フェリス女学院説明会レポート(2021年11月16日)
本日はフェリス女学院へ、受験ドクターの算数・理科講師の勝山 利信がご紹介いたします。
フェリス女学院は、1870年にアメリカから来日したキリスト教女性宣教師が立て、今年で創立151年を迎えました。学校では「For Others」の精神のもと、他者のために自身の力を生かすことを理念にしています。関東大震災の際、3代目の校長先生が掲げていた考え方がやがて、自然と学校のモットーになっていきました。6年間の学校活動を通して他者のために、そして何事にも囚われず自由に、そのような生き方ができるように成長してくれることを願っています。教育の柱としては、「キリスト教教育」が基本となり、礼拝と聖書の授業、関連行事を行います。教員たちも生徒ひとりひとりが神様から祝福して生を受けたと考え、神様の愛のうちに生を受けたかけがえのない存在として生徒に接します。また、「学問の尊重」として、学問という奥深い世界を体験して欲しいと思っています。学ぶということは、井戸を掘ることに似ています。井戸は掘ってすぐ水が出るわけではなく、掘り進めることで水脈にぶつかると始めて水が湧き出し、その後は水があふれんばかりに次々と湧き出します。自身の興味関心があることを中心に、学ぶことの大変さや楽しさ、豊かさなど醍醐味を体験して欲しいと願っています。そして「誠の自由の尊重」をテーマに、私たちを縛っている様々力からの自由を目指します。校風が自由とよく言われますが、本当の自由を手に入れるためには、自主性と個性を持ち自立することが必要です。ブレない軸をしっかりと持ち、外的な要因(偏見や常識)だけでなく、内面的な要因(自分勝手な自分、自己中心的な自分)からも自由になり、いろいろな力からしばられなくなったとき「For Others」への道が開かれると考えています。
■根岸線 ・京浜東北線 ……………… 石川町駅 元町口 徒歩約7分 (横浜→石川町 約7分/大船→石川町 約24分)
■みなとみらい線 …………………… 元町・中華街駅 5出口(元町口) 徒歩約10分 (横浜→元町・中華街 約8分)
■神奈川中央交通バス(11系統) … 山手町バス停 徒歩約1分 桜木町駅前発(保土ヶ谷駅東口行、蒔田駅前・中村橋経由)(桜木町駅前から山手町まで約20分)
2021年11月16日に行われたフェリス女学院の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問はフェリス女学院ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©フェリス女学院
キリスト教教育について
宗教部長の小野田先生よりキリスト教教育の特徴についてお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。
For Others
フェリス女学院では「For Others」という精神が、学校の歴史が培われる中で自然とモットーとなっていきました。入学前はキリスト教に触れたことがない生徒がほとんどですが、キリスト教教育を行うことに、フェリスらしさよく現れています。何も知らないことから学ぶこととなりますが、日々の取り組みである毎日の礼拝や聖書の授業などの経験を積むことで、この精神への理解が深まります。
聖書の授業では、自分なりに何か感銘を受け取ることがあり、覚えることが目的ではなく聖書を自ら読むための土台を育みます。上級生は聖書の内容に基づいたテーマ研究を行い発表することもあり、語ることと聞くことは、よい経験になっています。 自分の経験について、良い面だけでなく悩みや失敗も発表し、お互いの意見交換をすることでも、考えを深めることができます。また、その活動を通して、仲間たちとの信頼関係も深まる大切で豊かな時間で、友人からのコメントシートは一生の宝物になるでしょう。修養会を通した、キリスト教に基づいた生活の経験は、自分たちの意見をぶつけることでより考え方が成熟していく良い機会となり、話し合いをする機会が自然に生まれることも貴重な時間です。そして、祈りの経験を重ねることで、考え方が周囲に向くようになり、これが、「For Others」の精神の土台になります。自分自身や他者がかけがえない存在であることを、自覚し認め、悩むことや挫折も含めて経験し、何ものにもとらわれない、まことの自由の追求することができます。自分の力を生かすことは、他者のためであるという精神はより豊かな生き方につながり、学校としてもそれを見出すための働きかけや、空気づくりを行うように心がけています。
学びについて
教務部長の蕪木先生より学びについてお話しがありました。
その中からいくつかを紹介します。
学びについて
学校生活について
先生方による会談形式で学校生活についてお話しがありました。
その中からいくつかを紹介します。
生徒会活動
クラブ活動
クラブ活動では、中学生と高校生が一緒に活動します。中学1年生から高校2年生まで幅広い学年の生徒たちが一緒に活動することは、後輩は先輩の姿勢から学び、先輩はこれまで培った「For Others」の精神に基づいて後輩と接することでお互いのメリットになっています。また、困難を乗り越える姿勢を先輩から学ぶ、後輩の抱える問題を一緒に真剣に考えることで、深い信頼関係を生み出します。
有志活動、同好会、研究会
部活動にはない活動について、自分の興味に従い様々な活動をすることもできます。これまでの活動で特徴的だったのは、キノコの研究、古代文明の研究などをしていた生徒が、実際に研究者になったり博物館の学芸員になったりしたこともあったことです。運動部にはない種類の運動(剣道、サッカー、陸上競技など)を先生を巻き込んで実施したこともあり、フェリス生のパワフルな一面も見えます。
生徒と教員のつながり
教員室に生徒が先生を訪ねてくることが日常的です。担任と副担任の数名の教員チームで生徒を担当し、相談しやすい環境が整えられ通り、教員もみんなで見守るという姿勢を取っています。生徒が先生の指示を待つことなく、むしろ教員が生徒に巻き込まれるような良い関係を気付いています。生徒はかけがえのない存在として、一人一人を大切にして接していくことが、教員に共通した根底の考え方になっています。
進路指導について
進路指導部長の水谷先生より進路指導についてお話しがありました。
その中からいくつかを紹介します。
進路指導について
主体的に生徒自身が6年間を通して学んだことから、将来についての道筋を見出し、先生はそれを支えるという姿勢が土台になっています。きっかけとなるように、学校からは生徒たちに指針を示しています。 ①自分を知ること、②世界を知ること、③志を持つこと、の3つです。まずは自分の興味関心や得意なこと、苦手なことをしり、自分自身が生きる社会・環境・時代にどのような問題課題があるのか学び、大切な動機付けを行います。そのうえで人生をかけて考えるテーマである志を抱いていきます。教科外の授業や学習もそのために重要なことで、自分で考え、ときには仲間と作り上げる様々な経験が自身の成長につながります。「将来のステップ」というファイルに、卒業までの活動について掘り下げて考えたことをして蓄積し、それを振り返ることで進路を考える手掛かりとしています。また、具体的な活動として、大学教授による模擬講義を体験したり、医師や薬剤師、公務員、公認会計士など様々な分野で活躍している卒業生の話を聞く機会を設けたりもしています。今年度は大学生から話を聞く機会も設け、より近い将来の自分をイメージすることに役立てています。