第223号　2014-07-11

7月もそろそろ半ば。
少しずつ陽が強くなってくるはずですが、
本日、台風一過の影響か、
幾分過ごしやすい朝の10時です。

中学受験生を抱えたご家庭のこの時間帯は、
家事も一段落し、
一息ついたところでしょうか。

それとも
お仕事やご用事でお出かけしているところでしょうか。

そんなことを考えながら、
皆様へメルマガを出して、
早一年が過ぎ。

これからも中学受験のお役に立つ記事を
配信してまいります。

どうぞ受験ドクターのメルマガを
今後ともよろしくお願いいたします。

と、
時期外れの新年のあいさつのようですが、
今は夏。
夏期を目前に控えた受験生をもつご家庭へ
今、するべきこと、と同時に夏期の過ごし方について、
受験ドクターの誇る塾長（算数科　スーパードクター講師）
に伺いました。

密度の濃い話になりますので、
３回シリーズでお送りいたします。

どうぞ参考になさってください！

安部　公一郎　講師　（算数　受験ドクター塾長）
ご存知、受験ドクターの顔であり、受験ドクター全体をとりまとめ、生徒さん一人一人のフォローに徹する、当塾の誇る算数のスーパードクター講師。
元SAPIX講師でもあります。
ご自身は西の名門、東大寺学園を出られ、慶応大学に進学。現在、受験ドクターにて、教育業界を先導する気概を持って、熱情とともに日々、子どもたちに接しています。
全講師の中で、受験ドクターでの指導歴が最も長く、数多くの受験生を合格へ導いてきた個別指導のスーパープロフェッショナル。
その引き出しの多さから、ドクター内では他講師へのアドバイザーとして頼もしいリーダーシップを発揮しています。
各塾の特性、カリキュラムに精通し、合格のための学習計画立案、学習法提案には定評あり。課題発見、課題克服を目指した的確な指導で、お子さんを確実に志望校合格へと導きます。
どんなシャイなお子さんでも打ち解けさせてしまう、ユーモアあふれる語り口で、本日も生徒の指導にあたっています！

⇒講師プロフィールはこちら

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夏期講習の活かし方〜苦手を克服する夏は本当？！
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〈〈 苦手を克服する夏はウソ？！ 〉〉
こんにちは。
受験ドクターの塾長　安部公一郎です。
受験生のみなさんは、毎日がんばっていますか？

努力はするだけしたら思うように伸びていく、
とは限りません。
一生懸命、夏期講習に皆勤したって、
それで夏を活かした！成績が上がった！
とは決してならない。

今回から
夏期講習の「正しい受け方」
夏の「正しい過ごし方」について、
３回に分けてお話しいたしましょう。

まずですね、
中学受験生をお持ちのご家庭に
「夏休みの目標はなんですか？」
と伺ったら、
ほとんどのご家庭が
「夏休みの目標は苦手克服！弱点補強です！」
とお答えになります。

そうですね。
苦手克服、弱点補強。
それ自体は悪くない。
いえ、正しいといってよいでしょう。

しかし、この話、もう少しつっこんでみましょうか。

「苦手克服、弱点補強って、なになさるんですか？」

「そりゃ、理科が苦手だから理科をがんばらせます！」
「国語の記述ができるようになれば」
などなど。
漠然としたお答えが返ってくるのが常です。

これをお読みの方で、
「いやいや、そうじゃないでしょ！」
とお分かりになる方は、この先お読みいただく必要はない。
「苦手科目の克服のどこが悪いの？」
とお思いの方はこの先を進めます。

「苦手科目の克服」
響きはいいですよね。
でも、じゃあ、実際には何をしたらよいのか、
といったら、漫然と漠然と
苦手科目のあっちをかじり、こっちをかじり。

しかも塾の夏期講習の合間を縫っての学習です。
そんなやり方で苦手科目が克服できたら、
塾なんていらない、って話です。

集団塾の夏期講習の内容は、
すべからく
既習内容の問題演習、および解説授業です。
苦手な科目の苦手な分野が
さらっと出てきて、
わけわかんないまま演習して、
その演習内容を解説されて。

自宅でわずかな時間で復習したって、
苦手科目が苦手でなくなるわけがない。

夏の目標の「苦手科目の克服」は絵にかいた餅なんです。
絵にかいた餅を実際においしく食べるにはどうしたらよいか。

答えは簡単です。
「一点突破」
これしか苦手科目を克服する術はないんです。

「一点突破」して、初めて、そこから切り込んでいく。

じゃあ、その「一点」ってどうやって決めるの？

７月にみなさん、大きな模試をお受けになりましたね。
また、それまで受けた大きな模試でもよいですよ。

そこから、
苦手分野を可能な限り具体的に引き出す。
「電流」とか「人体の名称」とか「江戸時代の中期」とか。
そうやって引き出した「苦手な部分」を
重要度でランク付けするんです。

重要度がわからなかったら、
志望校とともに、塾の先生に聞きましょう。
ランク付けしてくださるはずです。

さあ、その具体化した「１点」を集中的に学習するんです。

「１点」。欲張らないこと。

秋の模試でその「１点」が出題されなかったら、
意味はない？

いえいえ、
お子さんは模試のために頑張ってるのではない。
模試は目標設定して走り続けるためのもの。
さらには、
弱点をみつけるためのもの。

お子さんの目標はあくまでも
志望校合格でしょう。

それなら、
「苦手科目」の「一点突破」です。

集団塾の夏期講習では不可能な、
この「一点突破」で
夏を有意義にできるのです。

逆に言えば、
夏に期待しすぎて欲張りすぎないこと。

あちこちの広い分野をかじって、
結局使える知識として定着しなかった。

そんなつまらない夏の過ごし方はやめましょう。

そして、学校がないため、
時間はありあまるほどある、
と考えるのはやめましょう。

夏は、むしろ夏期講習で時間をとられ、
体力を削られます。

すきま時間を有効に使わなければ、
「一点突破」すら難しい。

塾が演習をしてくれるのならば、
自宅では、
ひたすら苦手科目の具体的な課題をランク付けして、
まずは「一点突破」。

夏休み、夏期講習前に、
具体的な課題の洗い出しを今日から始めましょう。

夏の戦いはもう始まっているのですから。
夏を有効に使えるかどうかは、
親御様の前準備にかかっているのです。