皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。
突然ですが、皆さんは「ゆで卵」が好きですか?
私は大好きなのですが……
単に「ゆで卵」と言ってもいろいろな状態の「ゆで卵」があるので、
種類によって好みが分かれるところかもしれないですね。
何でゆで卵? と思われるかもしれませんが、
実は中学受験でも出題されているんですよ!
ということで、今日のテーマは「ゆで卵の科学」です。
私たちにとって、とても身近な食材である「卵」。
身近なだけに調理する機会も多いと思いますし、
初めて作った料理が「卵焼き」や「ゆで卵」という人もきっと多いと思います。
でも、卵料理って意外に奥深いんですよね。
その理由の一つが、黄身と白身で固まる温度が違うことでしょう。
実は、外側にあって熱が通りやすい白身よりも、
内側にあって熱が届きにくい黄身の方が低い温度度で固まるのです。
ご存知でしたか?
具体的には、このような温度で固まるそうです。
さて、この性質の違いを上手に利用すると、
いろいろなゆで卵を作り分けることができるようになります。
(1) かたゆで卵……黄身も白身もしっかり固まったゆで卵
ただ作るだけなら、これが一番簡単で工夫が要りません。
しっかり熱を入れれば中まですべてかたまりますから、
とにかくゆで時間を長くとれば良いのです。
とは言え、おなじかたゆで卵でも、固まり具合には好みがあると思います。
いろいろな時間でゆでてみて、好みの方さを見つけてください。
(2) 半熟卵……白身は固まっているが、黄身はトロトロ
より高い温度で固まる白身だけをしっかり固めて、
低い温度で固まってしまう黄身を固めないので、多少の工夫が必要です。
とは言っても難しいことではありません。
黄身まで熱が届く前にゆで終われば良いだけのことですから、
ゆで時間の管理が鍵となります。
(3) 温泉卵……黄身がゼリー状に固まっているのに白身がドロドロ
温泉卵を作るには、温度管理が重要です。
65℃~70℃の温度を保ち、白身が完全に固まってしまう70℃以上に
しないように気をつけながら内部の黄身まで熱を入れていくのです。
黄身は70℃以下でもかなり固まりますが、
白身はもう少し温度を上げないと固まらないので、
この温度差を利用して作るのです。
おそらく、ちょうどその温度帯の源泉があって、
そこに卵をつけておくことで作られたのが温泉卵の始まりなのでしょう。
台所は家庭内の実験室です。
いろいろ工夫(実験)して、自分好みのゆで卵をつくってみるのも楽しいですよ。
少しずつ条件を変えてゆでた卵を比較するような実験を行って、
夏休みの自由研究にしても良いかもしれませんね。
ちなみに、ゆで卵がきれいにむけるようにゆでるには、
冷蔵庫で冷やしたたまごをすぐにゆで、
ゆで終わったらすぐに冷水で冷やすというように
「温度差」を利用すると良いようです。
また、新しい卵より数日経った卵の方がむきやすいゆで卵になります。
(※卵に小さな穴をあけたりひびを入れたりする方法もあります)
安くて栄養満点な卵を使って、
ぜひ楽しくておいしい実験をしてみてくださいね。
次回も「身近な科学」を紹介していきます。
どうぞお楽しみに!