開成中学校説明会レポート(2018年10月21日)
本日は開成中学校へ、受験ドクターのS.M講師が行ってきました。
「開物成務」「ペンは剣よりも強し」「質実剛健」「自由」という、四つの教育理念に基づいて、
生徒たちが「個人として、また集団としてたくましい大人」になれるような教育を実践している、歴史ある学校です。
現在、創立150周年記念事業として高校校舎の建て替えが行われています。
学年フロア、ピロティ―、予備教室など、旧校舎よりも自由に活動できる場を増やすことで、生徒たちの自主性をより豊かに育んでいこうというコンセプトで設計されています。
全体の竣工は2025年を予定していますが、2021年9月より授業棟の使用が開始となり、ちょうど今年度の中学受験生が、新校舎の第一号世代となります。
校長先生をはじめとして、どの先生も内容、話し方、見せ方とも非常にすばらしく、まるで私も楽しい授業を聞かせていただいているような感覚になりました。
先生方のお話のしかたからも、学校生活・行事の様々な部分を生徒たちの自主性に任せていることからも、生徒を「指導すべき対象」としてだけでなく、一人の人間としてきちんと尊重していることがよくわかります。
この環境の中で6年間、仲間たちと様々なことに取り組むことができれば、確かに様々な面で「たくましい大人」になることができそうです。日本でも最上位の学校で、優秀な生徒たちが集まるからこそ、このように自由で心地の良い雰囲気ができあがるのでしょう。もっと話を聞いていたい!と思う、素敵な説明会でした。
西日暮里駅 下車 徒歩約5分
平成30年10月21日に行われた開成中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は開成中学校ではなく、受験ドクターまでお願い致します。
©開成中学校・高等学校
校長ご挨拶
開成中学校・高等学校 藤本 典子校長より、理念や教育方針に関するお話ありました。
その中から一部を紹介いたします。
「なぜ学校に通うのですか?」
①生物としての親の共通の願い→子に独り立ちできる力を身につけてほしいということ。
②若者の現況→若者のうち約10%がフリーターやニートである。最も問題視される「ひきこもり」の原因の中では、「学校や会社になじめなかった」というものが最多である。
③人間は社会的な動物であり、集団の中で生きていくもの。
よって、学校の意義とは「学校という場に生徒たちを集めて、自分たちなりの集団を作り上げていくという経験をさせること」であるといえる。
開成の理念
開成の理念は「開物成務」「ペンは剣より強し」「質実剛健」「自由」。
これらの理念に基づいた教育を行うことで、Beyond Tradition(伝統を乗り越える)人材を育てたい。
そのために、●授業(知識の習得を通して学び方を身につける)●部活動(好きな活動に取り組み、一人一人の個性を際立たせる)●学校行事(生徒たち自身に多くを任せ、その話し合い、議論を通して社会性を磨く)の三つを重視している。
生徒一人一人が、学校で自分の居場所を見つけることができるように、行事の時期は慎重に設定している。
通学が楽しい学校を目指している。
通学が楽しい学校を目指している。
生徒たちに、定期的に学校生活についてのアンケートをとっていて、学校生活が「楽しくない」と答える生徒も毎回少しではあるがいる。
そういった生徒に対しては、組主任(担任)、部活の顧問、スクールカウンセラーなどでフォローを行い、
一方で「楽しい」と感じている生徒に対しては、「口を出さない、手を貸さない、目では見ている」というスタンスで接し、自主性を損なわないようにしている。
・OBによるキャリア教育。開成の卒業生は非常に様々な業界で活躍している。そういった先輩たちから生の経験談を聞くことができるイベント(ようこそ先輩)を通し、生徒たちの「やりたいこと探し」の手助けをしている。
・国際交流に関しては、全員参加のものは設定していないが、サマースクール・海外進学・海外留学など、その意欲がある生徒に対しては様々な仕組みが用意されている。
OBによるキャリア教育
OBによるキャリア教育。
開成の卒業生は非常に様々な業界で活躍している。
そういった先輩たちから生の経験談を聞くことができるイベント(ようこそ先輩)を通し、生徒たちの「やりたいこと探し」の手助けをしている。
・国際交流に関しては、全員参加のものは設定していないが、サマースクール・海外進学・海外留学など、その意欲がある生徒に対しては様々な仕組みが用意されている。
国際交流
国際交流に関しては、全員参加のものは設定していないが、
サマースクール・海外進学・海外留学など、その意欲がある生徒に対しては様々な仕組みが用意されている。
入試、カリキュラム、学校生活について
中学教務委員長 小竹先生より、入試、カリキュラム、学校生活に関するお話ありました。
その中から一部を紹介いたします。
入試について
本年度より、入学試験への出願がインターネット出願になります。
12月中旬ごろにホームページ上に設置される出願専用サイトから手続きを行う形です。
出願情報入力・入学検定料支払い 12月20日(木)12:00~1月22日(水)
受験票印刷 1月10日(木)0:00~1月31日(木)
※受験票はA4に印刷して折るとカードサイズになるので、
透明のカードケースに入れ持参すること
算数の入試問題の体裁が、他教科と同様の横長二つ折り(冊子状)になる。
解答用紙は例年と同じ形です。
英語入試の導入についてのお問い合わせが多いが、現在のところ予定はないそうです。
中学校入学後にゼロから教えるので、今までに英語を習ったことのない受験生も安心してほしいとのことでした。
カリキュラム、学校生活について
開成の授業は→
①専門性の高い教員による個性的な授業。(例:現代文の解釈に演劇を入れた授業の実践例など)
②深く、横断的な授業③多様な授業。教育の幅と深みには自信がある。
「生きる力」が培われる学校。
学校生活を通して、自分自身のたくましさを磨き、他者とのつながりを築くことができる。運動会には約1万人、文化祭には約3万人の来校者がある。
その規模のイベントを自分たちで運営するということのやりがいは、生徒たちにとっては大きなものとなるだろう。
学費について
事務長 鈴木先生より、学費等に関するお話がありました。
平成31年度学費について
入学金300,000円と施設拡充資金120,000円を入学時に納入。
4月、9月、1月の所定日に授業料、施設維持費等(月額合計51,350円)の納入。
また、別途学級費(学年旅行費、教材費等。本年度の第1学年は110,000)が必要。
寄付金について
入学後に第1学年に限り、1口10万円で1口ないし2口。任意。
奨学金について
入学後、何らかの事情により家計状況が急変し、就学の継続が困難になった場合には、授業料を免除する制度や奨学金制度がある。
教師から見た開成
各教科の教師から見た開成についてのお話がありました。
英語科担当教師からみた開成
世の中では開成中=勉強ばかりしていると思われたり、または体育祭での様子から、体育会系でバリバリやっている学校というイメージを持たれているかもしれないが、
実際に指導しているとそのいずれでもなく、生徒たちは普通に成功も失敗もする人間であると感じる。
開成は、教員にとっても、生徒にとっても、「人に優しい学校」であり、非常に居心地のいい場であると自信をもって言える。
国語科担当教師からみた開成
開成の歴史を振り返ると、当初は「共立学校」であったということがわかる。
国立でも公立でも私(個人)立でもない、この「共立」という言葉にこそ、開成の精神があるのではないかと思う。
開成中とはどのような学校であるか。
いろいろな答えがあるとは思うが、
①生徒がなんにでも挑戦し、失敗することもできる学校
②皆が「一生つきあえる○○」を見つけられる学校
であると思う。