2019 市川中学| 学校説明会レポート



市川中学校説明会レポート③(2019年10月26日)


本日は市川中学校へ、受験ドクター講師の市村 史帆先生が行ってきました。
校舎に隣接した総合グラウンドのほかに、近隣に第1グラウンド、第2グラウンドと、野球場である市川学園大野グラウンドがあります。これらのグランドで、軟式野球、ラグビー、高校硬式テニス、ハンドボール、バレーボール、卓球、体操など種々のスポーツ活動に取り組んでいます。そのほか第一グラウンドにある50周年記念館には、軽音楽研修室写真暗室、工芸室、小ホールがあります。 

2200席収容の古賀記念アリーナ、100人編成のオーケストラ演奏が可能な國枝記念ホールなど、芸術活動も可能なホールも用意されています。
説明会当日には、國枝記念ホールでオーケストラ部の練習が行われていました。
ICT化など、環境の整った学校です。

徒歩
京成鬼越駅から20分

バス
JR本八幡駅から11分
※北口2番乗り場発のバスは、全て「市川学園」バス停にまいります。
(一部の時間帯に「市川学園正門前行」のバスがあります。このバスは、終点「市川学園正門前」で下車して下さい。当校正門前のバスターミナル内で下車となります。)
※医療センター入口行・市川学園行・動植物園行・市川営業所行

JR市川大野駅より11分
※姫宮団地経由本八幡駅行

JR西船橋駅より20分(朝夕のみ)
※市川学園正門前 行

2019年10月26日に行われた市川中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は市川中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©市川中学校

プログラム

校長ご挨拶

市川中学校校長の宮﨑章先生より、市川中学校の教育に関するお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

教育方針

小学4年生、5年生向けの説明会に参加してきました。
市川中学は、個性の尊重と自主自立を教育方針とし、「独自無双の人間観」、「よく見れば精神」、「第三教育」 の三つの柱を立てて指導を行っています。
「独自無双の人間観」とは人間とはかけがえのない個性をもつものだという価値観、「よく見れば精神」とは松尾芭蕉の「よく見れば なづな花咲く 垣根かな」という句からきています。目立たない花にも、よく見れば他の花と比べることができない独自無双の美しさがあります。教師が生徒一人一人をじっくりとよく見ることで、生徒に潜在している個性や魅力を引き出したいと考えています。
第三教育とは、家庭で親から受ける第一教育、学校で教師から学ぶ第二教育に対し、市川中学では自ら意欲的・主体的に学ぶ第三教育こそが生涯続く学びの力と考えています。生徒主体の学校生活を通じて、「自分で自分を教育する」第三教育の力(自学力)を磨いていきます。
クラブ活動や学校行事が、第三教育のための重要な場だと考えています。また国際教育にも力を入れており、品格あるグローバル・リーダーの育成に向け、多様な国際研修と海外派遣プログラムを用意しています。帰国後には、「Ichikawa Academic Day」「口述研究発表会」でのエヴァンジェリスト活動によって全生徒が体験を共有します。
市川中学では、多くの生徒たちが海外研修や国内研修、各種コンテストに参加し、幅広い体験をしています。その発表の機会として、「Ichikawa Academic Day」を開催しています。2018年度の発表例として、「ケニア国際ボランティアを通して」「この目で見たタンザニアの今」「INF条約の破棄と日本の未来」があります。
その他「ALゼミ(アクティブラーニングゼミ)」、「市川アカデメイア」の実施を通して生徒の教育を進めています。
今年度第三期目のSSHに指定され、2009年度からの10年間で得られた成果をもとに、研究活動を深化させさらに多くの取り組みを展開してきます。
今年度より試験会場が幕張メッセ9-10ホールに変更となります。試験時、ラインマーカーは持ち込み可となります。
会場が広いため時計を持ち込むよう指示していますが、置時計は他の生徒が気になってしまうため控え、腕時計の持ち込みをお願いします。例年、試験後全員の退場完了は13:25分くらいです。

入試概要について

各教員の先生より、入試概要についてについてお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

入試について<国語>

第一回入試は説明的文章、物語的文章、漢字問題。総字数約7700字。昨年度は約8700字でした。
第二回入試は説明的文章、物語的文章、漢字問題。総字数は約7500字。昨年度は約7000字でした。
市川の国語では、①論理的なインプット(読解)ができるかどうか、②論理的なアウトプット(解答)ができるかどうか、➂知識(漢字等)を持っているかどうか、④限られた時間を意識できるかどうか を見ます。
記述の設問については、第一回、第二回とも100字以外の記述問題を出題予定です。記述問題の解答においては漢字のトメ・ハネは見ません。誤字・脱字は減点対象になります。対策としては記述の解き方を把握するとよいでしょう。ポイントは①本文中から答えとなる文を発見すること②記述すべき事柄は必ず複数あります の2点です。記述問題は部分点がありますので必ず挑戦してください。
選択肢の設問について、市川中学の国語の特徴として選択肢の問題を多く出題します。また選択肢の字数が多いです。このような問題は勘では解けません。対策として、選択肢問題の解き方を把握しましょう。①本文中から答えとなる文を発見すること②選択肢を分割して考えてみましょうの2点がポイントです。
書き取り問題の注意点は、「美しさ」より「丁寧さ」が大切、ということです。採点は文化庁の指針『常用漢字表の字体・字形に関する指針』に基づき行います。
まとめとして、3つの大切 に気を付けてください。一つ目は、普段から「論理性」を気にかけること。二つ目は、記述、選択肢に対する解法を確立すること。三つ目は、スピードです。時間配分が大切ですので、訓練として過去問を活用しましょう。

入試について<算数>

算数科が大切にしていることの一つ目は、規則性を見つけること、二つ目は数および式の感覚です。三つ目は拡張・一般化をすることで疑問をもち楽しむことです。
今年度の入試については、①解答時間は50分間です。大問で5問程度。自分が解きやすい問題を把握して時間配分を考えましょう。②計算、図形、読解分野など様々な分野から出題します。➂計算力、説明する力、式や図形を見る力をつけておきましょう。④本年度から定規、コンパス持ち込みに変更になりました。

入試について<社会>

今年度より問題構成が変更となります。大問ごとの点数配分として、歴史(原始古代~近現代の歴史総合問題)が計45点、地理(地理総合問題)が35点、公民(公民総合問題)が20点です。歴史は政治史・社会経済史、地理は地図・統計・資料読み取り、公民は政治と経済の仕組みをおもに出題します。
今からできる対策として、漢字の用語は正確に書く練習をしましょう。「漢字で答えなさい」とある問題は漢字で答えないと不正解になります。「永仁の徳政令」「東南アジア諸国連合」のように漢字だけで書けない場合など、漢字指定のないものもありますが、できる限り漢字を使いましょう。
記述問題のポイントとして、①字数制限はありませんが、50~80字目安で書きましょう。②部分点があります。➂設問の要求を正確に読み取りましょう。例として、「岐阜城と松本城がつくられた場所の特徴を比較しながら、そのような変化が起きた理由を説明しなさい。※資料として地図あり」という問題があったとします。問いの中心は「変化の理由」、「城がつくられた場所の特徴を比較」という部分を押さえることがポイントです。普段から考えたことを表現する練習を積んでおきましょう。
学習方法の工夫も大切です。①学んできた知識と初めて見る資料を組みあわせて考える練習をしましょう。②時間内に解けるよう過去問を解く練習をしましょう。40分間の試験時間で、約40問解く必要があります。

入試について<理科>

市川中学の理科の理念として、卒業後、どのような進路をたどるにしても、理科に関してアドバンテージが取れる生徒の育成を目指しています。入学試験では、小学校で身につけるべき正確な知識、実験手技、そこから導き出すことのできる論理的思考と、それを相手に伝える表現力を問います。SSH三期の経験をいかしつつ、今後ますます理科好きな生徒が、理系に進む生徒が増えるよう、教材開発に取り組みます。
中学1年生にどのような入試対策をしたかアンケートを取ったところ、ほとんどが塾の問題集を解いた、という回答でした。それ以外には、小学校教科書を隅から隅まで、発展・応用まで読んだという答えがありました。これは非常に有効だと思います。
過去問の取り組みは9月から始めたという生徒が多数でした。そのほか、時事問題は塾のテキストで過去1年分の理科的ニュースを読み、Youtubeで実験動画を見返したという生徒が多くいました。
出題については、試験時間は40分、100点満点です。大問は化学分野、物理分野、地学分野、生物分野の4つからなります。一つのテーマについてじっくりと問う問題を出題します。小問総数は30題前後です。
問題構成については昨年同様で、用語を問う問題、計算問題、記述問題、論理性を問う問題の4つからなります。
問題レベルは、平均点が60点前後になるように作成しています。時間のかかる問題は存在しますので時間配分に気をつけてください。2020年度入試では、今までに出題例のない問題を考えています。各大問、基本→標準→応用の順に出題します。標準レベルの出来が決め手となります。
理科に限らず、受験のセオリーとして入試の問題をAからDの4段階に分けて考えます。簡単なAとBをスピーディかつ正確に解きます。CとDを見極め、レベルが高いDは時間に余裕があったら手をつけるようにします。Cを半分正解すれば7割の合格ラインに届きます。
理科の対策として、①標準的な問題集で基礎用語+典型的な計算問題をトレーニングします。②数年分の過去問で問題に慣れます。➂記述は、採点者に伝わる正確な語、文章で書きます。部分点はありません。④問題文をよく読みます。⑤解ける問題から解きます。⑥得意分野で稼ぐ作戦もありです。

学校訪問を終えて

約2300名が通う大規模校でありながら、SSH課題研究やALICE(市川学園の創造的教育のためのアクティブラーニング)プロジェクトなど、小さなグループでの学習や議論の場も設けられています。生徒が自主的に活動する場が多く設けられている学校といえます。