。
少し原理が分かりにくいからでしょうか?
低気圧、特にそれが発達した台風などでは、中心付近に強い上昇気流が発生します。
つまり、イメージとしては海の上に強力な掃除機をセットしているような感じですかね。
この上昇気流によって、海面が吸い上げられることが高潮の発生原理です。
これを、高潮の「吸い上げ効果」と言います。
岸から離れたところでは、気圧が1hPa低くなるだけで、海面が約1cm上がります。
また、岸に近いところでは、「吹き寄せ効果」と呼ばれるものがはたらいたり、
地形の影響で水が集まったりすることで、もっと海面が高くなります。
「高波(たかなみ)
そもそも、海に波ができるのは、海面に風が吹くからなのですが、
その風が強く吹けば、当然波も大きくなります。
このように、強い風が吹くことによって、波自体が高くなる現象が高波です。
つまり、台風の中心付近などでは、高潮によって海面が高くなった上に、
強い風が吹くことで大きな波が発生することになりますから、
船舶などには多大な被害が出ることになるのです。
「津波(つなみ)」
高くなった海面が岸に押し寄せるという点では高潮と似ていますが、
その発生原因はまったく違います。
基本的に、地震によって発生するのが「津波」、
低気圧によって発生するのが「高潮」です。
海の下で地震が発生した場合、急激に海底が上がったり下がったりすることによって、
その上にのっかっている海水にも大きなうねりができてしまいます。
このうねりが岸に押し寄せてくるのが「津波」なのです。
同じように海水が押し寄せる自然災害にも、いろいろあるのですね。
津波や高潮に、大潮が重なったり高波が重なったりすると、
大きな被害をもたらすことになるのです。
正しい理解をするためには、まずは正しい用語を知ることが重要です。
中学受験だけでなく、皆さんの防災にも役立つといいですね。
次回も、中学受験で頻出の題材を説明していきます。
どうぞお楽しみに!