法政大学第二中学校説明会レポート(2021年9月18日)
本日はオンラインで行われた法政大学第二中学の学校説明会を、受験ドクター成城学園校校長の桑田 陽一がご紹介いたします。
探究型学習を支えるハードとして、65000冊の蔵書を誇る図書館を強調されていた。
MARCHの一角をなす総合大学の附属校であるメリットを活かし、法政大学を含めた10年間一貫教育、大学入試にとらわれない探究型の学習を深化させることのできる環境を全面に押し出されていました。
・JR南武線
「武蔵小杉駅 西口」下車 徒歩12分
・JR横須賀線(総武快速線・湘南新宿ライン直通)
「武蔵小杉駅 横須賀線口」下車 徒歩15分
・東急東横線(みなとみらい線直通)
・東急東横線と東京メトロ副都心線(東武東上線・西武池袋線直通)
・東急目黒線(東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道および都営三田線直通)
「武蔵小杉駅 南口」下車 徒歩10分
2021年9月18日に行われた法政大学第二中学の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は法政大学第二中学ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©法政大学第二中学
教育内容について
入試広報主任の望月 先生より、教育内容についてお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。
教育方針
敢えて言うならば、私たちは大学受験勉強を否定する立場にある。正解のあるものに速く正確に答えるのは、社会に出て役に立つ力ではない。
法政大学は「自由を生き抜く実践知」を校是に15学部38学科を擁する総合大学。医学・薬学以外の学びをかなえることが出来る、安心していただける環境である。
教科教育の特徴
「ともに学びあう」こと、「主体性・共同性・総合性」を重視し、実践知・実行力を身に付けさせる
高い学力の獲得に向けて
少人数学級…1・2年では29名以下
英数では、分割授業や定着試験を実施。10年間の土台となる確かな学力を積み上げる。
説明会でよく質問をいただくが、塾に行く必要は全くない。
体験重視の多彩なプログラム
- 毎週実施の理科実験
3年間で70回。知識の詰め込みでなく、多くの体験・実習を重視している。
結果として、法政第二高では中学からの内部進学者に理系選択者が多い。 - 探究型学習を支えるハード面
マルチメディア情報センター(図書館)…蔵書65000冊
ほか、HR教室・理科実験室・グラウンド・学習ラウンジ・講堂(木月ホール)など、多彩な施設を紹介。 - レポート作成
本年度より総合学習のカリキュラム編成を変更。
中1で探究学習の基礎を学び、中3では中学3カ年の集大成として調査・探求・プレゼンを実践。
全教科で中1からレポート作成を課している。小学校時点で書くのが苦手であることは心配ない。
本稿での学びを通じて、高2では取材のアポ取りから自分たちで行うようになる。
高3の3学期は、高大連携として、進学する学部学科別にクラス編成し、専門的な学びを実践。
大学の先生からは内部生が大学で伸びやすいとの話をいただいている。
実践例として
中1国語 「方言調べ」の学習
中学音楽 楽器の創作・譜面の創作
中1美術 屏風の制作
中3美術 空間・建築デザイン
附属校の環境を活かし、実技教科も本気で取り組む。
受験に必要な教科だけを学ぶ発想から開放され、中高の多感な時期にすべての科目に本気で触れられる。
学校生活について
引き続き望月先生より学校生活についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。
授業
- 中1・2時の8クラスを中3では6クラス(各40名程度)に再編成。
高校では外部生含め14~15クラスに。全て混合クラス。 - 話し合いを重視した組織作り
生徒が主役の学校であり、生徒が創る学校である。
生徒会活動・行事など、すべて生徒主体での実践。
国際交流
中学では3週間の語学研修、高校では長期・短期の留学が可能。
留年をせずに留学できるのが附属校の利点となっている。
部活動
進路について
引き続き望月先生より進路についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。
法政二高で核となる存在へ
高校ではあえて外部生と混合クラス。二中生は各クラスでのリーダーとして活躍している。 有資格者全入制度 引き続き望月先生より中学入試についてお話がありました。 学校の立場からすると、「倍率」や「志願者数」は状況によって大きく変わり、あまりあてにならない。 入試要項は例年通り。 理社の配点を50点でなく、75点としているのは本校からのメッセージ。 合否判定は合計点のみで判断。教科ごとの基準点は設けていない。 追加合格は、1・2回を両方受験している受験生で合計点の高い受験生から直接電話する。 出題傾向を大きく変更する予定はないが、問い方・答え方で思考力が必要な問を増やす方向。 ・3題構成は変わらない。
制度上、高校進学時に国公立のみ外部受験可能となっているが、
利用者は主に経済的理由によるもので、あまりいない。
大学進学について
推薦人数の枠はない。条件を満たせば全員が法政大学に進学可能。
推薦権を持ったまま他大学の受験が可能だが、学部学科については専願生徒が優先される。
他大学受験のための講座は一切設定していないので、対策には塾が必要と考えてほしい。
法大進学の有資格者98%、うち92%が法大進学。
他大受験者は、本稿での学びを活かして筆記よりも自己推薦が多い印象。
中学入試について
そのなかから一部を抜粋して紹介します。
帰国生入試
面接を含めた総合判断のため、最低点は非公表としている。
面接はコミュニケーションが取れれば問題なく、あまり差がつかない。
2教科の得点が大切。
過去問は非公表。一般受験に準ずる傾向だが、基本問題レベルを多く出題している。
65〜70%が合格の目安。
一般入試
その分、合格最低点はここ数年75%前後になることが多くなった
算国に偏ることなく、学ぶべきことをすべて学んできた生徒に入学してほしい。
しかし、どの教科もまんべんなく75%取れるような子が合格していて、教科間で差があるような子は少ない。
苦手をなくすことが本校合格への最大のポイント。
男女別に判定しているため、性別で最低点が異なるが、やむを得ないと考えている。
難易度の変更はない。いずれにせよ、過去問をしっかり解くことが重要。
科目別昨年度分析【国語】
・まとまった文章量。
・語彙力に加え、長い本文の要旨を的確に把握・まとめる力が重要。科目別昨年度分析【算数】
・大問6題の構成は伝統的に変わらない。
・大問1〜2では絶対にミスをしない。
・大問3〜6の(1)は確実に正解する。
科目別昨年度分析【理科】
・苦手な分野を無くすことが大切
・図や文章から読み取る、読み解く力
・時事問題も出題する
・知識を覚えるだけでなくどう活かすかを重視
科目別昨年度分析【社会】
・3分野を横断的に理解することが大切
・知識があることは大前提。出来事の因果関係や社会問題と知識との繋がりを問う。
・説明・記述問題もあり
学校訪問を終えて
学校説明会としてはやや短めの時間設定でしたが、施設や生徒活動の詳細については公式YouTubeチャンネルやホームページを紹介するなどして、必要な情報をコンパクトに盛り込んだ会でした。
法政大学附属校として大学受験にとらわれないことのメリットを繰り返し強調されていたこと、必要なことをまんべんなく学び、苦手のない生徒を望んでいることが印象的でした。