皆さんこんにちは。
受験Dr.の理科大好き講師、澤田重治です。
雨が降ると、なんだか気持ちまでどんよりしませんか?
私も雨が嫌いなので、この時期は本当に憂鬱になります。
低くて黒い雲に覆われる閉塞感や圧迫感というものも、
心理的な要因として意外に大きいのかもしれませんね。
雨の日が好きな生物「カビ」
さて、そんな雨の多い季節「梅雨」ですが、この時期を好む生物の一つが「カビ」です。
前回のブログでも、「梅雨(つゆ)」という名前の由来が
カビ(黴=バイ)が生えやすい時期に降る雨なので「黴雨(バイウ)」と名付けられたが、
字面が良くないので、同じ「バイ」と読む言葉で「梅」があてられた
という説を紹介しました。
それくらい、カビにとって梅雨の時期は居心地が良いのでしょう。
動物? 植物?
あまり知られていない「カビ」という生物の正体について、
理科の視点から考えてみようと思います。
カビは「菌類」の生物――植物の分類を知ろう!
上のイラストのようなイメージがあるので、動物っぽく感じてしまうかもしれませんが、
カビという生物は、一応分類上「植物」になります。
(※分類体系にはいろいろあって、別の説を唱える学者さんもいるので「一応」としました)
もう少し詳しく説明すると、「胞子(ほうし)植物」といって、胞子で仲間を増やす植物の一種で、
キノコと同じ「菌類(きんるい)」という分類です。
以下に、植物全体の一般的な分類と、中学入試でよく出る植物例をまとめてみました。
中学受験を志す方はぜひ参考にしてください。
合弁花類と離弁花類の区別については、たくさんあるので表中では省きましたが、
中学入試で聞かれやすいものは以下の通りです。
▽合弁花類
▼ヒルガオ科
(植物例)アサガオ,ヒルガオ,ヨルガオ,サツマイモ
▼ナス科
(植物例)ナス,ジャガイモ,トマト,ピーマン,トウガラシ,シシトウ,ホオズキ
▼キク科
(植物例)キク,タンポポ,ヒマワリ,レタス,シュンギク,ゴボウ,ヨモギ,
オオオナモミ,コセンダングサ,コスモス,ノアザミ
▽離弁花類
▼アブラナ科
(植物例)アブラナ,ナズナ,キャベツ,ハクサイ,ブロッコリー,カリフラワー,
ダイコン(スズシロ),カブ(スズナ),ワサビ,カラシナ
▼マメ科
(植物例)エンドウ,ダイズ,ソラマメ,インゲンマメ,ラッカセイ,スイートピー,
ゲンゲ(レンゲソウ),フジ,ハギ,シロツメクサ(クローバー)
▼バラ科
(植物例)ウメ,モモ,サクラ,リンゴ,ナシ,イチゴ,バラ,ヘビイチゴ,ビワ,
ユキヤナギ,ヤマブキ,ナナカマド
▽合弁花類と離弁花類の区別について意見が分かれているもの
▼ウリ科
(植物例)ウリ,ヘチマ,キュウリ,カボチャ,スイカ,メロン,ユウガオ,ヒョウタン
人の役に立つカビもある!
お風呂場やパンに生えると厄介なカビですが、マイナスの物ばかりではありません。
カマンベールチーズやブルーチーズのように、カビを使っている食品もありますし、
実は人類の役に立っているカビもあるのです。
その中でも、人類の歴史を変えたと言っても過言ではないのが「アオカビ」でしょう。
ドラマ化もされた某人気漫画でも描かれていましたが、
アオカビから「ペニシリン」という抗生物質が作られたことは有名ですね。
当時、治療法のなかった伝染病や破傷風を次々に治し、奇跡のクスリと呼ばれたペニシリンは、
人類の歴史の中でもトップクラスの発見だったと言えるでしょう。
発見者はイギリス・スコットランドの細菌学者であるアレクサンダー・フレミング博士です。
ペニシリンという名前も、アオカビの属名である「ペニシリウム」が由来となっているそうです。
次回も、楽しくてためになる「身近な科学」を紹介していきます。
どうぞお楽しみに!