皆さんこんにちは。
受験Dr.の理科大好き講師、澤田重治です。
中学受験の理科では、天気に関することわざに関する出題がよく見られます。
もちろん、各地方の言い伝えのようなものを取り上げるときりがありませんが、
実際に出題されるのは、科学的根拠が明確なものが中心です。
出題されやすいものは限られていますから、しっかりと覚えておきましょう。
晴れ間を作る高気圧や、雨雲を作る低気圧が偏西風に乗って、
西から東へと移動することが根拠となっているものも数多くあります。
朝焼けは雨、夕焼けは晴れ
たとえば、「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」という言葉があります。
その周辺に雲がないからです。
つまり、東の方角に高気圧があるということです。周囲よりも気圧が高い部分が高気圧ですから、そこから離れれば、当然気圧は低くなってきます。
言い換えると、西の方角には低気圧がある可能性が高く、
この低気圧が偏西風によって運ばれてくることで、
次第に雨が近づいてくる……という理屈なのです。
夕焼けはその逆で、夕方、西の空に太陽が沈むときに、
その周辺に雲がないのですから、西の方角に高気圧があります。
この高気圧が偏西風によって運ばれてくると、
翌日は晴れになる可能性が高くなるのです。
日本の天気を左右する「偏西風」
ところで、この科学的根拠の中で鍵となった「偏西風(へんせいふう)」って何でしょうか?
テストでは用語をかかされることの多い言葉ですが、
はたしてお子さんはどこまで説明できますか?
試しに聞いてみてください。
中学受験の理科の講師としては、できれば
「日本の上空に一年中吹いている西寄りの風のこと」
などと答えてほしいところですが……いかがですか?
もちろん、日本だけに吹いているわけではありませんから、
「日本の上空」ではなく、「中緯度地帯の上空」とした方がより良い解答です。
「蛇行して吹いている」なんて答えられたら、かなり気象が好きなお子さんですね。
また、この偏西風が日本の天気の変化の大きな原因になっていることまで言えたら、
偏西風の説明としては、ほぼ満点の解答と言って良いでしょう。
しかし、近年出題する学校が増えた「リード文問題」への対応を考えると、
さらにもう一歩踏み込んだところ――つまり、「偏西風が吹く仕組み」まで
理解しておいた方が良いかもしれませんね。
ということで、その「偏西風の吹く仕組み」を説明したいのですが……
長くなってきたので今回はここまでにしておきます。
次回は、偏西風だけではなく、
地球全体で起こっている「大気大循環」について説明していきます。
(※実は、「偏西風」というのは、この「大気大循環」の中の一部分なのです)
次回もどうぞお楽しみに!