浅野中学学校説明会レポート(2016年5月24日)
本日は神奈川御三家中学校のひとつ、浅野中学校の学校説明会に行ってきました。
浅野中学校は、JR京浜東北線新子安駅、京急新子安駅から徒歩8分。
閑静な住宅街を通って、平坦な道を行くと少し高台にある浅野中学の校門が見えてきます。
平成28年5月24日に行われた浅野中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は浅野中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
校内に入ると、
できたばかりのアリーナが右に、
左にはテニスコートがありました。
部活動の活発さがしのばれます。
説明会が行われる講堂に入ると、
まだ早い時間なのに、熱心な保護者の方が既に前方に座っていました。
1階席だけで約400人収容することができるそうで、当日は平日にもかかわらず、定刻になると、満席状態。
人気のほどがうかがえました。
学校長ご挨拶
浅野中学・高等学校 前田 渉学校長より、
浅野中学校の歴史や教育方針など
に関するお話ありました。
その中から一部を紹介いたします。
「つながり」と歴史について
『浅野で得たもの』という文集の中で得たものを「つながり」と答えた卒業生がいます。
私はそれを誇りに思います。
1920年に浅野中学校の前身となる浅野綜合中学校が設立されました。
初代校長の水崎基一先生が一番重視されたことこそが「全人教育」でした。
人材の育成に必要性を唱え、特に14~18歳は人格形成に非常に重要な時期で
あり、その時期に教育者は骨を折らなければならないと考えていました。
その信念は今も変わらず先生たちに受け継がれています。
また、生徒同士は部活動や学校行事を通じて、先輩後輩の縦のつながりを作ります。
さらに中学3年生はキャリアガイダンスを通じて社会で活躍している卒業生の話しを
聞く機会を設けています。
浅野教育の三本柱
浅野の根幹として変わらない3つの柱は「学業」「部活動」「学校行事」です。
学業においては、
1980年から「選抜クラス」を設置して、大学受験指導に力を入れて、
進学校への道を選択しました。
部活動では、進学校でありながら本格的に部活動に取り組んでいます。
今まで運動部が目立ってきたが、近年文化部も非常に活躍しています。
また、文武両道の象徴として2014年には体育館と図書館をリニューアル、
今年の9月にはグラウンドに人工芝を設置が決定しています。
学校行事においては打越祭が代表的です。
2日間にわたって行われるいわるゆ文化祭ですが、
生徒たちだけで上げられます。
教育の3つ姿勢
最後にこれから社会を支えていく人材育成のために
浅野中学校の3つ教育の根幹をお伝えします。
① 物事を判断していくのに必要な確かな学力や知識の定着をさせること
② 他者とのつながりを大切にできる人を育てること
③ 労を惜しまず成すべき務めを成し遂げる人を育てること
これらをしっかりと身につけることで、
社会を支える人材へと成長させていきます。
浅野Q & A
説明会予約時に親御様から寄せられた
質問にそれぞれの先生方が回答。
その中からいくつかのQ&Aを紹介します。
成績不振の生徒にどのように対応するか
担任代表:沼澤 康夫先生
<担任として>
成績不振は勉強に向き合わないことが原因だと考えます。
そこで勉強に向き合わせる工夫をしています。
例えば、テスト前は提出物の状況を確認したり、
学習計画の管理を行いどの教科においても担任としてアドバイスを行います。
<教科担当として>
「なぜできないのか」を責めるのではなく、
今の結果を踏まえてどうするのかを追求しています。
また、補修や追試も積極的に行います。
部活と学業の両立について
部活動顧問代表:近藤 祐介先生
部活と学業の両立は十分可能です。
中学生は90%以上、高校生は80%以上が部活に加入していて両立させています。
4月~9月は18時、10月~3月は17:30に完全下校。
また考査1週間前、考査中は部活動はなく、授業が終われば完全下校。
長期休暇期間中も学業優先期間を設けているので、
メリハリをもって部活・学業を行うことができる環境です。
入試問題についてどのような生徒を求めて作問しているのか
大前提として合否に関しては完全に入試の全教科合計点数のみで決定。
教科によってウェイトが異なるということはありません。
変わらない部分と変わった部分にわけてお話しします。
<変わらない部分>
各教科の出題
国語 ①小説文 ②評論文 ③漢字
算数 ①計算力 ②一行問題 ③大問
社会 ①歴史 ②地理 ③公民 ④論述
理科 ①物理 ②生物 ③化学 ④地学
このように各科目すべての分野をまんべんなく出題しています。
努力家が点数を取れるようなテストを作成しています。
逆に言うとヤマが当たらない、まぐれでは受からない入試を作成しています。
<変わった部分>
社会ではグラフや資料を読み解く問題、算数では鉛筆を動かさないと解けない問題
を出題しています。発想力や問題解決力を求める問題を作成しています。
部活動はいつから始まりますか?
1学期中間後からスタートします。まずは学校生活になれることを優先させます。
その後部活見学、体験入部、仮入部を経て本入部へ。
携帯電話の校内持ち込みについて
原則学内持ち込み禁止。
現状は許可制を取っていて、申請を行って家庭内で使用についてルールが定まれば、
どの生徒でも許可が下りるようになっています。
もちろん学内での使用は禁止。
また、携帯電話やSNS等でのトラブルも増えているため、
使い方に関しても指導を行っています。
学校紹介ビデオ
浅野中学校の学校紹介ビデオ。
① 入学式、校外学習、打越祭、修学旅行、卒業式 などの
ダイジェスト映像が流れました。
② グローバル教育での取り組み
英語の授業、プレゼン大会などの浅野で取り組まれている英語の授業が
紹介されていました。ネイティブの先生による授業や留学プログラムでより
本場の英語に触れる機会を設けていました。
また、読む・書くだけでなく、授業では話す・聞く機会を大切にしているそうです。
③ 浅野100連発
生徒・先生が「授業」「部活」「保護者への感謝」など100人分の一言メッセージ
が流れます。
映像で見ることによって、お話を聞くだけではわからなかった、
楽しそうな学校生活が伝わってきました。
学校施設案内会
校舎の見学を行いました。
組別に1人の先生に担当していただき、ご案内いただきました。
図書館「清話書林」
2014年に新しく開館。建物は2階建てで蔵書数は
約80,000冊。
新設されて間もないということもあり、広くて
きれいな図書館でした。
1階は授業でも使えるスペースになっていて、
2階には自習スペースが設けられていました。
教室
高校棟の教室にお邪魔しました。
中学棟も造りは同じだそうで、
きれいに整理されていて清潔感のある教室でした。
各教室に一つずつプロジェクターが設置されていて、授業などでも使用します。
打越アリーナ
2014年に新しくつくられた体育館で、メインアリーナはバレーボール4面取れるほどの広さで、県内でも有数の広さを誇ります。
他にもボクシング場、柔道場、剣道場、温水プールが併設されています。
入試広報部長に突撃インタビュー
説明会終了後に入試広報部部長の森 智史先生にお話を伺いました。
入試問題的に求める人材として努力家でかつ問題解決力のあるお子さまとのことでしたが、それ以外にこんなお子さまに来てもらいたいなどはございますか?
当校は幅広い学力の生徒が集まって来ます。
だからどんなお子様でもぜひ来てもらいたいです。
入学して学校を好きになってもらいたいし、信頼してもらいたいです。
今までの先輩のそのように自分を高めていったし、それが本校の強みでもあります。どんなお子さまにもぜひ挑戦していただきたいです。
浅野ならではの自慢や魅力を教えてください。
まず部活に関しては自由度が高く活動が盛んです。
転部や兼部も本人と話し合いをしたうえで基本的には本人の意志を尊重します。
勉強面では進学校でありながら成績不振者に対して手厚くサポートを行っています。成績不振者に対しては勉強の方法、計画の立て方までサポートします。
追試もよく行われてます。
追試と聞くと進級できるかが決まる恐怖の試験というイメージ
があるのですが貴校ではそうではないのでしょうか。
進級のための追試は高校では制度としてあります。それとは別に学力へのフォローとしての追試があります。英語・数学を中心にフォローの意味での追試は結構行われています。教科によっては40名程度が追試を受けることもあり、単に欠点を取ったから追試を行うというわけではありません。
2020年の大学入試改革とかに向けて取り組まれていることなどございますか。
やるべきことをやるという姿勢に変化はありません。社会の変化に合わせて進化していくことはあります。例えばグローバル化が進んでいく中で英語教育のなかでも「聞く」「話す」力の養成に注力しています。
いつの時代でも社会で活躍できる人材育成をしていきたいと考えています。
今年の入試問題について教えてください。
Q&Aの入試作成意図でもお伝えしたように、努力が報われるテストを作成してきました。それが今年になって大きく変わるということはないと思います。
詳しくは10月以降に開催される入試説明会にぜひご参加ください。
学校訪問を終えて
2020年には100周年を迎える伝統校の浅野中学。
初代校長先生が大切にされていた「全人教育」は現在もなお受け継がれる一方で、時代とともにグローバル教育の推進、ICT設備の導入など新しい風も取り入れていらっしゃいます。2014年には図書館や打越アリーナ(体育館)がリニューアルされて、2016年度の秋には運動場が全面芝生に変わるなどいままで以上に文武両道教育に力を注いでいます。
入試広報部部長の森先生から成績不振の生徒に対して手厚いというお話がございましたが、全生徒に対してサポートが手厚いというのが随所に感じました。
各教室フロアの中央には教員控室があることこそがまさにその象徴です。
先生方はいつでも生徒たちの様子を見ることができ、反対に生徒たちはいつでも先生たちに質問することができる環境が整っています。
また、担任・教科担当・部活顧問が連携し合うことにより、
授業以外の生徒の様子を把握することが可能とのことでした。