皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。
誰しも一度くらい、空に浮かぶ雲を見上げながら、
「あの雲、なんか『たい焼き』みたいな形してる!」
「こっちの雲はゾウさんだ!」
などという会話をしたことがあるのではないでしょうか?
特に幼い子どもの想像力には驚かされることが多いですね。
そんな風に、いろいろな形に見える雲ですから、
種類なんて無数にあるんじゃないかと思ってしまいますが、
現在の気象学(世界気象機関)の分類では、
「十種雲形(じっしゅうんけい)」と言って
何と10種類にまとめられているのです!
中学入試の理科で雲の名前を聞かれたときには、
基本的にはこの十種雲形で答えることになりますので、
しっかりと名前は覚えておいてください。
また、昔から一般的に使われている有名な雲の名前は、
この十種雲形にあてはめたときにどれにあたるのかを
知っておいた方が良いでしょう。
(上位校を中心に、ときどき出題されていますので。)
そんなわけで、今回は「雲の分類」がテーマです。
まずは、十種雲形に使われている、雲の名前を表す文字と
その意味をまとめます。
(1) 雲の高度を表す文字
「巻(けん)」…地上5000~13000mあたりに現れる上層雲につけられる文字です。
「高(こう)」…地上2000~7000mあたりに現れる中層雲につけられる文字です。
(2) 雲の形を表す文字
「積(せき)」…かたまりになっている雲につけられる文字です。
「層(そう)」…横にうすく広がった雲につけられる文字です。
(3) 雲の性質を表す文字
「乱(らん)」…雨を降らせる雲につけられる文字です。
これらの文字を組み合わせてつけられた10種類の雲の名前に、
世間一般で呼ばれている雲の名前を結びつけていきます。
雲の姿を思い浮かべる手助けにもなるかもしれませんね。
【巻雲(けんうん)】
・筋(すじ)雲
・羽(はね)雲
・白州(しらす)雲
【巻積雲(けんせきうん)】
・鱗(うろこ)雲
・鰯(いわし)雲
・鯖(さば)雲
うろこ雲
【巻層雲(けんそううん)】
・薄(うす)雲
・霞(かすみ)雲
【高積雲(こうせきうん)】
・羊(ひつじ)雲
【高層雲(こうそううん)】
・朧(おぼろ)雲
・笠(かさ)雲 ※高層雲が山にかかったもので反対側には「吊るし雲」ができる
【層積雲(そうせきうん)】
・曇り(くもり)雲
・畝(うね)雲 ※畑に見られる土を盛り上げたところが「畝(うね)」
・村(むら)雲
【積雲(せきうん)】
・綿(わた)雲
【層雲(そううん)】
・霧(きり)雲
・雲海(うんかい)
雲海
【乱層雲(らんそううん)】
・雨(あま)雲
・雪(ゆき)雲
【積乱雲(せきらんうん)】
・入道(にゅうどう)雲
・雷(かみなり)雲
・鉄床(かなとこ)雲 ※雲の上部が平らになった場合の呼び名
一生懸命受験勉強をしていると、ついつい下ばかり向いていますよね。
たまには空を見上げてみるのも良いのではないでしょうか?
次回も「身近な科学」を紹介していきます。
どうぞお楽しみに!