2020 鎌倉学園中学 |学校説明会レポート



鎌倉学園中学校説明会レポート(2020年9月9日)


本日はオンラインで行われた鎌倉学園中学校の学校説明会を、受験ドクターの高田いさむがご紹介いたします。

(ライブストリーム配信での参加のため、実際の施設は見られていません)
北鎌倉駅から徒歩15分ほどの距離にある、建長寺に隣接。
緑の山に囲まれる自然豊かな学習環境がある。
体育館兼講堂が一棟あり、グラウンド2面とテニスコートも併設。
説明会などを行う星月ホールは450名収容。
自由に使用ができるマルチスペースや専用の自習室もある。
購買部とカフェテリアがあり、カフェテリアは放課後も営業。
普通教室は33室、特別教室が20室あり、書道教室は建長寺を一望できるロケーションになっている。
図書室、保健室(看護師・養護教諭2名常駐)、相談室(カウンセラー・ソーシャルワーカー2名常駐)あり。
全国の学校で初めてボルタリング用のクライミングボードを設置した。

鎌倉学園中学は古い歴史のある伝統校で、2021年には創立100周年を迎えます。
教育理念は「礼儀廉恥」。
「礼」は節度を守ること。
「義」は自分を実際以上に見せびらかさないこと。
「廉」は自分の過ちを隠さないこと。
「恥」は他人の悪事に引きずられないこと。
禅の精神である「自主自律」のもとで、真の文武両道を目指します。
宗教色は前面に打ち出しておらず、年間3回の座禅の時間がある程度。
お坊さんの先生というのもおりません。
「放課後元気な学校」ということを大切にしており、クラブ活動なども盛んです。
大会などの出場を考慮して、土曜日は特別カリキュラムになっています。
ヨット部は全日本セーリングの三冠を達成しています。
グローバル教育として、海外研修なども充実しています。
また、全国に先駆けて、算数1科入試を行ったのも鎌倉学園中学です。

JR横須賀線 北鎌倉駅 ・ 鎌倉駅下車 北鎌倉駅から約850m(徒歩13分)
江ノ電バス 建長寺 (鎌倉学園前) 下車

2020年6月28日に行われた鎌倉学園中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は鎌倉学園中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©鎌倉学園中学校

プログラム

校長ご挨拶

竹内博之校長からご挨拶と学校紹介がありました。
その中から一部を紹介いたします。

◎ほどほどの宗教教育

仏教系の学校ですが、前面には宗教をだしておりません。年間3回の座禅の授業があるだけで、お坊さんの先生もいません。どんな方にも安心して通って頂けますので、その点はご安心ください。

◎真の文武両道

勉強はもちろん、クラブ活動も熱心に行っており、「何かひとつ得意なものを作りあげよう」と生徒たちには伝えています。理科の実験などは、1クラスを2つに分けて丁寧にやっています。また、20年くらい前に、学校としては全国で初めてクライミングウォールを設置したのも鎌倉学園中学です。

◎先生も文武両道

生徒に文武両道を求めるなら、先生も文武両道でなくててはならないということで、特に放課後は生徒と触れ合う時間を大切にしています。テストの採点や授業の準備は生徒たちが帰ってから行います。

◎土曜日の使い方

ゆとり教育で公立学校が週休2日制になったとき、私学は独自に土曜日を利用した教育を行っていました。鎌倉学園中学もその一つです。ただ、土曜日はクラブの大会や試合などが行われるので、その点を考慮して、特別授業を行っています。英会話の授業や、俳句を詠む授業など、定期テストにも出題しないような内容を中心に土曜日の学習を行っています。

◎放課後元気な学校

生徒の深い部分に入っていくには、授業時間の50分では無理。放課後の時間でのふれあいが大切です。放課後はクラブ活動だけでなく、補習や追試、進路相談など、様々な時間に使っています。

◎クラス編成について

中学は4クラス、高校は2~3クラスを高校受験で募集して、6~7クラス編成になります。持ち上がりの生徒と高校入学の生徒は別クラス編成になり、授業内容も進度も異なります。高校からの入学に反対されるご家庭もありますが、高校入学組は内申点が24点とほぼ満点が必要であり、とても優秀な生徒しかおりません。そういった子たちと切磋琢磨して欲しいです。また進学実績がいいのは、圧倒的に中学受験組です。6年間余裕を持って学習ができ、学習習慣や基礎力の完成がしっかり図られているからです。

学校生活・カリキュラムについて

広報主任のヨシムラ先生から学校生活・カリキュラムについてのお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

学校生活・カリキュラムについて

勉強のやり方、ノートのとり方から指導します。6年間の柱は英数国だが、理社でも中学の間から高校内容の先取りをしたり力を入れています。高2で文理に分かれ、通常のカリキュラムは高2で終了です。高3の4月からは入試演習に入ります。授業中に小テストを行い、不合格の場合は朝・昼休み・放課後に追試や補習を行います。長期休暇の前の1週間は、特別時間割で講習会を行い、夏期休暇の最終5日間はサマーセミナーということで各学年で補習・講習を行っています。男子校ですので、理系の生徒が若干多いです。K-Laboという理科の授業では、実際に実験し、そのあとでその実験が出題された入試問題を解くということを行っています。また、筑波学園都市に一泊するK-Laboキャンプでは、JAXAや物質材料研を訪問します。東大・東工大の研究室訪問も行っています。進路指導については、高1でキャンパス見学、高2で大学出張講義、高3で入試説明会を行っています。その他の行事としては、7月に林間学校があります。中1は河口湖で、中2は長野県の廃村に行きます。ガスや電気がない状況で、囲炉裏で調理をしたりします。中3の研修旅行では、京都の農家に宿泊学習したり古都巡りを自力で行ってもらいます。運動面では、体育デーの他に1月にスキー教室を3泊4日で行います。中1・2は藤原スキー場で基礎を学び、中3では苗場スキー場で本格的な滑りを練習します。スキー教室については、コロナ対策を考えながら今年も実施予定です。学園祭は、今年はオンライン公開になります。通常ですと、文化部の発表や、運動部の模擬店、ステージ発表などを行っています。課外活動としては、今はヨット部に優秀な生徒がおり、全日本セーリングで三冠を達成しています。陸上は関東駅伝優勝、また弁論部も関東ディベートで優勝しています。進学実績としては、昨年は国公立大学に67名の合格者を出しています。京都大学には4名が合格し、そのうち3名は現役合格です。クラブ活動と両立しているのも特徴で、様々なクラブから有名大の合格者で出ています。6年間の流れですが、中学の間は学力ではクラスを分けていません。クラス替えはありますが、主に人間関係を考慮して、各自が有意義な学校生活を行えるように配慮しています。中2までは、土曜の数学セミナーのみ習熟別のクラスになります。中3ではすべての数学の授業で習熟度別となります。高1は英数国で習熟度別になります。高2からは文理に分かれますが、コースやレベルは生徒が自分で選択します。国公立大学の合格者を増やしていくのが目標です。

各種の研修について

入試対策部のコバヤシ先生から各種の研修についてのお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

各種の研修について

鎌倉学園では、様々な研修にも取り組んでいます。その中でも、主にグローバル研修についてお話します。まず、オーストラリアでの英語研修があります。夏休みの14日間でホームステイ学習をします。また、メルボルンにある鎌倉学園中学の兄弟校に通います。国内の英語研修もあり、中3・高1の夏休みに、3泊4日で実施します。それ以外には、北米研修・ベトナム研修・ヨーロッパ研修があります。北米研修では、ハーバード大学の学生とのグループディスカッションを行います。ベトナム研修では、現地の人々と交流しながら、主にボランティア活動などを学びます。ヨーロッパ研修では、歴史や文化を体験するのが目的で、オペラ座やアウシュビッツ強制収容所などを見学します。どの研修も、10月から事前学習をスタートし、春休みに実施します。今年はコロナの影響もあり、まだどのようにしていくか模索中です。例年通りにはいかないでしょうが、例年通りの体験ができるような研修を用意したいと考えています。

次年度の入試について

次年度の入試についてのお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

次年度の入試について

次年度の入試について、お話します。鎌倉学園中学の入試では、全国に先駆けて算数1科入試を取り入れております。最近は追随する学校もあるようです。算数1科入試を行ったのは6年前ですが、1期生が初めての大学入試を迎えます。模試の結果を見ると、とても良い成績を出しており、良い結果が出ると期待しています。大学実績の発表を楽しみにお待ちください。入試日は3回あり、1回目が2/1、2回目が2/2、3回目が2/4です。国算が各100点、理社が各60点の、320点満点です。合格は当日に発表します。聖光・栄光・浅野に向けた受験に弾みをつけてもらえると思います。手続きの日程も、神奈川御三家を配慮したものになっています。2/1午後に算数1科入試があります。試験開始時間を3つ設定しており、選択することができます。また、予定より遅くの時間であれば、当日に変更が可能です。大部分が記述式で、部分点も与えています。一般と両方受かった場合は、一方の受験料をお返しすることになっています。インターネット出願ができ、前日まで手続きが可能です。繰上げ合格についてですが、一昨年は31名、昨年は10名の繰上合格を出しています。複数回受験をした場合、繰上げの選考時に、各科目の一番良かった点数を持ち点にできる制度があります。

学校訪問を終えて

YouTubeを使用してのライブストリーミング配信で参加しました。
特に機材やネットのトラブルもなく、時間通りに行われ、非常に準備されたスムーズな説明会でした。
会の冒頭は、音声が小さく聞き取りにくい部分がありましたが、途中から適切な音量に調整されました。
伝統のある男子校で、黒色の詰襟学生服がそれを如実に感じさせます。
途中で応援団の映像が流れたのですが、その様子も「応援団」という言葉からイメージする様子そのものでした。
一方で、古い伝統校ですが、海外研修なども充実しており、積極的に外に目も向けているようです。
他の進学校と比べると、クラブ活動などの話が多く、勉強面以外の活動にも積極的です。
途中で映像研究会が制作した、ESS活動の紹介映像が流れましたが、映像作品としてとても良くできていました。
生徒の様子もとても落ち着いていて、「質実剛健」という感じです。
学校としては神奈川御三家の併願校という認識のようで、入試スケジュールもそれを考慮したものになっていました。
地域に根差した伝統校という印象で、非常に好感を持った説明会でした。