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投稿日:2024年09月19日

テーマ: お悩み解決

【中学受験でよくあるお悩み】やってもやっても伸びないのですが?⑤

皆さま、こんにちは!

ご家庭からのよくあるお悩みについて、回答してみようという企画の第3弾です。
「やってもやっても伸びないのですが?」という、お悩みについて考えています。
前回は、1回目のブログで挙げた4つのチェックポイント
①取り組んでいるトレーニングの意味や理屈を言葉で説明できるか?
②取り組んでいるトレーニングはいまの実力や改善点に適したトレーニングか?
③取り組んでいるトレーニングの量やかける時間は適切か?
④取り組んでいるトレーニングが応用的な場合は基礎となることの理解は十分か?
このうちの、②について考えてみました。
今回は、③について考えてみます。
前回は、適切な負荷をかけることが難しいという話でした。
主に自分にあった難易度の問題に取り組むことの難しさだったのですが、今回は量や時間です。
これも、ある意味で「適切な負荷」をどうかけるかという問題だと言えます。

 

やみくもに時間ばかりかけても意味がない

やったらやっただけ実力がついて成績が伸びるなら、日々の勉強は本当に楽しいでしょう。
しかし、そんなに簡単にいくかというと、これがまたなかなか難しいです。
勉強に限らず、何事も初心者のうちは、やったらやっただけできるようになるものです。
練習量と実力の伸びが比例しているような感じで、こういうときは本当に練習が楽しいです。
やみくもに練習していても、ほとんどが初めてやることなら、何をやっても実力は上がるのです。
こういう段階は、あまりトレーニングの内容や時間を細かく気にすることはないのかもしれません。

しかし、段々と実力がついてきて、中級者から上級者になってくると、徐々に伸びが緩やかになってきます
こうなってくると、まさに「やってもやっても伸びない」状態で、練習することが辛く感じることもあります。
練習量に対して実力アップが実感できなくなってくると、モチベーションを維持することも難しくなります。
トレーニングは「続ける」ということが何より大切です。
こういった時期をどう乗り越えていくかが、さらに実力をアップするには非常に大切になります。
ただし、そう考えると、「やってもやっても伸びない」という状態は、実力が上がったから起こるとも言えます
必ずしもマイナスなこととは限らないということは、頭に置いておいて良いでしょう。

とはいえ、できればやったらやっただけ、実力がアップするようなトレーニングをしたいです。
そうなってくると、やはり取り組む内容や時間・量というものに目を向けることが重要になります。
何を目的にして、どういった内容のトレーニングに取り組むのか?
そのトレーニングをどのくらいの量や時間をかけて取り組むのか?
効率の良い、効果的的なトレーニングを意識して工夫する必要があるということです。
今回のテーマは、主に量や時間についてですが、やみくもに時間をかけても意味がないとまずは考えましょう。

中学受験の勉強は、国語、算数、理科、社会の4科目あります。
まずは、4科目にかける時間のバランスを考えましょう。
4科目にかける時間のバランスとしては、算数:国語:理科:社会がおおむね4:2:1:1くらいがいいでしょう。
これは、中学受験における科目の重要度から考えたバランスです。
もちろんお子さんによって得意不得意がありますから、このバランスは状況によって調整しましょう。
苦手な科目については、少し時間を長めにするような感覚でいいです。
お子さんはどうしても苦手なものを避けがちになります。
間違っても、苦手な科目に触れる時間がないというようなことにならないように気をつけましょう。

 

1問にかけていい時間は?

次に、1問にかける時間です。
中学受験の勉強は入試日という締め切りがある以上、時間との勝負です。
1問に何分も何時間もかけている時間はありません。
算数の難問などに、うんうんとうなって考え込むというようなことは、あまり効果的ではないです。
特にやることが多い6年生は、この点に気を付けましょう。
では、どのくらいの時間を1問にかければよいか?
ひとつの目安は、「その問題がテストに出たとして、実際にどのくらいの時間が使えるか?」です。

例えば、算数の問題で考えてみましょう。
算数のテストは、多くの場合は50分で20問くらいの分量になります。
すると、1問にかけられる時間は、およそ2.5分です。
そう考えると、1問の問題を解くのに、5分も10分もかけるのはあまり現実的ではありません。
5分考えてどうにもならなければ、それは解けない問題だと考えた方が良いと思います。
「下手の考え休むに似たり」という言葉もあります。
考えているようで、実際には、ぼーっとしているだけ、とならないように気を付けましょう。

算数の問題も、大部分は知識で解いています。
なぜその問題が解けるのかというと、ほとんどの場合その問題を知っているからなのです。
ですから、問題を見てピンとこなければ、その問題は知らないのだと考えて、解説を確認した方が良いです。
解説を見た結果、「あー、あの問題だったかー」と思いだせるならそれでよし。
もし、初めて見るようなタイプの問題だった場合は、解説を読みながらその流れでいったん解いてみます。
そのうえで、次の日や、2、3日後にもう一度チャレンジしてみて、それで解けるならOKです。
こんなイメージで、1問に時間をかけすぎないように、合計で2時間もやれば1日の量としては十分です。

国語の場合はどうでしょうか?
例えば、読解問題を毎日1題やると決めたとします。
模試の場合、文学的な文章が1題、説明的な文章が1題、他に漢字や語句の知識問題という構成が普通です。
それを50分という時間をかけて解くことになります。
そう考えると、例えば物語文をひとつ読んで、その問題をすべて解くとして、使える時間は20分くらいです。
ですから、ご家庭で読解問題に1題取り組むとして、かけていい時間は30分前後です。
長く難解な文章だったとしても、それでも1時間以上をかけることは効率的ではありません。

逆に考えると、国語の学習は毎日30分くらいでも、読解問題のトレーニングができるということです。
解いた後に、答えあわせをしたり解説を読んだりして、さらに15分くらいはかかるでしょうか?
これに、朝や寝る前に漢字や語句の知識問題を、15分くらい付け加えれば毎日の学習としては十分です。
全体として1時間くらいなので、そう考えると、国語の学習は比較的取り組みやすいはずです。
前回のブログで、国語の学習は後回しにされがちと書きました。
そういうことにお悩みのご家庭は、毎日このくらいのイメージで取り組んでみてはどうでしょうか?

 

1日の学習計画を立てよう

算数に2時間、国語に1時間かけるとして、理科・社会はそれぞれ30分ずつやるとします。
学習時間の割合は、算数:国語:理科:社会が4:2:1:1になっています。
これで1日の総勉強時間は4時間です。
小学校の前後の時間をうまく使えば、このくらいの学習時間を確保することは問題なくできます。
家庭学習の時間や量が定まらないというご家庭は、まずはこんな感じで取り組んでみてはどうでしょう?
1日の学習計画をきちんと立てることが、トレーニングを継続するにはとても大切です。
もしさらに時間的な余裕があるなら、苦手な教科にはもう少し時間を割いてもいいと思います。
ただ、必要以上にやりすぎないようにも気をつけてください。
疲れた状態でトレーニングしてもあまり効率は良くないので、適当に休むことも大切です。

最近もご家庭からこんな質問がありました。
「最近だんだんと計算問題の答えがあわなくなっているんです…」
私はそれを聞いたときに、計算力が落ちるなんてことがあるかなぁ? と思いました。
計算力は、スポーツでいえば筋力や心肺能力などの基礎体力のようなものです。
それが極端に落ちると言うようなことはあまり考えにくいです。
もしそうだとすると、何かメンタル的に問題を抱えているか、単純に疲れているか、のどちらかです。

私はその質問に対して、「疲れているだけではないですか?」と答えました。
集中力が落ちてミスが増えているだけではないか、と言うことです。
たくさんやらせればそれだけ結果が出ると思いたくなりますが、実際にはそんな事はないです。
逆にやったらやっただけ成績が下がると言うようなこともありえます。
疲労についての問題は、どうしてもご家庭の考えから抜けがちだったりします。
私が「少し休んでみたらどうですか?」と提案すると、多くのご家庭が意外そうな反応をされます。
しかし、疲れていればパフォーマンスが下がるのは当たり前のことです。

大切なことは、どうしたら一番良い結果がでるか、です。
言い方を変えれば、結果が出る方法が一番良い方法だということです。
基本はトレーニングを続けることですが、休むことによってより良い結果がでるなら、それを選択すべきです。
どうしても、休むよりも練習している方が心理的には安心なので、休むのは怖いことであるのは事実です。
これについても、以前のブログで詳しく書きましたので、興味がある方はこちらもお読みください。

とにかく、トレーニングと休息のバランスを大切にしましょう。
1日の学習計画の中に、休息をとる時間というものも意識して盛り込んでみましょう。

今回は以上です。
やみくもに時間をかけても意味がないので、まずは1日の学習計画を立てましょう。
その際に、1問にどのくらいの時間をかけてよいのか、テストでの時間を目安に考えましょう。
また、休息をとることも、パフォーマンスを高めるためには大切です。
意識して学習計画に休息時間を盛り込むことを考えましょう。
次回は、ポイントの④について考えてみます。
では、また次回お会いしましょう。

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