開成中学校説明会レポート(2018年10月21日)
本日は開成中学校へ、受験ドクター 太田 陽光が行ってきました。
第2グラウンドの人工芝が新しく、中学校舎の中庭の景色が美しかったです。
理科実験室が中学で3教室、高校で6教室あり、充実しています。
しかし、やはり創立150周年記念事業の新校舎建築が待たれます。
「生徒に手口は出さない。見るだけ。」が開成の先生の共通姿勢。
生徒の自主性の尊重を第一義とした教育の実践(学習・学校行事において)。
生徒自身は(OBを含めた)先輩から助けられ、学ぶことが多い。
勉強だけに重きを置いていない(音楽や家庭科の重視。座学中心ではない授業)。
そのようななかで、たくましい、集団の中で生きられる力を身につけていく。
お話になる先生方が、みな自然体であり、またその他の先生方もこの学校説明会の運営に際し、
自ら動いているように見て取れ、「ああ、先生方は開成という学校が本当に好きなんだろうなあ」という感想を抱きました。
また、理系が得意なお子様が多く入学するのだと想像しますが、理科の施設が充実しており、その期待に十分応えてくれるものだと感じました。
新校舎ができれば、理科の施設はさらに充実することでしょう。
OBの力に驚きを禁じえません。
小竹禎先生のお言葉「同級生に50名の医者と、50名の弁護士がいる」には、「う~ん」とうなるだけ、言葉を失います。
奨学金も充実していると聞き、やはりOBの方も開成に対する思い入れが強いのだろうと感じました。
西日暮里駅 下車 徒歩約5分
平成30年10月21日に行われた開成中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は開成中学校ではなく、受験ドクターまでお願い致します。
©開成中学校・高等学校
ビデオ上映
生徒が中心となり、作成したビデオが上映されました。
学校での生活の様子を見ることができました。
校長ご挨拶
開成中学校 柳沢 幸雄校長よりご挨拶がありました。
なぜ学校に通うのか?
■情報の発達した現代、MOOC(大規模公開オンライン講義)も行われだした中、なぜ学校に通うのか?
①子の教育に頑張る親の願い「子に生き残ってほしい」
(親は子より先に死ぬという原則がある以上、自分の腕で生きていく、独り立ちできることを願う)
②現実でのデータ フリーター7~8% ニート2%「子供若者白書」H26=10%弱が職業経験ない。
しかしこれは15~34歳のデータであり、35歳以上も含めるともっと多くなると予想できる。
→社会になじめなかった。人間は社会的動物なので、集団で生きる生活力が必要。その為に学校に生徒を集めて生徒集団を作る。
③開成の教育理念(開物成務・自主自律・良心の自由「ペンと剣」・質実剛健・ビヨンド トラディション)
その実践として、
1)授業:知識だけではなく学び方を身につける→開成にない言葉「主要教科と副教科」(家庭科:生活力・自立の育成 音楽:ピアノの演奏、作曲、歌唱、ギターの演奏)。数学が楽しい生徒には手や口を出さないが、目では見ている。数学が楽しくない生徒には、担任、教育相談室、スクールカウンセラーまで対応可。
2)部活 個性の尊重
3)学年行事
→「なじめなかった」ということが無いよう、注意深く配置された学年行事により、皆に居場所(授業、部活、学校行事の委員会)ができる。
④2017年中1への生徒アンケート
「学校が楽しいか?」→6月「楽しい」86,5%+「どちらかというと楽しい」11,8%=98,3%(「あまり楽しくない」4人「楽しくない」1人) 11月 84,4%+13,7%=98,1%(5人 1人)
⑤自分の将来を見通す→先輩の存在が道しるべになっている。
⑥国際交流…①学校という団体では海外に行かない=サポート体制は充実 ②英語のカリキュラムも充実
⑦高校の新校舎建設 2021完成
※開成の語源である「開物成務(物を開いて務めを成す)」とは、自己の物を花開かせて、人として世に尽し務める。成しとげるということ。
※柳沢校長は、ハーバード大学でベストティーチャー賞を受賞したほどの方。
カリキュラム・入試等について
小竹 禎先生より、カリキュラム・入試等に関するお話がありました。
入試に関して
①今年よりインターネット出願となる(学校説明会の参加で登録される)
出願情報入力・入学検定料支払いは 12月20日(木)12:00~1月26日(土)
受験票・差出人表印刷は 1月25日(金)0:00~1月26日(土)23:59
受験票は100円ショップで売っているA4の透明ケースに入れる
②算数の問題が今年より冊子に変更(他科目と統一)
③入試に際し、病気や怪我は事前に連絡をしてほしい(当日でも可)。
④繰り上げ合格は2月下旬まで
⑤中学入試に英語はない→入学時も0から教える。
開成を勧める理由
①専門性の極めて高い教員による個性的な授業
例)国語の森先生:プロの劇団を招いた (ほかにも公民の安食(あじき)先生など)
②生きる力が培われる=困難を乗り越える力=自分自身のたくましさ(中1~高3の縦割りの学校行事、クラス大人数43~44人・運動会(1万人の校外見学者)…一年かけて生徒が準備・文化祭(3万人の校外見学者)・旅行…生徒が企画)
③他者とのつながり 様々なOB組織がある。
同級生が400名いるということ=すぐに聞ける医者50名。
すぐに聞ける弁護士50名→開成というファミリー
学費・奨学金
事務長 鈴木 康夫様より、学費・奨学金に関してのお話がありました。
タブレットを使った授業→IT対応
奨学金:入学後に学費の納入が困難な状況になった時、授業料の全額免除、その他の学費につき奨学金を支給(奨学金は卒業生による)
教員スピーチ
各教科の教員より、開成についてのお話がありました。
英語科担当教員から見た開成
・人(生徒、教員)に優しい学校。
・勉強に関しては省エネタイプが多い(少ない努力で効率よく)。
・成績をかくさない
→成績の悪かった他人を心配する子もいる。
・少し抜けた子もいる
(旅行でサイクリングコースを選んだが、自転車に乗れないと言われた)
・授業は聞くものではない。つまらない授業は聞かない。
→教員にとっても戦場。
・先生の言うことよりも、先輩の言うことをよく聞く。
・付き合いは卒業後も続く。
・自由な学校→先輩から学ぶ。
国語科担当教員からみた開成
【問題】「開成は、皆が「一生つきあえる○○」をみつけられる学校」○○に入る言葉は?
・開成の創立当初の学校名は「共立」→国立でも私立でも公立でもない。「ともに」。
・正岡子規も通う。
・失敗しても、手口を出さない。見るだけ。→生徒の自主性を応援できる。
・開成に入学して、一生打ちこめるものを見つけてほしい。
学校見学
数学科担当 松野先生引率のもと、学校見学を行いました。
人工芝の校庭
・理科実験室で理科の先生のよるお話
「化学は座学(先生による説明)がほとんどない。生活に関する実験を行う(例:マヨネーズづくり→高校の授業内容につながる)
理科実験室が中学には3教室、高校には6教室ある。助手は5人。
先取り学習はしない←高校受験がないから。
発表が大切だと言われる昨今だが、開成は以前から行っていた。」
・中学の教室で、生徒の現状を松野先生が話す。
「色んな所から生徒は来る。もめ事はもちろんある→一個一個自分たちで解決する。そのもめごとは簡単な些細なことから解決する練習をしていく。
先生は目を離さないでいる。 旅行は1年2泊 2年2泊 3年4泊」
・高校の教室(運動会の黒組)
松野先生のお話目安箱・投票箱が常時設置→運動会への意見・役職の選挙。
高校生にもなると突然責任者になることある。その経験から過去の自分を反省し、次に生かす。
文化祭 委員が600名(全校生徒2100名) その他にも部や有志もいる。
文化祭当日は、お客にすぐ助けの手を差し伸べる親切なスタッフが学校中を動き回っている。
卒業生の親の集いもあり、先日招かれた。
開成に通っていた時のお弁当作りが懐かしいとの母の声を聞いた。」
→図書館前で解散。