三輪田学園中学 学校説明会レポート(2024年05月17日)
三輪田中学の学校説明会に、受験Dr.吉祥寺校長の久米 光太郎が行ってきました。
人気上昇中の伝統的女子校です。
JR中央線・地下鉄有楽町線・南北線・新宿線「市ヶ谷」駅より 徒歩6~7分
JR中央線・地下鉄有楽町線・南北線・東西線・大江戸線「飯田橋」駅より 徒歩8~9分
地下鉄半蔵門線・東西線「九段下」駅より 徒歩15分
2024年05月17日に行われた三輪田学園中学の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は三輪田学園中学ではなく、受験Dr.までお願いします。
©三輪田学園中学
三輪田学園のご紹介
塩見 牧雄校長よりご挨拶がありました。
その中から一部を紹介いたします。
三輪田学園は生徒ファースト、授業ファースト。
学校説明会パンフレットのイラストは未来に向かって颯爽と歩むイメージであり、受験生の皆さんへの応援メッセージでもある。
三輪田学園は今年で創立137周年。初代校長の三輪田眞左子は岩倉具視家の家庭教師をした。
校訓「誠のほかに道はなし」。誠実であること、あろうとすることこそが人として最も大切な在り方、生き方であるということ。教育理念は「徳才兼備」の女性の育成。
チャットGPTなどのAIについて、単純に使用禁止にはしない。学校としてのガイドラインを作って危険を学んだ上で使用していこうと思う。これからの時代は人間力をしっかり育んでいかねばならない。非認知能力、ソーシャルエモーショナルスキルが問われるようになった。この部分が人間教育であり、三輪田学園がもともと大事にしていた徳である。
学校行事や部活など学校生活を通じて人間力をしっかりつけていきたい。
お預かりする生徒に幸せになってほしい。
これから進学実績にもこだわっていく。
放課後学習室を整備した。クラブ活動がない日は登録して学びクラブに参加できるし、三輪田ラーニングラウンジに残って勉強することができる。夜7時まで残れる。
三輪田学園は学力高い生徒が複数の大学に受かった延べの合格者数ではなく実の大学実績にこだわりたい。生徒にはその先の人生で幸せになってほしい。シカゴ大学のノーベル経済学者が幼稚園児の40年追跡を行った。ソーシャルエモーショナルスキルを持っている人が社会的経済的に成功している人が多かったという結果が出た。人生における成果を決める最も重要な要素はソーシャルエモーショナルスキル。
伝統女子校の逆襲・三輪田学園の逆襲ということで雑誌でも話題になった。日本社会は男女の格差が大きいという結果が出ている。単純な共学化では学校が男女間性差の再生産装置になってしまう。三輪田の学年対抗の運動会は高3が通常優勝するのだが、終わった後はノーサイド、学年関係なくみな肩を抱き合って校歌を歌う。女の子らしさよりも自分らしさ、女子力よりも人間力が大事。「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という言葉があるが、女子校では女を演じる必要はない。これからの時代、自らの人生を自分自身で切り拓いていくことができる逞しくしなやかな女性を育てたい。そのために盾と矛を与えたい。自分を守る盾が三輪田スタンダードであり、人間教育や教科教育。
人生を切り拓く矛が哲学対話、卒業論文、三輪田ハブである。自分自身の矛を見つけてほしい。そのために得意分野を育成したい。
不幸を避けるための盾、幸福を手に入れるための矛を持って欲しい。
三輪田学園がお応えする三つの信託がある。
1保護者の皆さまからの信託。
2社会からの信託。しっかりと育てて社会に送り出す。
3一人ひとりの生徒の未来からの信託、6年間お預かりしてしっかり育てる。入試の応募者数ら一昨年は3割アップ、昨年は4割アップ、今年は14%アップして過去最多を更新した。今後、以上3つの信託に加えて4番目、塾・教育関係者からの信託にもしっかりお応えしていく。
2024年度入試総括・2025年度入試要項
高校教頭の湯原 弘子先生より2024年度の入試の総括および2025年度入試における変更点についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。
2024年度入試総括
帰国生入試は15名受験で14名合格。入学したのは4名。実質倍率は以下の通り。2/1 3.7倍、2/1 午後3.1倍、2/2 4.9倍、2/3 5.6倍。
2/1の午後の入学率は11.9%。創設年度以来過去2番目に低かった。
今年の2科4科選択制合格判定方法は以下の通り。
2科生→国語算数の合計点を持ち点とする
4科生→①国語算数の合計点 ②4科の合計点300点を1.5で割った点数 ①②の高い方を持ち点とする。2科生と4科生を合わせて得点順に判定する。各回とも7割前後が合格点。各年度、各回で難易度を変えないようにしているので、応募人数が増えた結果、ここ数年で合格点が上がっている。
英検利用入試では募集人数にこだわらず基準を満たした人を合格させている。入学者が想定より増えた。英検利用入試では、国語算数の良い方の点数と英検級による英語みなし点(英検4級70点、3級80点、準2級90点、2級以上100点)を合計した点数で合格を決める。今年は2/1も2/2も144点で合格した。こちらで不合格になっても2科の合計点で合格となった生徒が今年度1名いる。
3級4級がアドバンスドクラス40名、それ以上はオナードクラス14名。昨年度よりも増えた。
併願校のラインナップは昨年度同様。1位山脇学園146名、2位跡見学園85名、以下は共立女子、品川女子学院、富士見、実践女子、大妻、十文字、香蘭、普連土、和洋国府台、大妻中野、麹町学園、恵泉女学園、江戸川女子、田園調布と続く。
2025年度入試要項
英検のみなし点を昨年度から変更し、3級80点→75点、準2級90点→85点、2級以上100点とする。日程変更はなし。手続き締め切りは全日程同じで2/6の10時。合格判定方式を変更する。
①合格者数の8割は前年通り
②①を除く2割は4科の合計点で選抜する
国算の合計点が高い場合、理科社会の点数が合格と関係ないということがあったので変更した。4科を勉強した生徒が報われるようにしたい。
2024年度入試報告
国語・算数について、2024年度の入試報告がありました。
国語
まとめ
バランスを意識した出題形式です
漢字は教育漢字からの出題ですが語彙が重要
副詞・接続詞の空所補充は頻出
抜き出し問題・選択肢問題を甘く見ないこと
算数
大問2 基本・標準を6題出題。答えのみを書く。正確に読み取り丁寧に解くこと。
大問3・4・5では資料などを読み解く力、グラフ・表・平面・空間図形を把握する力を見たい。長めの問題文でも必要な譲歩を読み取る力、他者に自分の考えを伝える力を見たい。途中式を書くことにより評価するので、正解ではなくても部分点あり。
第1回午前では割合の問題への苦手傾向あり。
速さの基本は99.7%で皆できていた。グラフの読み取りは不調で合格者不合格者ともできていなかった。割合で差がついた。
第2回では大問2の小門集合で差がついた。
最も差がついたのは速さのグラフ。
第3回は大問全体で最も差がついた回。計算では差がつかなかった。大問ではグラフでも見慣れない図形でも差がついた。
計算は合格者平均は90%以上の正答率。計算問題を確実に得点源にしていきたい。
グラフの読み取り、第1回の食塩水のグラフ、後半で差がついた。グラフと状況をリンクさせながら解く問題を多くの状況で練習してほしい。図形は基本問題で確実に解いてほしい。第2回の合格者は1も2も100%だった
計算は正確性を重視。
図形では円周率3.14は必ず出る。
30°60°90°の三角形、対角線の長さから正方形の求積、相似比の工夫が重要。
グラフ・図・表を単体ではなく連携させて情報をきちんと読み取る練習が必要。
進路・進学指導
進学者は国公立6、早慶上理8、GMARCH29。うち法政大へは18名推薦で進学。東京女子大、日本女子大、津田塾大には10名推薦で進学。54名が難関大に進学、30.5%。
三輪田の進路指導
1.基礎学力の育成
基本的な生活習慣をつけるために手帳指導をしている。生徒にタスク管理と学習時間の3点(起床時間、学習開始時間、就寝時間)固定を行うため。朝学習の充実をはかり、昨年度から10分を20分と長くした。
2.MLL(三輪田ラーニングラウンジ)について。
談話室を利用した、リクルートと提携した放課後学習システム。リクルートの到達度テストやスタディサプリと連携している。
3.英語の習熟度別授業
ネイティブの先生と話すことができるイングリッシュラウンジ。
イギリスでの海外研修あり。
4.希望進路の実現
26歳の卒業生や大学教授に来てお話ししてもらう。一人ひとりに論文指導担当
法政大、東京女子、津田塾と高大連携をおこなっており、協定校推薦がある。法政大との高大連携を行っている。法政大の特別聴講制度あり。
多面的な進路指導で生徒一人ひとりに寄り添う。次の入口まで迷わぬよう、最後まで伴走し続ける。
探究学習MIWADA-HUBについて
問いを立てて探求する習慣をつけていきたい。
自分は学生時代、レールが存在しない場所でどう動けばいいか分からなかった。ハブには正しい答えはない。自分で考えなければいけない。中3になった生徒は先生が用意した題材ではなく自分で考えた題材を選んでいた。
中2の生徒発表資料でDNAを食べ物から抽出することができるのかというものがあった。
バナナ、ブロッコリーからDNAが出やすかったとこを分析して、細胞が大きいと抽出量が小さいことを自分たちで分析していた
共通テストで同じ問題が出た。
共通テストではその場で自分で考えられるかということが問われる。未知の内容に対応できる力をつけることができる。
学校訪問を終えて
伝統校でありつつ、探求型の学習やリクルートと連携した放課後学習システム、法政大学との高大連携協定など、新しいことにも力を入れています。人気・偏差値が上昇中のため、今後の進学実績に注目です。