広尾学園中学校説明会レポート(2021年9月13日)
本日はオンラインで行われた広尾学園中学校の学校説明会を、受験ドクター算数・国語・理科講師の高田 いさむがご紹介いたします。
各国の大使館が多く存在する国際的な雰囲気の広尾に、9階建ての近代的な校舎を有しています。
大きく広い窓を多用し、外からの自然光が取り入れられるようにデザインされた開放的な雰囲気の校舎です。
教室は24時間空調管理され、プロジェクターも完備しています。
さまざまな映像を使った授業を受けることができます。
校舎6階に、化学・生物・物理の3つのサイエンスラボが並びます。
大学の研究室レベルの最新設備を備えた環境で、中学・高校の枠にとらわれない実験を体験できます。
図書館は蔵書数約3万冊で、早朝7:30から開館。
カウンセリングルームは毎日カウンセラーの先生が常駐しており、いつでも相談が可能です。
保護者の相談にも対応してくれます。
太陽光発電システムを設置しており、校舎屋上にソーラーパネルがあります。
1階エントランスでは、発電状況を確認できるモニターも設置してあります。
学校全体で環境に配慮する取り組みをしています。
エントランスの右手にはカフェレストランがあり、全学年の生徒が利用できます。
晴れた日は、けやきの木の下でオープンカフェも楽しめます。
八ヶ岳の高原に富士見スコレーという宿泊研修施設を有しています。
主に学習合宿や部活動の合宿に使用します。
創立者には、板垣退助など当時の日本の指導者的な立場にあった人物が名を連ねています。
自律・共生を教育理念に、自ら考え行動し切磋琢磨しながら共に成長していくことを目標にしています。
1973年には、文部省の海外帰国子女教育研究指定校に認定されました。
帰国子女の受け入れ先として、長く活躍をしてきました。
2007年に広尾学園に改称し、あわせてインターナショナルコースを設置しました。
当時より質の高い外国人教員をそろえ、現在も25名の外国人教員が在籍しています。
日本でも数少ない、アメリカの全国共通テストであるSATの試験会場にもなっています。
試験日には、日本だけでなく中学や韓国など近隣諸国から受験生が集まります。
国内の難関大学だけではなく、海外大学への進学も積極的に行っています。
カリフォルニアやボストンの大学への、海外大学ツアーを2015年度から2018年度に行いました。
また、年1回海外大学フェアを開催しており、海外の175の大学が広尾学園に集まります。
広尾学園の生徒と、国内のインターナショナルスクールの生徒約1,900名が参加します。
理系教育にも力を入れており、医進・サイエンスコースは、大学のゼミ並みの研究活動を行っています。
大学の研究室訪問はもちろんのこと、病院の術前カンファレンスへの参加や手術の見学などを行っています。
東京メトロ日比谷線 広尾駅下車 4番出口すぐ
都営バス 【品97】 品川駅前-新宿駅西口
【黒77】 目黒駅前-千駄ヶ谷駅前
日赤医療センター下・広尾学園前下車すぐ
2021年9月13日に行われた広尾学園中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は広尾学園中学校ではなく、受験ドクターまでお願い致します。
©広尾学園中学校
校長ご挨拶
学園の特徴
広尾学園の特徴は、インターナショナル、医進・サイエンス、本科の3つのコースを持っていることです。
特にインターナショナルは、広尾学園が2007年に共学化したときから、注目を集めているコースです。
外国人の教員が25名もいて、日頃から多様な文化に接することができる環境というのは大変に貴重です。
高大接続という観点からは、AP(アドバンスドプレイスメント)という制度を導入しています。
アメリカの大学の教養課程レベルの授業を高2・3で実施し、そのまま進学先で単位認定される制度です。
そのためには、大学の授業を行える資格を持った教員が必要ですが、それができる教員がそろっています。
医進・サイエンスは、将来医学やその他のサイエンスに進みたいお子さんがそろったコースです。
実際に医療現場を体験したりすることを通して、自分の本当に進みたい道を考えてもらうことができます。
本科コースは、特徴がないと思われるかもしれませんが、文系・理系に偏らず幅広く学ぶのは本来の姿です。
東京大学では、遅い専門分化と呼び、幅広い学びを推奨していますが、それともつながる考え方です。
これら3つのコースが、コースを超えて学びあう、というのが広尾学園です。
学校の教育目標である自律・共生とあわせて、知性と品格を追求する学校であって欲しいと願っています。
知性的に行動しているか、品格を保てているか、ということを生徒にも日々考えていって欲しいです。
広尾学園の紹介
池田理事長から学園の紹介がありました。
沿革
男女比は、男子41%、女子59%で、この学年はやや女子が多い構成となっています。
どのコースでも、問題解決能力とコミュニケーション能力、高度な英語力の養成を行います。
本科と医進・サイエンスの2コースは、中学2年までに中学課程をすべて終了する先取り型学習です。
生徒は何かしらのICT機器を全員所持しており、新年度は全員Chromebookを持っています。
インターナショナルコースは、さらにアドバンストグループとスタンダードグループに分かれています。
朝のホームルームは両コースあわせ、日本人教員と外国人教員が英語で行います。
アドバンストグループは、入学時点で英検1級~2級の取得をしている方が対象です。
スタンダードグループも、中3終了時に全員が英検2級以上を取得することを目標にしています。
現在は、外国人教員による週3回の授業を、本科、医進・サイエンスを含む全コースで実施しています。
本科と医進・サイエンスの間と、インターナショナルのアドバンストとスタンダードの間はコース変更が可能です。
広尾学園では、生徒たちに新しい時代に活躍できる人になってもらうように指導をしていきます。
6年間を通して、自分が将来なにを学び、どのように活躍していくのか、それを真剣に考えてもらいます。
広尾学園の学園生活
金子副校長より、広尾学園の学園生活お話がありました。
学園生活について
難関大学の入試問題を実際に解く入試研修、模擬授業を行う授業研修、コース会議などを行っています。
まずは基礎力の定着を目標に授業を行いますが、補習・講習として、朝の学習という時間を設けています。
PLTという個別学習対応もその一環で、苦手克服のプログラムや英語のリスニング力の強化を行っています。
夏期中には、高3生を対象とした受験対策を中心とした講座があり、また、英検対策の講座も充実しています。
校舎内はどこからでもインターネットに接続できるようになっており、様々な情報にアクセスできます。
こういった環境を利用して、生徒たちが海外大学の講義を翻訳する活動を行い、高い評価を得ています。
医進・サイエンスでは、優れた病理診断を行ったグループが、実際に順天堂大学の手術に立ち会っています。
グーグルのシュミット会長など、様々な方を講演者として招き、年間を通じてキャリア教育を行っています。
林間学校や文化祭、スポーツフェスティバルなどの行事や部活動、海外への短期留学なども充実しています。
入試の出願については、インターネットによる出願のみとなっています。
入試日程についての変更点は、2/1の午後受験については、例年より30分繰り下げています。
試験内容は、本科、医進・サイエンスは4科目で、インターナショナルについては国・算・面接です。
医進・サイエンスコースの補足説明
医進・サイエンス統括長の木村先生より、医進・サイエンスコースの補足説明のお話がありました。
医進・サイエンスコースの補足説明
医進・サイエンスコースで大切にしているのは、何よりも生徒たちが楽しい、ということです。
ひとり一台PCを持ち、様々な人つながり、知識や技術や思いを共有していくということを大切にしています。
授業・研究活動・中高大産学連携の3つの柱を持ち、「本物に触れる」ことをテーマに取り組んでいます。
トータルで30名の教員が1クラスをサポートする充実した環境です。
生徒たちは様々な研究テーマに取り組んでおり、世界のまだだれも知らない問題にアプローチしています。
その中で、先行研究を学ぶ必要性を感じると「論文を読みたい!」となります。
論文は英語で書かれているので、そうなると英語をもっと学びたいという意識になってきます。
自分のやりたいことを突き詰めていくと、他の様々な分野についても学ぶことが必要になってきます。
そうやって自分の興味を深堀しながら、それをさらに横に広げていく。
内発的な動機を軸に学問の本質を学ぶ、学び方を学ぶ、そういったことを大切にしています。
また、普段から中高生が混ざって活動をしているので、学年を超えてお互いに刺激し合っています。
世界の未来をつくるのはあなたたちです!
どうか深く考えてください、多くを学んでください。
よくある質問と回答
各コース担当者の先生より、よくある質問と回答についてお話がありました。
本科コース
複数回受験のメリットは特になく、補欠合格も出していませんが、繰上げ合格はあります。
足切り点は設定していません。
午後受験の遅刻者については、30分の遅刻までは受験して頂くことができます。
入学後の通塾については、高校生での単科での通塾が見られる程度です。
学校での補習・講習が充実しているので、苦手科目についてはそちらで対応しています。
海外赴任については、再入学試験を受けることができ、ほぼすべての生徒が再入学しています。
部活動の加入率は約8割、活動は基本的に週3日以内、5:30には完全下校となっています。
医進・サイエンスコース
医学部志望でなくても問題なく、実際に医学部を志望している生徒は全体の3割くらいです。
研究活動と学習の両立を心配されることがありますが、日々の学習として同じレベルで両立可能です。
インターナショナルコース
海外大学受験指導について、必要な指導・準備はすべて本校の40名の教員で行っています。
学校訪問を終えて
毎年、都内トップクラスの受験者を集める広尾学園ですが、それも頷ける学校説明会でした。
非常に近代的・先進的、また国際的な印象を強く受け、他の伝統校・難関校とは一線を画す学校だと感じました。
海外の学校の話を聞いているような趣があり、ここで過ごす6年間は、他ではなかなか味わえないものになるでしょう。
授業や生徒の様子も英語が飛び交うシーンが多く、日々の生活の中で英語を多用していることがうかがわれます。
動画や写真が多用され、視覚的にも飽きない工夫が行き届き、2時間の説明会がまったく長く感じませんでした。
むしろ、もっともっと見ていたい気持ちになり、興味がさらに膨らむ見事な学校説明会でした。
強く印象に残ったのは、教員研修についての説明があったことです。
教育の質を高めるために、日々先生たちがどんな努力をしているかが紹介されましたが、これは好印象でした。
難関大学の入試問題をみんなで解いている姿や、授業について討論している姿は、あまり見られるものではありません。
しかも、「広尾学園の学園生活」という内容の冒頭が、この教員研修についての話なのです。
こういった辺りに、広尾学園の学校運営・教育に対する独特のこだわりを感じました。
今回はコロナ禍と言うこともありオンラインでの説明会でしたが、ぜひ校舎を実際に訪れてみたいと思いました。
最新の学習環境で6年間を過ごしたい、将来は海外の大学への進学を考えたい。
そんなご家庭には、間違いなく進学先の第一候補になる学校だと思います。