皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。
2022年度入試で出題されそうな時事問題を学ぶ第4弾――
今回は、昨年からの引き続きとなる「新型コロナウイルス」ついての話です。
昨年も、新型コロナ関連でどのような時事問題が考えられるか……という
ブログを書いたのですが、まずは、今春の入試で実際に出題された例を見てみましょう。
〔Ⅳ〕次の文章を読み,問いに答えなさい。
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスは,生きた細胞内でのみ増殖します。新型コロナウイルスに感染し,重症化するとa肺炎がおき,命に危険が及ぶことがあります。
b山中伸弥先生が開発した細胞をつかって,cウイルスと戦うための血液成分を増やし,投与する治療法の研究が始まりました。
(1)次の文章は,下線部aの肺炎について説明したものです。文中の( ① )~( ④ )にあてはまることばをそれぞれ答えなさい。また,( ⑤ ),( ⑥ )にあてはまることばをそれぞれ選びなさい。
私たちの体をつくる細胞は,ブドウ糖などの栄養分を,( ① )をつかって( ② )と水に分解し,生きるために必要な( ③ )をつくりだして,生命活動を維持しています。このはたらきを( ④ )とよびます。肺では( ④ )に必要な( ① )を体外から取り入れ( ② )を体外へ排出していて,肺炎がおきると,これが正常に行えなくなります。
指先に光をあて,血液の色を見る器具があります。この器具によって(⑤ 動脈血・静脈血)の色が少し(⑥ 明るく・暗く)なっていると,肺炎によって( ① )が全身に十分にいきわたっていない可能性があります。
(2)下線部bの細胞の名称を答えなさい。
(3)下線部cの血液成分の特徴として正しいものを選び,ア~エの記号で答えなさい。
ア 円板状で,真ん中がくぼんでいる。
イ アメーバのような運動をする。
ウ 血液中に最も多い成分である。
エ 門脈に多くみられる。
実際の入試ではどのように出題されるのか?!
入試問題は、多くの学校で皆さんの想像より長い時間をかけて作られています。
問題の原案を考え、具体的な問題にした後も、
「誤解を受ける表現はないか?」「別解は出ないか?」「難易度は適切か?」など、
様々な角度から検証して作り上げていくのです。
そうやって、ようやく問題が完成した後、受験者数を見越して印刷が始まります。
つまり、問題が完成するのは、入試よりずっと前の時期なのです。
一方で、新型コロナウイルスに関しては、まだまだ分からないことがいっぱいあります。
そんな新型コロナについて、最先端の研究結果を問題に入れようとすると、
入試までの間に新たな発見がされたり、従来の説が覆されたりすることもあります。
そんな不確かなものについて、詳しい出題をすることはできませんよね。
だから、出題の方向性としては、
① 新型コロナ自体ではなく関連事項について問う
② 新型コロナに関することだが変わらない事実について問う
のいずれかになります。
これらを、もう少し具体的なものにすると、
① 新型コロナ自体ではなく関連事項について問う
● ワクチンや免疫の仕組み
● 肺や呼吸の仕組み
● 血中酸素濃度とパルスオキシメーターの仕組み
② 新型コロナに関することだが変わらない事実について問う
● 初めて新型コロナウイルス感染症が確認された場所 → 中国の武漢
● 初めて新型コロナウイルス感染症が確認された年 → 2019年
● シンガタコロナウイルス感染症の正式名称 → COVID-19
となります。
この辺りのことは、しっかりとチェックしておいた方が良いかもしれませんね。