鎌倉学園中学校説明会レポート(2020年6月28日)
本日はオンラインで行われた鎌倉学園中学校の学校説明会を、受験ドクター横浜校校長の澤田 重治がご紹介いたします。
隣接する「臨済宗大本山建長寺」で座禅教室などを実施している
▽環境
▼海と山に囲まれた自然豊かな古都鎌倉の中央部に位置する
▽ほどほどの宗教教育
▼禅の精神や仏教の教えを基本にしつつも、宗教行事はあまり実施していない
▼隣接する建長寺とのつながりがある
▽文武両道
▼クラブ活動やその他の課外活動でも成果を出しながら、高い進学実績も実現している
▼理系教育にも力を入れている
▽最後の校長メッセージ
「私学には、公立にはない独自性、多様性、建学の精神があります。
いろいろな学校、それぞれ違います、たくさんの情報を集めて、間違いのない学校選びをしてください。そして、志望校の一つに「鎌倉学園」を加えてくれればとても嬉しく思います。」
JR横須賀線 北鎌倉駅 ・ 鎌倉駅下車 北鎌倉駅から約850m(徒歩13分)
江ノ電バス 建長寺 (鎌倉学園前) 下車
2020年6月28日に行われた鎌倉学園中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は鎌倉学園中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©鎌倉学園中学校
校長ご挨拶
竹内博之校長からご挨拶と学校紹介がありました。
その中から一部を紹介いたします。
鎌倉学園の教育の特徴
▽「質実剛健」ともいえる武士の魂と「自主自律」の禅の精神を現代に受け継いでいる
▽知・徳・体のバランスの取れた教育を目指している
▽臨済宗大本山建長寺ゆかりの宗教学校だが、宗教が前面に出る行事は2つだけ
▼建長寺で行われる「座禅教室」……年間数回の実施
▼建長寺が発祥とされる精進料理「けんちん汁」体験
▽真の文武両道……中高6年間で、勉強以外に何か一つ他人より優れたものを身につけよう
▽土曜日にも4時間の授業がある
(土曜日にはクラブの公式戦などがよく行われることを考慮した特別な時間割になっている)
▽放課後の活用……放課後こそ「真の生きる力が身につく時間」と位置付けている
▽選抜・特進クラスを設置しない……一人一人を大切にし、差別感のない教育を心掛けている
高校での授業展開
▼英数国がバランスよくできている生徒は「英数国クラス」
▼科目間の偏りがある生徒は「習熟度授業」で徹底的に底上げ
→ 2年生では全員が英数国バランスよくできているようにするためのコース設定
▽高校2・3年生
▼2年生から、文系・理系に分ける
▼3年生から、文系・理系のそれぞれに「国公立クラス」も設置する
→ 国公立クラスを選択すると、私立の指定校推薦には応募できない仕組み
▽すべてのコース・クラス選択は、生徒の希望を優先するので差別感は生まれない
▽全体の底上げを図り、特に国公立大の合格者増を目指す
クラブとの両立(真の文武両道)
▽主要大学の述べ合格者数(進学数ではない)
▼軟式野球(卒業生19名)
電通1,山梨1,信州1,早稲田5,上智1,明治8,中央4,立教3,……
▼ラグビー(卒業生8名中)
東北1,千葉1,横浜国立2,防衛1,早稲田1,慶應2,上智1,
明治3,中央2,東京理科2,……
▼バスケット(卒業生4名)
横浜国立1,早稲田2,上智1,明治2,法政2,順天堂(医)1,……
▼山岳(卒業生10名)
東京工業1,大阪1,宇都宮1,早稲田1,明治4,中央1,法政2,
青山学院2,東京理科2,……
▼ESS(卒業生5名)
横浜国立1,神奈川県立1,早稲田1,東京慈恵医(医)1,順天堂(医)1,
東邦(医)1,明治2,東京理科1,……
▼弁論(卒業生3名)
横浜市立1,山口1,兵庫県立1,慶應1,上智2,東京理科4,……
2019年度に活躍が顕著だった課外活動
▽ヨット(個人)
▼全日本セーリング三冠達成(国体,インターハイ,ジュニア五輪)
▼東京五輪には間に合わなかったが、2024年パリ五輪の期待のホープと言われている
▽陸上競技(駅伝)
▼関東大会駅伝優勝し、2年連続で関東地区代表して全国大会に出場
▽弁論
▼関東ディベート大会優勝、全国ディベート大会準優勝
▽ESS
▼鎌倉学園の名物クラブの一つ → 活動はHP上のビデオで確認を
グローバル教育
▽オーストラリア英語研修(夏休みに2週間実施/メルボルン)
▼参加者一人一人が姉妹校の生徒の家にホームステイをして、一緒に姉妹校に通う
▽北米研修旅行(春休み/ボストン)
▼バーバード大&MITで行われる上級英語研修
▽ヨーロッパ研修旅行(春休み/ポーランド、ドイツ、オーストリア)
▼ヨーロッパで起きた戦争における悲惨な過去を学ぶ
▼現地で本物の芸術に触れる
▽ベトナム研修旅行(春休み)
▼発展途上の地域を訪れ、地域の学校との交流や災害復旧などのボランティアを行う
▼ベトナムの奥地には、本校の生徒たちの寄付で設立された小学校もある
▽国内英語研修(3泊4日)
▼日本の大学で学んでいる海外からの留学生と生活を共にする
理科教育の充実(高1~高3)
▽男子校だからか、理系への進学希望者が多い
▽K-Laboという名で理科教育に注力
▼大学受験に関係するしないに関わらず、高度な実験と関連する問題演習を交互に行う
▼多角的に理科教育を実施
➀K-Labo Camp:筑波研究学園都市で合宿(JAXA・物質材料研・国立環境研等訪問)
②研究室訪問:東大・東工大にて聴講、見学、体験実験
③一流大学教授に学ぶ(第一線の研究員による講演・座談会)
▼事前・事後の学習も充実している、本校自慢の教育の一つ
中学入試
▽入試形態
▼2/1,2/2,2/4の午前に4教科で行われる1次・2次・3次入試
▼2/1の午後に算数1科で行う「算数選抜入試」
▽複数回受験のメリット
▼繰り上げ合格の判定時に、各教科の最高得点を集計する
▼算数選抜単独では繰り上げ合格の対象にはならない
▼今年の入試では、10名の繰り上げ合格が出ている
高校入試
▽A方式(書類選考入試)
▼受験資格のハードルが少し高いがA方式がお勧め
▼受験資格をクリアできれば、実際の試験を受けなくても必ず合格できる
▽B方式(英数国の3教科のオープン入試)
▼3教科の合計得点
▽受験資格
▼募集要項に載っている受験資格はあくまで「原則」
▼疑問点は、本校入試対策部に遠慮なくメールで相談を
転編入試験
▽試験のタイミング
▼原則、7・12・3月の3回実施する
▼帰国のタイミングに合わせて編入試験(英数国3教科)を受験することもできる
(入試対策部にメールで問い合わせを)
▽対象学年
▼学則定員に達している学年は実施できない
▽出願
▼インターネット出願を実施しているので、願書の取り寄せ不要、追加出願も容易
▼試験日当日まで来校不要
▼ペーパーレスで環境にも配慮
学校訪問を終えて
「質実剛健」「自主自律」という古き良き日本の精神を大切にしながら、
一方では海外研修や最先端の理科教育にも力を入れ、
国公立大への合格実績伸長にも精力的に取り組む姿勢は挑戦心に満ちていて魅力的です。
建長寺の歴史の重さにつぶされることなく、現在を、そして未来をしっかりと見据えた教育方針は、
変えるべきところと変えざるべきところを自覚した絶妙なバランス感覚の上にあると言えます。
そんなところが、昔からの根強いファンを虜にし、若い世代からも受け入れられている秘密だと感じました。