第243号 2016-05-03
GW!
黄金週間!
叫んでどうする?ですが、
長期大型連休は、やはりワクワクするものです。
365日開校の受験ドクター講師でも、
電車の空き具合がうれしいこの頃。
このときとばかりにまとまった学習を!
と意気込んでも、
なぜだろう、思ったようには計画は進まない。
まあ、折角の休みなんだから、
多少は大目にみようじゃないか、
とばかりにミニミニ行楽に出かけてしまうご家庭も。
見えそうで見えない、よそんちの事情。
どれくらい勉強しているの?
ということで、
インタビューしたご家庭あり、
春野の実体験ありの
今回のタイトル、
「勉強時間、みなさん どれくらい?」。
お子様の参考になれば幸いです!
春野の息子二人、SAPIXに通っていたのは、
以前にもお伝えいたしました。
長男は最後までお世話になり、
次男は、2年生から通ったものの、
新6年生となるその前日の1月31日に
SAPIXをやめたのでした。
そのへんの話は、いずれ。
ということで、
そのころSAPIXの先生から何度もあった、
家庭学習時間の目安がわかりやすかったので、
少々記憶に不安の残る春野ママでも、
未だに忘れずにいるのです。
サピの先生いわく
「週の自宅学習時間は、各学年の学年数。
ただし、5年生以降はかけること1.5〜2。
つまり、
2年生なら、週2時間、3年生は週3時間、4年生は週4時間。
5年生は週5時間×1.5〜2.0=7.5時間〜10時間で、
6年生は週6時間×1.5〜2.0=9〜12時間です。」
ね。
わかりやすいでしょう?
自宅学習時間、すなわち塾に行っていない時間ですから、
拘束時間の厳しい日能研生や四谷大塚生、早稲アカ生は
なかなかこの時間数を週に確保するのは難しいかもしれません。
それくらい少なくない自宅学習時間です。
そして、春野の知る限りにおいては、
これくらいの時間が一般的中学受験生の学習時間であることは確か。
にもかかわらず、
春野家では、長男君、机に座っていたのは、
上記の時間数を結構超える。
おっ、春野息子、がんばるね!
ではなくて、
ぼおっと座って、頭空っぽにして、
怒られるのいやさに、
「やってるふり」をし続けていた、
そしてそれに気づくのが遅かった母。
トンデモ親子でございます…。
今にしても思えば、
時間なんて短くてもいい。
集中して、
最低限、頭に入れるべきことを入れているほうが、
何時間も拘束されて、
意味のない時間を過ごさせるより
何百倍、何千倍ましなことか。
この反省は深かった。
だって、
もっと小学生、外でお友達と遊ばせてやりたかった。
勉強しろって本当は言いたくなんてなかった。
子どもの喜ぶ顔が一番うれしかった。
なのに、なんて無駄な時間を過ごさせてしまったのか。
ワタクシ春野の後悔項目は、
実はとっても多いのですが、
ワースト5に入るこの後悔、
みなさんにはさせたくはない!
ということで、
開成中、灘中に合格したご家庭に
勉強時間を聞いてみました!
ハンサムだったのは、横に置いておいて、
子どもに話しかける様子が
いかにも男の子のお父様らしく、
「かっこよい距離」でした。
「勉強しろ、ですか?
言った記憶はないですねえ。」
横で灘中君がうなずく。
「言われたことない。」
すかさず春野が突っ込む。
「でも、お母さんには言われたでしょう?」
親子で顔を見合わせて
「あんまり言わなかったよね?」。
いきなり衝撃の発言でしたが、
どうやら本当に灘中君のおうちでは、
両親そろって「勉強しなさい」と言ったことがないそう。
「5年生のときの塾のない日、どれくらい家で勉強していた?」
という春野の質問に
灘中君は、子供らしい利発さで元気に答えてくれました。
「平日は、1、2時間くらい。
日曜日の一日塾のない日は、3時間?かな。
6年生は、ドクターに通い始めたから、
ほとんどドクターに来ている時間が勉強時間。
9月からは過去問解くのに、もうちょっと多かったかも。」
す、少ない。
「寝る時間は?」
今度はお父様が答えてくれる。
「そうですね。
5年生のときは、10時半くらいだったかな。
6年生になって、やっぱり11時になりましたかね。
直前期は11時過ぎることもあった。」
聞けば、
灘中君は、かなり集中力があるという。
自宅学習時間の2時間も
1回の5分の休憩をはさんだのみで、
集中して勉強できるらしい。
「うちは、
同じ小学校の仲良しグループがみんな同じくらいの成績で、
それぞれゲーム感覚で競っていたから、
傍で見ても楽しそうでしたね。
やっぱりお友達と一緒、というのが、
ストレスなく
勉強に集中できたんだと思います。」
成績が下がったことはある?
と聞いたら「もちろん!」。
そのとき、両親は怒った?
「怒られなかった。
次はがんばれよ、って言われただけ。」
「お母さんは?」
の春野の問いに
「残念だったね。って」。
やはり、
できる子の親は違うのか、
親がそうだから子供ができるのか。
集中力の答えは、
うるさく言わずに子供を信じて見守る親の徹底した姿勢にあるのかもしれません。
そしてお友達。
楽しく勉強すること。
これこそが集中力の源なのですね。
「私は、フルで働いているんで、
基本ほったらかしでした。」
という明るい顔立ちのお母さま。
「この子も、6年生になるとイライラすることもあって、
親子バトルしていましたけど、
勉強しなさいとか、
テストで怒ったことはなかったと思います」。
ええっ?
「勉強とかあんまり言われなかった。」
とうなずく開成中君。
気になる勉強時間は、
なんと自宅学習6年生時点でも塾のない日は、
1時間〜2時間弱。
「ぼく、授業に集中するタイプなんです。」
授業に集中?
授業内に全部理解する、ってこと?
「ええ。
基本、授業中に理解して、
解けるようになってから帰る、って感じでした。」
「この子は、最後まで小学校のお友達と公園で遊んでいたから。
塾のない日は、学校から帰って、遅くまで遊んでました。」
とお母さま。
「塾のある日も、塾の時間まで遊べたら遊んでた」と本人。
周囲には、受験大丈夫?と聞かれ、
近所のおばさんには心配されたといいます。
「後輩へ言いたいのは、
やっぱり、塾でもドクターでも、
習っているうちに理解して
次にできるようになってから帰宅することが大事、ってことかな。」
それができないから苦労するんです、本当に。
「ドクターの先生方は、
授業内でOKと言ってくれました。
自宅であんまりしなくても、
集中力があるから、大丈夫だと。
感謝しています。」
ありがとうございます。
ここでも、
親はやかましく言わない。というスタンス。
そして出る、お友達というキーワード。
楽しみがあるから、短い時間で集中して終わらせようとする。
そこに効率化の秘密があるのかもしれません。
最難関校に合格した親子インタビューで春野が学んだのは次の点です。
勉強はやはり、絶対時間ではなく、
質。
量より質。
もちろん、量が質をカバーする、
ということは長い受験人生の中、
そういう局面は絶対に出てくる。
でも、
小学生。
小学生の受験では、効率よく最短で走った者が勝つ。
そもそも小学生は長時間の勉強に堪えない。
以前、灘中高、筑駒中高出身の東大生にインタビューしたことがありました。
「中学受験 東大家庭教師ドクターに聞く 夏休み以降の過ごし方【vol.191】2013年」
そのときの彼らは、
小学生がここまで長時間勉強できるの?!
というオドロキを教えてくれました。
でも今やデジタル世代の小学生は、
根性論よりも短く効率的に進むことに慣れているのかもしれません。
教育の現場も大きく変革の時期を迎えています。
中学受験を経た小学生は、
いよいよますます進化を遂げて、
来るべき大学入試改革を難なくこなしてしまうのか。
受験ドクターの偏差値20アップ指導法は、
いかに子供に勉強を楽しませて、
勉強好きにさせるか、という指導法が柱になっています。
今の世に合った指導法を展開しているんだ、と
誇りをくすぐられた今回のお題。
今日から、
「勉強しなさい」「なんでこんな成績とるの?」「勉強してないからでしょ」
というお小言を少し減らして
「がんばってるね」「次があるよ」「早めに寝ようか」
という言葉がけを少し増やして。
そんな親の姿勢が子供の集中力を生むのかもしれません。