女子学院中学校説明会レポート(2019年11月12日)
本日は女子学院中学校へ、受験ドクター国語・算数・理科・社会講師の久米 光太郎が行ってきました。
講堂にある天井までの高さがある大きなパイプオルガン。
毎朝の礼拝や週一回の聖書の授業などキリスト教に基づく教育を行う。大学進学だけではなくその先を見据えての教育を行っている。ディスカッションをいろいろな場面で行う。そのおかげでJG生はコミュニケーション力がある。宿題を多く出して定期試験以外にもミニテスト多く行う。提出していない場合や再試験の場合は提出するまで、試験に合格するまで先生が生徒につき合う。
東京メトロ有楽町線 麹町駅 5・6番出口より徒歩3分
東京メトロ半蔵門線 半蔵門駅 5番出口より徒歩6分
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東京メトロ南北線 市ヶ谷駅 2・3番出口より徒歩10分
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2019年11月12日に行われた女子学院中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は女子学院中学校ではなく、受験ドクターまでお願い致します。
©女子学院
礼拝講話
鵜﨑 創院長より、礼拝講話お話がありました。
礼拝講話「思い悩むな」マタイによる福音書 第6章 25~34節
人は日々の生活で気になることが沢山ある 服や弁当や課題、勉強の悩みなどさまざまな思いわずらいを抱えている。人は未来のために計画して努力することができても完全にコントロールできない。けれどその努力は無駄ではない。明日のことを心配してもあなたの力だけではどうにもならない。将来の不安は自分だけでは解消できないので神さまに荷物を預けて担ってゆだねる、荷物を背負った私を丸ごと抱えこんで運んでくださる神様への信頼によって軽くすることができる。お祈りの言葉で終了 。
女子学院の教育について
女子学院の先生方より、女子学院の教育に関するお話ありました。
その中から一部を紹介いたします。
教頭ご挨拶
教頭 中山美也子が司会、あいさつから始まる。朝早くからの学校説明会にお越しいただきありがとうございます。行う理由①女子学院教育の基本である礼拝に参加していただく②入学した後に使う通学路を体験していただくこと。来年創立150周年。説明会レジュメの表紙のマグノリアの花は生徒のデザインしたもの
女子学院の教育について
1870年A六番女学校として創立。キリスト教の女子校で最も古い学校の1つ。 まだキリスト教が禁止されてきた時代に築地の居留地内で教育を行ってきた。
1890年女子学院に改称。初代院長は矢島楫子。
・当時の宣教師、ミセスツルーのことばの紹介。「自分に力があるのに他者を助けなかった時に苦痛を感じるような女性になりなさい。一人ひとり、活かされる道や与えられた器は違うが他人や社会のために働くように。」
・初代院長矢島楫子のことばの紹介 「あなた方は聖書を持っています だから自分で自分を治めなさい」聖書の中に書いてあることを一字一句守りなさいということではなく、聖書が語ろうとしていることを考えて自分で律しなさいということ。
・三谷民子 多様性を認めて他者を尊重すること
女子学院の校則が少ないのは、先人たちのことばのような、自らを治めるという考えがあるから。
・①教育の根幹にあるキリスト教 毎朝の礼拝、週一時間の聖書の授業。礼拝から始まる学校生活・学校行事 一人ひとりが神様に愛されているかけがえのない存在であることの確認。信仰の強制はしないが、キリスト教教育への理解は求める。入学する方の90%は初めてキリスト教に触れる方。そういう人にキリスト教で大切にしていることや考え方を伝えている。
・②知識や経験を統合する力の育成 徹底した基礎学力の充実⇒何故これはこうなるのかを自ら考えていくこと。 問い続ける学びの姿勢 ⇒リスト教自体がそう。なぜ私はここにいるのか、生かされているのか。体験・実践の重視。教科の枠にとらわれない柔軟な学び⇒興味関心を妨げないリベラルアーツ教育。あなたは理系だから、ここの大学に進学するのだからでやることを限定しない。明確に将来像を持っている人は多くない。自分のゴールを決めてしまって不要なものを捨てる考え方は勧めていない。遠回りと感じることも将来役に立つこともある
・③バランスのとれた人間の育成⇒知性と社会性を身につけ、他者を思いやり、互いに人格として尊重する。
リベラルアーツ教育による足腰のしっかりとした学び。自分の興味関心が変わっても強固な土台がある。社会の動きを見極める力。教科書の学びだけではなく視野を広げる、外部の方の講演を聞く、生徒たち自身が様々なことを調べてお互いに話し合って議論にしていくことで視野が広がる。個の尊重と多様性の受容。みんながこう考えるから私もこうではなく、他の人の考え方と違っても自分の考えをしっかりと発信できるように。
・④社会に仕える人材の養成 自分の利益のためだけに突っ走るのではなく、自分が学んだものは還元していかないといけない。社会が求めるものの本質を見極める。中学高校の間に自分のことだけ考える時期もあるが、常に自らに「それは神様に喜ばれる働きか?」と問う姿勢を身につけてもらいたい。進路指導→多様な生き方をサポートする進路指導をしている。大学受験のためだけではなく、その先にある学びへつなげていく。(先生は)生徒にどういうことをやりたいのか、どういうことに興味があるのかを聞いて相談にのる。あなたの先輩はこういう道を選んだとアドバイスする。こうしなさいああしなさいと学校から指導することはないし、保護者の方にも同じようなお願いをしている。多方面で活躍する卒業生、研究者・医師・作家などがいる。卒業生との座談会を文化祭で毎年行っている。
授業見学会アンケートの紹介。「活発な授業で引き込まれてしまった」「どの授業も生徒参加型で楽しそう」「休み時間と授業のメリハリがある」「生徒の集中力を引き出す授業」など。
生徒たちが話し合って作り上げていくことを大事にしている。中1オリエンテーション、中2ごてんば教室、高3修養会では受験勉強を一切せずに将来のことを考える。春の修養会は有志参加行事。神様とか宗教とか難しいテーマを話し合う。昨年は160名参加。自分たちが本音で話し合う時間。
変容する社会の中で求められるのは人間の基盤がしっかりしていること、考え方や判断の軸を持っていること。 聖書に立ち戻る。社会に流されない人になってもらいたい。広い視野を持つこと。
大切な6年間のために⇒適した環境(精神的風土)の選択。長い人生のなかで自分の立ち返る場所があることが大切。長期的な視野に立った選択をしてほしい。生き方を自ら問う姿勢を身につけてもらいたい。
生徒活動・学校行事について
中山教頭から生徒活動と学校行事に関してのお話がありました。
生徒活動について
毎朝7:30から登校。礼拝で1日が始まる。50分授業で1日6時間。5:30終了 週5日制だが土曜日に生徒は学校に来て部活などを行っている。前後期制で定期テストは年4回
中1の1日の映像 観察実験実習が中1のうちは特に多い
学校行事について
中学1年生の年間の活動から女子学院の行事を見ていく。
・入学式のあとに体育祭。校庭で学年対抗で行っている。生徒たちが一番燃える行事の1つ。
・中3の東北旅行 事前学習を十分して臨む 大潟村・十和田湖奥入瀬渓谷
・中1オリエンテーションキャンプでは富士山麓のトレッキングなど、行事の後に友だちとの関係も広がるそのあとは授業もうるさくなってくる
・中2御殿場教室 女子学院教育の始まり 共に生きることをテーマにした ワークショップでは喋らずに新聞で高いタワーを作ることにチャレンジ キャンプファイアー 全体会 全員で輪になってディスカッション クリスマス礼拝 春の修養会委員が中心になってテーマを決めるディスカッションを行う「人生に捧げる修養会」
・文化祭マグノリア祭 入り口のアーチや階段装飾は生徒自身が行っている。卒業生を招いてのパネルディスカッション今年度はjg力とは何か 学年展示 図書館では卒業生の著作展 幸田文有元葉子 高3の食堂それぞれが得意なことを分担する 料理が得意な人だけが確約するのではない 接客管理タイムキーパー
・クラブ活動 文系19運動6同好会4あり、中1はほぼ全員参加している。友だち関係はクラブが基礎。JG生が発揮するコミュニケーション力や段取り力はここで培われている。学校生活全てが女子学院教育。生徒は学業に加えて部活や委員会で忙しい。どんな生徒にも居場所のある学校。
・カウンセリングルーム50年以上の歴史、生徒や保護者の相談にのる。
・JG会(他校のPTA)の活動紹介。クリスマス礼拝の合唱や広報部誌の発行、バザーなど。
カリキュラム・入学試験について
カリキュラムについて
今後指導要領改訂に基づいて変更ある。
現在の6年生は高校の新しいカリキュラムの2年目の学年になる。
道徳に代えて聖書の授業を行う。
高2まで文系理系に分けず、地理歴史・物理化学生物地学を高2まで全てやる。
数学だけ高2で6単位・4単位の選択をする。後者を選択する人は10〜15%。
高3になると文理分けをする。
特定教科だけ時間数が多いようなカリキュラムは組んでいない。
どの教科も同じような時間数。
基礎学力を身につけて将来広い視野から専門性を発揮してほしいから。
数学は中3から高校分野 に入る。
理科は実験多い。
家庭科は一人で調理して片付けまですべて自分でやる一人実習形式。
好奇心旺盛な生徒に応えるために先生たちもよく勉強している。
定期テスト以外にミニテストもよく行っている。
制度としての補習や特別講習は行っていないが自由放任というわけでは決してない。
専任62名、男16名で女46名。そのうちクリスチャン27名、卒業生11名。
各学年は5クラス5人の担任が学年を受け持つ。
生徒も教師も一人の人間という考え方で指導をしている。
何を勉強したいかで進路を決めてほしい。
高1や高2で卒業生の話を聞く会ある。進路の参考になる。
今年度の高3は文系122名、理系109名。
指定校推薦は80校あったが利用して進学したのは9名。AO入試で進学したのは5名。
入学試験について
2020年度入学試験について。
あまり遠いと通学だけで疲れてしまい学校生活に支障を来たすので通常の交通機関使って90分を通学圏内としている。
通学圏内ギリギリの方は院長面接を行う。
面接を通ったら試験の結果には関係ない。
首都圏以外の人は親元から通学する方のみ受験資格ある。
筆記試験面接報告書で合格を決定している。
面接は5人ほどのグループ面接。
国語算数理科社会全教科40分100点。
学校で考えている正解は発表していない。
願書は持参のみ受付、郵送は受付していない。
あまり早くから並ばないようにしてほしい。
報告書は所見ではなく担任の先生に数字だけを書いていただく形。
厳封のものでないと有効ではない 。
持ち物は受験票・筆記用具・お弁当・飲み物。
持ち込んではいけないものは携帯電話・教科書・ノート・参考書・下敷き・定規・色鉛筆・色ペンなど。
身体が斜めを向いていると試験監督に注意される。
休み時間中の食べ物は禁止はしていない。
面接の順番は必ずしも試験番号順ではないが、全体としては番号若い人が早い時間に終わる。
面接の終了時刻はおおよその予定を願書締め切り後にホームページでお知らせしている。
保健室受験できるかどうかは学校の方で決めている。
インフルエンザなどに感染していると受験できない。
五年生以下の方は下見に来られないようにお願いしている。
2/2午後1時にHP発表している。
構内掲示は2/3。補欠じは決めているが発表はしない。
連絡取れなくても他に回すことはしない。
入試後に入学までの課題は特にない。
図書館に行くとかお手伝いをする、自然と親しむなど受験期間でできないことをしてしない。
保護者転勤の場合はご家族と一緒に過ごすことが望ましいと考えている。
高2の途中までに女子学院に戻ってくるときは転入試験受けられる。
女子学院中学から高校への進学について⇒中学生は卒業したら全員高校に入学できる。
自分たちの意思で他校を受験する人は他校への出願時点で女子学院高校に入学できない 。
授業について
英語教育について
英語を使って知識を深め議論が出来ることを目標にしている。
日本人教師ネイティブスピーカーの授業もクラス半分に分けている。
どちらのクラスも日本語は使わずほぼ英語だけで授業を進めていく。
中1では日本語を使った文法の授業も週一回行う。
LL教室で音声教材を使って自分の声を聞くことなどをやっている。
宿題として多くのテストをする。中学生の3年間基礎英語を聞くことを推奨。
中学2、3年は発展した内容に取り組む。
リーディングマラソンで多読をしている。
決められた期限の中で指定冊数以上の本を読む。
ライティング活動では一冊のノート(自己表現ノート) に英文を書き留めている。
様々なテーマについてまとまった例文を書き相手に紹介することを目標にしている。
英文を書き人前で発表することに慣れる。
暗唱コンテスト、スピーチコンテストなどの動画紹介(とても発音が上手く流暢、それを聞き取って生徒たちがしっかり反応して笑ったり沸いたりしているのがすごい動画1つ、発音は多少たどたどしくともユーモアと夢にあふれる国境なき医師団に入りたいという生徒の動画1つ) 。
入学前に英語に慣れる必要はない。
英語で名前を書くことに苦労する生徒もいるくらい。
国語教育について
画像だけで言葉を使わずに説明が行われることがあるから。
中1 文脈で意味を類推するだけではダメ、意味調べノートを作らせる。
言葉の意味を正確に理解して使ってほしい。
中学生の夏休み前までは英語数学が宿題出しにくいので国語科の宿題が多い。
JGは面倒見がよい学校。
宿題を出さないと地の果てまで追いかける。
チラシに惑わされて中学入学後すぐに塾に入らないようにしてほしい(場内笑)
スマートフォンは危険、最初にお子さんと約束をしてほしい。
毎週漢字テストを行う。
数学テストも全部取れるまで再試験。
中学生のうちは塾に行かずに自分なりの勉強法を見つけてほしい。
中2前期の振り返りで「(自分の)汚いロッカーを整理したい」と書いた子がいた。
1年半経ってやっと気がついた。
勉強法を見つけるために学校と家庭と協力してサポートしていく。
走れメロスでメロスが結んだ約束について「セリヌンティウスを殺すという約束」と書いた生徒がいた。
「3日以内に戻ってくるという約束」が正しい。
受験と持ちつ持たれつの勉強。
女子学院では話し合いが多くもたれる。
話し合いも重ねないと上手くいかない。
女子学院の入り口となるごてんば教室では共に生きることがテーマで話し合う。
八方美人である自分が嫌であったという生徒の作文を朗読して終了(この人だけ場内から拍手あり)。
設備・防災・入学時の費用について
設備・防災・入学時の費用について
正面玄関にマグノリアの木がある(文化祭であるマグノリア祭の由来)
受験生の入り口となる通用口の紹介。
天文ドームや屋上、パイプオルガン、教室全てにプロジェクターがあることの紹介。
一人一食が作れるスペースがある家庭科室、図書館は蔵書五万冊、トレーニングルームもある。
購買部は文具軽食販売しているが(生徒の昼食の)基本は弁当。校舎の道路向かいに女子学院会館がある。
御殿場寮の施設紹介。
8:10過ぎると遅刻になり生徒は警備員や事務員のチェックを受けてから構内に入る。
有人警備も含めて24時間警備している。
女子学院のある区域は帰宅しようとするとかえって混乱に巻き込まれる恐れがある避難抑制地域。
帰ると混乱に巻き込まれるのでシュラフ(寝袋)常備している。
3・11の時は400人泊まった 。
学費について 月額62190円。
積立金が上がったことの説明。
学校訪問を終えて
派手にならず、ある意味男子っぽい実用的な服装。
手提げではなく大きなリュックを背負っている子が多数。
礼拝は厳かな雰囲気。
礼拝中にスマホを見ていたお母様を案内の先生が注意して止めさせていた。