2016 栄光学園③|学校説明会レポート



栄光学園中学校説明会レポート(2016年9月26日)


本日は栄光学園中学校へ、受験ドクター A.K講師が行ってきました。
1947年に開校だったので、来年に創立70周年を迎える栄光学園。
新校舎を建設中であり、安全性の高い低層の校舎づくり、大規模木造建築の実現等が可能になったそうです。
数学甲子園で高校の部が全国2位に輝いた実績もある様です。

JR大船駅下車 南改札西口(大船観音側)から徒歩15分
バス大船駅西口バス乗り場(大船観音前)3番から「清泉女学院」行きで約2分「栄光学園前」下車

平成28年9月26日に行われた栄光学園中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は栄光学園中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©栄光学園

プログラム

校長ご挨拶

栄光学園中学校 望月伸一郎 校長より、栄光学園の歴史や理念に関するお話ありました。
その中から一部を紹介いたします。

教育理念・教育内容

グローバル化が進んでいく今の時代に必要な教育とは、コンピュータが出来ない・苦手とすることを身につけ、自分と異なる価値観を持っている人と価値観の共有をしたり、心の底から結びつきをすることが出来る人間、また新しい状況が生まれたときにとっさに判断したり、新しいことを考えて発信できる人間を育てていくことであり、それが当校で行われている。
また、学校側が中高のうちに生徒に身につけさせたい力として、共感力・発想力・発信力の3つがある。
「Men for others , with others(他者のために、他者と共に。).」の精神を取り入れており、イエズス会教育の根本である。
一方的に考え方を講師が伝える授業ではなく、双方向型のインタラクティブな授業が行われており、生徒同士で相談・発表をしあう形式を取り入れている。
さらに、自分の身体や五感を使って体験し、試行錯誤して迷いながら考えていく姿勢を身につけさせることが大事であると考えている。

教科指導と人間教育

数学教員の枝村組子 先生より栄光学園の教科指導と人間教育についてお話しがありました。
その中からいくつかを紹介します。

教科指導について

1.全員の生徒に対して行っていること

・自宅での学習方法⇒授業中に指導をする
・頻繁に小テストをする⇒生徒にテストを返却した後、各々がミスをしたところを直して再提出させる

2.数学が苦手な生徒に対して

・朝、昼、放課後に補修を行う
・夏休みに補習期間を5日間もうける

3.数学が得意な生徒に対して

・自由レポートを提示して、提出させることで、生徒の知的好奇心を刺激させる
・数学本の読書やプログラミング実践を夏の課題にする
・希望者は数学オリンピックに挑戦させる

人間教育について

1.かけがえのない自分の人生を大切に生きること 
⇒ 健康への配慮・自分の感情を大切にすること
2.周囲の人や、周囲との関係を大切に 
⇒ 周りへのあいさつ、聞き方、話し方
3.学習内容をきちんと身につけること 
⇒ 点数が大事なのではない
4.自然の中で自然とともに 
⇒ すべては自然の中にある

入試要項

教務課長の田村篤史 先生より2016年度の入試要項についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

募集要項について

出願資格の項目の中に、「自宅から90分以内で通学できる区域」とあるが、大船駅から当校までは徒歩で15分であるので、生徒の自宅から大船駅までの通学時間は75分以内となる。
出願手続において、入学志願票の中に緊急連絡先とあるが、これは家族の勤め先等を記録しておくものになる。使用が想定される場面としては、①試験当日②合格発表日③繰上合格時が挙げられる。
備考欄については、現在の住居が通学区域外で、入学時に区域内に引っ越しをする場合等に記入が必要となる。
学科試験については、小学校の学習指導要領を超越しないものが選考の内容となる。

栄光学園の生活

社会科教員の伊藤直樹 先生より栄光学園の生活についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

アクティブラーニングについて

駅から学校までにある栄光坂は、高低差が40mほどある。
すべての生徒が、この坂を登下校時に上り下りすることになるが、6年間で合計するとエベレストに6回登頂したことになる。この上り下りを継続することで、たくましい精神力を備えさせることが可能になる。
物事を考えるときには、「これは既に知識としてもっているから大丈夫」という姿勢では考えるのを妨げることになり、考える力が育たない。そうではなく、事象の原因や理由を生徒自身に探らせ、解明させることで考える力を育てていくのが当校のアクティブラーニングであり、開校当初から行っていることである。

栄光学園の学び

数学科教員の古賀 慎二 先生より栄光学園の生活についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

アクティブラーニングについて

中学のうちに自分達で学ぶことが出来る土台作りをしておくことで、高校では自分の頭で難しい問題も考えることが出来るようになる。
当校のアクティブラーニングとは、中学校3年生~高校1年生の間に、主体的に学べる力を育てていくことである。アクティブラーニングを機能させているものとして、人・環境の2つである。
生徒一人一人の個性を尊重し、好奇心を育てるようにしている。
教員が学年全体をしっかりと把握することが出来るように、1学年には4つのクラスが用意されている。
講師が、生徒を直接指導したり、指導するためにグループ決めをすることはない。学習をするために場所を提供するのが講師の役目である。
そして、生徒は与えられた教室でほかの生徒と討論を交わしながら、学習を進めていく。
自分達で「何を」「誰と」学習するのかを選んでいくのが、当校のアクティブラーニングである。

学校訪問を終えて

イエズス会教育の考え方の一つとして、学校側が掲げている「Men for others , with others(他者のために、他者と共に).」という精神に感銘を受けた。
また、リーダーというのは人の上に立って目下の者に指示をする存在である、と私は考えていたが、イエズス会教育の考えに則って、同校が人々を従わせるリーダーではなく、人々に使える(奉仕する)リーダーを育成することを目標としていることにも関心を持った。宗教は人生にとって大切なものであり、さらに一人一人の生徒を大切にしていくことが宗教性である、という事実にも改めて気づかされた。
当校の卒業生であり、建築の仕事に携わっている隈研吾さんがおっしゃった内容に「私は生の人間を学習したい。図面とにらめっこするだけでは何も生まれない。」とあるが、まさにそれは望月学校長が講演された(後述の講演①参照)自分とは異なる価値観を持っている人と触れ合って、価値観の共有を図っていくことによってお互いを高め合っていくのが大事である、という話と重なっているように感じた。