第240号 2016-02-28
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●苦手科目はなぜ生まれる?!澤田先生に聞く苦手科目克服法!
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ふと気が付くと2月も終わり。
ほんの1か月足らずの前は、
子どもたちが試験会場で戦っていたことを思うと
月日の流れは本当に速いものですね。
希望の中学に入れたお子さんも
残念だったお子さんも、
来る春は同じ、希望に満ちた春。
新生活の期待を胸に、
前へ前へと
進んでいってほしいなと思います。
今、まさに中学受験を控えた
新6年生、5年生、4年生以下のご家庭の
これから進んでいく先は、
石ころありの、段差ありの、亀裂ありの
でこぼこ道であって、
平坦な道とは限らないかもしれません。
それでも
ひたすら前へ進もうとした、
その経験、体験は、
これから先の勇気になる、励ましになる。
中高生になったら自立することを思えば、
せっかくの中学受験、
親子の最後のイベントかもしれません。
楽しんでください。
さて、本日は、
理科・算数科の澤田重治先生に
苦手科目の克服法について語っていただきました!
理科・算数科 澤田 重治 先生
「NN早中・栄光聖光・慶応普通部 理科」科目責任者
早稲田アカデミーでは、本社課長職や校舎校長職を
10年以上務めた【算数・理科】のエキスパート。
講師歴20年以上のベテランです。
早稲田アカデミーの生徒・保護者向けアンケートにおいて、
講師評価第1位を獲得したこともあるカリスマ講師です。
春野 澤田先生にインタビューするのは初めてですね。
本日はよろしくお願い申し上げます!
澤田 喜んでご協力いたします。
春野 さて、いきなり本題なのですが、
澤田先生は、苦手科目が生まれる理由がおわかりとか。
澤田 わかりますね。
春野 そもそも苦手科目が生まれるのって、
何年生のころなんですか?
澤田 3、4年生でも、5年生でも、6年生でも生まれます。
春野 3、4年生でも苦手科目は生まれる、って、びっくりですが、
やはり学年によって攻略法は違うのですよね?
澤田 いや、一緒です。
3年も4年も、そして5,6年生であっても、
苦手科目の攻略法は、すべて一緒です。
春野 ますます興味がわいてきました。
では、苦手科目ってどうやって生まれるんでしょうか?
澤田 思い込み、暗示、いやな体験。
3年も4年も、そして5,6年生であっても、
苦手科目の攻略法は、すべて一緒です。
たとえば、
母親がその昔、数学が苦手だったとします。
そうすると、
お子さんがちょっと算数で悪い点をとってきたときに、
「お母さんに似ちゃったね。」
なんて言うんですよ。
そしたら、もう「あたしはお母さんに似て、算数はできないんだ」って
暗示にかかってしまう。
そもそも数学と算数は違う、というのはありますが、
こんなふうに、親御さんからの何気ない言葉で
「だめだ、苦手だ」と思い込んでしまう。
ほかにも、
テストの点数が悪かった、
授業中、みんなが解けた問題が解けなかった、
担当の先生が嫌味を言った、
この科目、いやだな、苦手だな、
そう思った瞬間、
春野 苦手科目になる。
澤田 そうです、そうです。苦手科目になる。
澤田 苦手科目になると何が起こるか。
脳がね、覚えなくなるんですよ。
春野 えっ、脳が覚えてくれなくなるんですか?
怖いんですけども…
澤田 確かに怖い話かもしれません。
ここでちょっと
脳の話をしますね。
感情をつかさどる脳は、
扁桃核(へんとうかく)と言います。
ここは、「快・不快」で反応するんですね。
春野 つまり、扁桃核は、
「楽しいな」というのと「いやだな」という感情に
反応する、ということなんですね。
澤田 そうです。
そして、
楽しいな、と思ったとき、扁桃核はある物質を出すんです。
その物質は、記憶をつかさどる脳の「海馬(かいば)」にとって、
とてもありがたい物質なんですね。
それで、海馬が活発に動き出す。
つまり、楽しいな、面白いな、という快の感情は、
記憶力が活発になった状態を引き起こす、というわけです。
春野 ほうほう。
澤田 逆に、逆にですよ。
春野 怖い声を出さないでください〜。
澤田 いや、怖い話なんですよ。
逆に、いやな体験をすると、ですね。
春野 いやな体験をすると?
澤田 ダメダメ物質が出て、海馬の動きを止めるんです。
つまり、
苦手だな〜いやだな〜って思っていたら、
詰め込んでも詰め込んでも覚えられなくなるんですよ〜。
春野 ひええ〜っ。
澤田 変な声を出さなくても大丈夫ですよ。
がんばっても覚えられない、
そんな状況にならないように
それぞれの科目を好きになれば解決です。
春野 簡単におっしゃいますけど、
苦手意識のある科目を好きになるって、
結構むずかしいと思いますが…。
澤田 苦手意識のできてしまった科目を好きになるためには、
これは、やはり親御さんがよほどうまくやらないと
成功しません。
春野 やっぱり。
って、
澤田校長、もっとメルマガを読んでくださっているご家庭に
希望を持たせていただけませんでしょうか。
澤田 いいことおっしゃいますね!
そうです、自信というより、希望を持たせるんです。
もしかしたら、オレってあたしって、
この科目、できるようになるんじゃない?
できるようになりたいな。
そんな希望を持たせる唯一の方法、
それをご紹介しましょう。
楽しいな、と思わせるきっかけを作る
↓
楽しい、と思ったときに覚えさせる(海馬が活性化)
↓
小テストや復習テストで高得点
↓
小さな自信、大きな希望をもつ
いかがですか?
春野 いや、あの、
一番最初の「楽しいな、と思わせるきっかけを作る」ってとこ、
もう少し私にもわかるように具体的に教えていただけません?
澤田 これは、講師の立場からと親御さんの立場からお伝えいたしましょう。
講師の立場から言えば、
たとえば理科なら、
身近に感じてもらうための仕掛けをたくさん作っておく。
テキストで習ったことが、身近で生きていることを示すと
たいていのお子さんは驚いてくれます。
この「驚き、発見」という心の動きが記憶を助けてくれるんですね。
算数なら、
問題文そのものにツッコミを入れる。
「姉が弟に1300円渡して、二人のお金は同じになりました。」
なんて書いてあろうものなら、
「なんでお姉ちゃん、弟にお金あげたのかな?
気前のいいお姉ちゃんだね!」
とか言うと、特に男の子は、すぐ乗ってきてくれます。
おもしろがっているうちに、
じゃ、これ覚えてごらん、と記憶を促す。
扁桃核がよい物質を出しているから、
海馬は喜んで覚えてくれる。
この先生、おもしろいな、
この授業、楽しいな。
そう思ってもらえたら、
小さな成功体験が積み重なって、
いつのまにか「キライ」が「まあまあ」に変わっていきます。
春野 自分の教えている科目を好きになっていってくれる、
その過程、やりがい、ありますよね。
澤田 ありますね〜。
純粋にうれしいですね。
春野 ご家庭は、どんな働きかけが有効なんでしょうか。
澤田 一緒にその科目の単元を話題にしておしゃべりする、
ちょっとできたことを見逃さずにほめてあげる、
暗示なら、逆の暗示をかけてほしいですね。
「お母さんは算数得意だったのよ。だからあなたも大丈夫」
みたいな、ね。
春野 偏差値20アップ指導法の考え方ですね!
澤田 そうです。
子どもを楽しませて勉強を好きになってもらい、
みずから机に向かわせるようにする。
そこに正しい指導が加わったら、
偏差値20アップくらい簡単だ。
それが、偏差値20アップ指導法の根底の考え方ですからね。
まさしく、同じですね。
春野 私もいつも楽しんで授業するようにします。
そしたら、私も記憶力がアップしますか?
澤田 しますよ、保証します。
春野 力強いお言葉をいただいちゃいました。
本日は、有益なお話をまことにありがとうございました!
また、メルマガに登場してくださいませ。
澤田 楽しみに待っています。
春野後記
本年度からたまプラーザ校の校長になった澤田先生。
いつもお子さんが喜ぶこと、おもしろがることを考えて
楽しませようとしているのは、苦手科目を作らせないための
方法でもあったのですね。
おおらかでおもしろく、そして力強い、澤田先生の授業は、
私、春野が聞いても、楽しく、いつの間にか根本の考え方が頭にスッと入ってしまいます。
澤田先生とは、
校舎も違うため、なかなかゆっくりお話しする機会が少なかったので、
今回は、とても楽しいひとときでした。
澤田先生、またよろしくお願いいたします!