2021 城北中学|学校説明会レポート



城北中学校説明会レポート④(2021年12月11日)


本日はオンラインで行われた城北中学の学校説明会を、受験ドクターの横浜校校長の久米 光太郎が行ってきました。

今回は入試直前のため、学校のPRはほぼなく、入試関連の話題が中心でした。その中で校長先生がくり返し仰っていたのが「多様性、多様な価値観を認めること」、「城北を生徒たちの成長の場にすること」でした。

東武東上線「上板橋」駅南口下車 徒歩10分
東京メトロ有楽町線・副都心線「小竹原」駅1番出口下車 徒歩20分
都営バス(新宿駅西口ー王子駅前)
関東バス/国際興業バス(高円寺駅北口ー赤羽駅東口)
「小茂根バス停」下車 徒歩10分

2021年12月11日に行われた城北中学の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は城北中学ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©城北中学

プログラム

校長ご挨拶

小俣力校長より学校紹介のお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

城北はどんな学校であるのか

今年創立80年、卒業生35000人。人間形成と大学進学の二本柱。質実厳正、 言葉を飾らす正しいことを尊ぶ。着実・勤勉・自主の校訓は変わらない。優れた人間性と広い教養と高い知識を持った社会に役立つ有為なる人間の育成を目指している。

人間形成について

「城北(ここ)は成長の場だ」というキャッチフレーズ通り、城北は魅力ある人間を育てる場所。授業や課外生活を同じ目的を持った同学年の仲間、先輩後輩と共有して成功や失敗を体験してこそ人間として成長する。こういう場を与えることが学校の使命である。宿泊行事、クラブ活動、委員会活動などが多い。充実した施設がある。多くの体験をして学ぶことで社会を導くリーダーとして活躍でき、魅力ある人間になれる。高校から2クラス受け入れ、帰国生を受け入れているのも、価値観の多様性を重んじ、互いに刺激を受けあうため。生徒に寄り添い、生徒が伸びようとする力に沿って大樹のように大きく育てたい。自由で伸びやかな男子校として、生徒の人生のために学校を努めていく。80周年記念事業として人工芝化、空調設備の大規模な改修を行う。

入試について

教頭兼入試委員長の清水団先生より入試に関するお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試概要

★入試の定員は昨年と変更なし。2/1 115名、2/2 125名、2/4 30名。足切り点なし、試験範囲の変更なし、調査書なし。帰国生の優遇あり。海外に1年以上滞在で帰国後3年以内の生徒に対して+10点。未受験の受験料は、入学した生徒の場合、納入金に充当する。
★複数回受験者への優遇あり。ボーダーラインに近いところに2回来たら2回目に正規合格として発表している。当日に合格発表 。全部の回でインターネット出願。1回2回は2/4に入学手続き締め切り、3回は2/5締め切り。ここ数年は追加合格なし。12/20から受験料決済可能。受験票印刷は1/10から。出願時には写真のアップロードが必須。
★2/1は城北中学第一志望とする人の入試、追加合格は想定していない。昨年の応募者は微増、倍率もここ4年で微増して2.6→3.0倍になった。2/2は併願者中心の応募者で構成。学力の接近した子どもたちの集まりであり、数点の違いで合否が分かれる。倍率1.8倍。2/4は入学数の最終的な調整。昨年は7.5倍と倍率高かった。
★持ち物について。忘れ物があったら事務室へ。定規・コンパス・分度器は不要。時計は各教室にある。腕時計してもいいが計算機能などついているものはダメ。携帯電話は校舎内に持ち込めない。持ってきた飲み物やちょっと口に入れるものは休み時間中は食べても構わない。コロナの対応として、当日発熱や濃厚接触者の方は2/27に追加入試を行う。当日の開門を早める。保護者控室はなし。塾からの応援も禁止。検温は校舎の入口で実施。マスクとマスク入れを持参して欲しい。
★入学後はモバイルデバイス(ノートPCとタブレット)の準備、WiFi環境の準備をして欲しい。

城北の国語について

国語科主任の伊藤 和晃先生より学校生活についてのお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

国語について

★配点は昨年度同様、小説90点で漢字10点。小説の舞台は昨年度入試の1回が現代、2回が江戸末期、3回が戦時中。バラエティに富んだ時代のラインアップになっている。2017年度から配点比率は小説9:漢字1。
★長めの記述を出す。毎年合計250字程度。短文記述など答えやすいものも用意している。漢字は全て小学校で習うもの。記述にきちんと取り組んで欲しい。自分の考え方を述べるために必要な積極性や表現力がある生徒を求めている。記述の配点は高めに設定しており、部分点の幅は広く取っている。主語のない答案、文末の不備、誤字脱字(漢字の間違いを含む)、話しことばで書かれている答案は減点。指定字数から超過・不足している答案は0点。漢字は語彙力と不可分であり、読解力の基礎となるので出題している。地道な努力が図れる。丁寧に正しくその字だと分かるように書いて欲しい。

城北の算数について

数学科主任の渋谷 隆之先生より学校生活についてのお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

算数について

★出題形式はこれまでと変化なし。1が四則計算、2が小問集合、3〜5または6が大問。全て答えのみ、取り組みやすい順に問題を配置している。単位は不問で解答用紙に記入してある。小問集合は計算問題・割合(食塩水など)・規則性・場合の数・図形などの分野から良く出題している。後半の大問ではグラフを読む問題、図形問題(平面・立体)、場合の数、文章題など思考力を問う問題が出題される。
★途中の考え方やどこまで求められているのかを評価したいと考え、問いを細かく設定している大問もある。今回の入試では1回の大問4、2回の大問5、3回の大問5が該当する。文章をよく読んで状況を把握することが必要。例えば昨年の2回4番、直方体に紙を貼り付ける問題なら、展開図を書いて状況を把握して欲しい。
★採点に関しては答えのみを要求しているので基本的には〇か✕かだが約分ミスは減点。帯分数、仮分数はどちらでもよい。早くかつ正確に計算できる力を身につけてほしい。図形の問題は多数出される、図形の基本的性質や相似や立体を把握してほしい。問題文を正確に把握して数量的関係を的確に判断できる力を身につけてほしい。さまざまな分野を出題しているので偏りなく学習してほしい。普段から問題を解く過程も大切にして学習に取り組んでほしい。

城北の社会について

社会科主任の安田 茂史先生より学校生活についてのお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

社会について

★例年各回大問3つ。配点は地理25点、歴史25点、公民20点で70点。短答や記号のみ。記述は出題されない。漢字指定の問題でひらがなやカタカナ書きは×。指定字数や氏名に注意して記入すること。第3回公民分野では身の周りの出来事からの出題された。身の周りのことに注目することが大切。
★地理 日本地理における地形や河川、農工業、都道府県やその特徴、地図記号などの基本問題に加え雨温図など地図・グラフ・表の読解問題はほぼ毎年出題されている。データを正確に読み取り学習した内容と照らし合わせて単なる丸暗記でなく応用して欲しい。時事問題に絡めて出ることもある。
★歴史 全ての時代から出題される。各時代ごとの文化の特色を抑えることが大事。文物の写真問題も出題される。事件の背景や展開、各時代ごとの政治や社会の仕組みも抑えてほしい。年代配列問題は毎年出るが受験生は苦手で差がつく問題。
★公民 国会内閣裁判所の三権のそれぞれの役割や仕組みや憲法に関する問題が毎年出題される。戦後史に関する出題もある。憲法の条文をチェックしてほしい。地理と同様、時事問題に絡めてニュースをチェックしてほしい。
★受験生が学習してきた内容から逸脱しない出題になっている。習得した知識を表やグラフから読み取り思考する問題も出てくる。

城北の理科について

理科科主任の西村 直記先生より学校生活についてのお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

理科について

★去年の理科は大問7つ。物理・化学・生物・地学で満遍なく出題される。。今年は問題数が若干少なめになる。配点は物理20点、化学20点、生物15点、地学15点。実験観察に基づく問題が多い。物理・化学では計算力が問われる問題も多い。グラフ作成・作図・記述問題も出る。第3回はお絵描き(スケッチ)問題が出る。漢字指定の問題以外ではひらがな、カタカナでも構わない。漢字のとめはねなど細かいところは見ない。
★1回の大問3の説明。水酸化カルシウム+塩化アンモニウム→水蒸気ができるとリード文にある。ソーダ石灰を通すことで水蒸気をなくすことができるという問題。
★理科は総合教科なのでパターントレーニングでは対応できない。レポートやグラフを作成する力を入試で問う。グラフや図を描く練習、短文を書く練習を繰り返してほしい。入学したら、一緒にたくさん実験しましょう。

学校訪問を終えて

社会がすべて短答式で記述問題がない出題なのに、理科は記述問題を重視しているなど、科目ごとに出題方針が全く違うことが印象的でした。国語は論説文を出題せず物語文のみの出題となるなど出題方針が明確で、城北を強く志望している生徒を取りたいのではないかと推察しました。各科目で「城北対策」を取ることができれば、模試の偏差値が低くても逆転の目があると思いました。