海城中学校説明会レポート(2020年11月6日)
本日は海城中学校へ、受験ドクター 算数、理科講師の橋本 樹が行ってきました。
現行の施設紹介はありませんでした。
今夏から生徒全員にMacBookAirを配布していることと、来夏に理科館が新設されることが紹介されていました。
コロナ禍などでも、社会の変化に強い学校であることが強調。
ICT環境の充実と、海外大学受験を含んだグローバル教育に、以前から力を入れている。
来春ハーバード大学に進学予定の生徒を2度も紹介。しかし他に海外大学に進学する生徒はいないらしい。
JR山手線 新大久保駅より 徒歩5分
地下鉄副都心線 西早稲田駅(3番出口)より 徒歩8分
JR中央総武線 大久保駅より 徒歩10分
JR山手線 地下鉄東西線 高田馬場駅より 徒歩12分
地下鉄副都心線 大江戸線 東新宿駅より 徒歩12分
2020年11月6日に行われた海城中学の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は海城中学ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©海城中学校
校長ご挨拶
海城中学校の柴田 澄雄校長より、
教育に関するお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。
コロナ禍でのこれまでの対応と、これからの変更点
デジタル対応をすすめる。中学・高校すべての生徒にデバイスを持たせる。
来年度からの新カリキュラムで情報教育を強化する。
英語少人数授業(20名)の一部導入。発表、討論、交渉を積極的に取り入れる。
卒業生紹介
山田くん(ハーバードに進学予定):模擬国連において国連事務総長章を受章。学校行事を通して和を重んじることを学んだ。
ミウチくん(京大進学予定):魚の研究ひとすじ。ドジョウの研究は修士並みといわれた。
2人に共通するのは、自分で目標をかかげ主体的に行動する習慣を実践で身につけたこと。これが海城の教育の特徴。
学校概要
校長特別補佐・入試広報室長の中田大成先生より
学校概要に関してのお話がありました。
その中からいくつかを紹介します。
動画紹介
非同期型で学習をすすめ、それを補うためにホームルームなどで同期型のオンライン授業を活用した。
オンデマンド授業にすんなりと移行できたのは、30年前からの学校改革の中で、2008年以降に力を入れているICT教育、ICTインフラの強化のおかげ。
教室にWi-Fiルータ、プロジェクタ、ラインスピーカーを設置。教員、高校生はiPadを完備。
2016年からは全教室に電子白板を設置、ネット接続が可能。
ICTラボというスペースを設置して、教員同士がどのような授業をつくるか気軽に相談できるようにした。
文部科学省のGIGAスクール構想(小中学生に電子デバイスを持たせる)に合わせ、4月に助成金などの申請を済ませた。中学校でも全生徒にデバイス(MacBook Air)を配布した。
教育の特長
学校改革の起点1992年、前年が創立100周年だった。発端は東大に入ってからの留年率の高さ。
建学の精神である「国際社会に有為な人材の育成」に合わなくなってしまったため。
海城の沿革
1991年海軍予備校として設立。
元海軍の古賀喜三郎が私財をなげうって作った。
進学校として結果を残しているが、建学の精神・教育理念に同意して入学していただくのが本来の姿。
追い求めるのは人間力と学力を兼ね備えた人材。
求められる新しい学力は課題設定・解決能力。探求型の総合学習が有効。
週2時間は社会科の総合学習を実施している。1学期に1回レポート提出。はじめは4,5枚だが、中2の終わりには20枚は書けるようになる。中3になると原稿用紙30~50枚の卒業論文作成。
新しい人間力としては、異質さを加えて共生できる能力。
具体的にはコミュニケーション能力と、お互いの長所を引き出しあうコラボレーション能力。
2つの体験学習を通じて学ばせる。
この新しい能力・人間力は、文部科学省が大学入試改革・新学習指導要領と共通するものであり、海城のほうがはるかに先駆けて教育を進めている。
グローバル教育について
ICT教育と並んで力を入れている。
2012年より高校からの募集を停止し、グローバル教育部を設置。
帰国生支援、英語学習のモチベーション開発、海外研修・留学支援、海外大学進学指導に力を入れてきた。
2010年にはグローバル同好会が生徒主導ではじまり、毎年模擬国連大会に出場している。
2017年には全国優勝、ニューヨークでの世界大会に2名出場、山田君は日本人男子では初めて優秀大賞・事務総長賞を授業。昨年も世界大会へ進んだ生徒がいた。
STEM教育を推進
理科館を新設。2021年夏竣工予定。工事によって他の施設が使えなくなることはない。
生活指導について
生活指導部の奥村潤先生より生活指導についてのお話がありました。
その中からいくつかを紹介します。
方針
それを目指すための「共生」と「自立」の2つをキーワードとした生活指導を行う。
ものの見方や考え方の異なる人と共生していかなければならない。
フェアーな精神、思いやりの心、民主主義を守る意思、明確に意思を伝える能力の4つを柱として、実生活の中で実践していく。
自分の頭と足で歩ける自立マインドを育てる。思春期に必要な「子の親ばなれ」「親の子離れ」を意識し、将来的に自立できる力を養う。
校則などの全てのルールの目的は、学習環境の維持、安心、安全の空間を保つこと。
生徒の起こすトラブルから逃げず、生徒からのシグナルとして向き合う姿勢を大切にしている。
海城の学習指導について
学習指導部長の森昭大先生より学習指導についてのお話がありました。
その中からいくつかを紹介します。
授業
6年間を3つのステップに分けている。
中1・中2:基本的な生活習慣
中3・高1:基礎学力の確立
高2・高3:大学入試への対応
中1・2が非常に重要で、6年間の基礎となる。学校生活6年間は授業が中心であることを言い続けている。
友達同士で切磋琢磨するよう、習熟度別授業は一切設けていない。
大学入試結果
国公立大学188名(現126)、うち東大59(現38)など。作戦よりも増加
講習
授業の補強、発展、教養の講座。
KSプロジェクト(課外学習)
授業とは別の研究、発表、活動。生徒たちの「とがった」興味・関心を研ぎ澄ますための講座。
例:学校新聞を英字でつくる、震災後の福島を訪れるなど。
自分の意志で講習・KSプロジェクトを選ぶ。やる気のある生徒にとって非常にプラスになる。
卒業生メッセージ
「海城の授業をきちんとこなせば、塾に通う必要は全くない。」
「ライバルにくれてやるアドバイスはない。」
「来年の敵に塩はおくりません。」
「海城に通学でき、勉強や部活に打ち込め、大学受験できる環境に感謝。」
入試について
入試広報室の塩田顕二郎先生からから入試についてのお話がありました。
その中からいくつかを紹介します。
一般入試
例年通り2月1日、3日の2回。通知表のコピーを提出。
コロナの影響で出席日数が足りない場合も気にしなくても大丈夫。
繰上げ合格が出る場合は電話連絡。
第一志望熱望組が増え、2回の入試を同時出願する生徒が全体の8割にのぼる。
強化ごとに足切り点数があるが、非公表。
2回の入試で難度は変えないので、60~65%の得点を目指して2回分の過去問を解くように。
1回目がダメでも2回目に合格する生徒が毎年30名以上いる。
学校訪問を終えて
オンデマンド形式での視聴でした。
言葉の端々に「伝統にあぐらをかくことなく」「受験校として評価を得ていますが」など、間接的に伝統や人気があることに自信をにじませていました。
第一志望の受験者が増加していることや、時代に即した学校教育の変革に長期的に取り組むなど、自信を持つにふさわしい、頼もしい学校であるという印象を受けました。