2019 桜蔭中学①|学校説明会レポート



桜蔭中学校説明会レポート(2019年10月30日)


本日は桜蔭中学校へ、受験ドクター 国語講師のS.Mが行ってきました。
東館には本格的な天体観測ドームと、6月から11月まで使用される温水プールがあります。西館のLL教室は平成25年に設備が更新されたばかり。また約42000冊の書籍、その他雑誌や洋書を収めた図書室もあります。説明会が行われた講堂は、ステンドグラスで彩られた美しい内装でした。このように新しくきれいな設備とともに、開校当初より使用されている礼法室など長年愛され使用されている設備も残っています。また、郊外施設として浅間山荘の合宿施設、ひばりが丘運動場を保有しています。

「礼と学びを重んじ、自立した女性の育成を目指す」という雰囲気が強く感じられました。教師が生徒のことを何もかも管理してしまうわけではなく、かといって完全に放任するのでもなく、立派な社会人として独り立ちするための教育が行われています。

JR
『水道橋駅』徒歩 5分

地下鉄
三田線『水道橋駅』徒歩 3分
丸の内線、大江戸線『本郷三丁目駅』徒歩 7分

丸の内線、南北線『後楽園駅』徒歩 7分

2019年10月30日に行われた桜蔭中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は桜蔭中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©桜蔭中学校

プログラム

校長ご挨拶

桜蔭学園理事長、中学・高校校長の齊藤由紀子校長より桜蔭中学校の学校の沿革についてお話しがありました。
その中からいくつかを紹介します。

学校の沿革について

桜蔭学園のあらましをご紹介くださいました。
大正13年に東京女子高等師範学校(現:お茶の水女子大学)同窓会である桜蔭会によって設立されました。初代校長後閑キクノ氏は選挙によって選ばれ、女性に選挙権がなかった時代にそのような形をとったことからも、女子教育への熱い思いが伺われます。「礼と学び」を重んじ、自立した女性の育成を目標としています。今でも礼法や家事教育には力を入れているとのことです。2019年現在開校95周年であり、現在の中1生がちょうど100周年のときに高校2年生。イベントの運営のメインを担うだろうということで今から張り切っている姿がとても頼もしいとおっしゃっていました。

学校の沿革

教務主任の井上先生より、説明会配布資料に基づいて学校の説明がありました。
その中からいくつかを紹介します。

学校の沿革について

教務主任の井上先生より、説明会配布資料に基づいて学校の説明がありました。

各クラスに担任・副担任がおり、学年ごとに担任団という形で持ち上がっていくため、学年全体を見ながら指導しているそうです。中学と高校を同じ教師が指導するので、6年間を見据えて指導計画を立てています。クラス替えは毎年行われます。スクールカウンセラーが2名おり、担任を通さず生徒が自分で予約をとることができるようにしてあります。

高校2年生からは文理で分かれていきますが、クラス分けはしません。クラス全員で受ける授業(国語、英語、体育、保健)と、その他自分の必要とする選択教科を受講する形です。習熟度別授業も行っています。成績については順位の発表は行いません。

土曜日に「放課後学習ルーム」を開放しています。卒業生が大学生チューターとしてやってくるので、希望者は質問をすることができます。

キャリア教育としては、卒業生によるキャリア講演会、外部講師による講演会、各国大使館にご協力いただいての女性大使による英語講演会、東京医科歯科大学との高大連携プログラム、Google社訪問イベントなどを実施してきました。

入試について

引き続き井上先生より、入試に関するお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試について

担任団を結成して持ち上がっていく。

・入試科目として英語は当面入りません。
・補習は日々の小テストの中で担当教員が必要と判断した場合には行われます。
・通塾については推奨していません。学校と塾の勉強に追われてしまい、自分が今本来何を学習すべきなのかを考えることが難しくなってしまうからです。
・海外転勤などで日本を離れる場合、中学生は一度退学となり、帰国時に編入試験を経て戻ることになります。高校生であれば留学制度を使い単位認定を行います。
・英語については中3~高3でGTEC受検。高校生はTEAPも取り入れ始めています。
・通学時間は1時間前後、最大でも1時間半くらいが限度。新幹線や有料特急を使っての通学は禁止。また、最寄り駅までは徒歩もしくは公共交通機関(バス)を使うことと定めています。(自転車の利用、自家用車による送迎は禁止)
・面接は5名ずつのグループ面接、ただし質問内容は一人ひとり異なります。服装については日常のものでかまいません。また、着替える場所はありません。
・2月8日の合格者保護者会に欠席された場合、棄権と見なされます。
・入試当日の5年生の下見はご遠慮ください。受験生に集中して取り組んでもらうためです。
・現5年生以下のご家庭へお願い。文化祭には受験生とその保護者は入場可能ですが、受験生のみ、保護者のみでの入場はお断りしていますので気を付けてください。

中学一年生の生活について

中一学年主任の久保山先生より入学後1年間の流れについてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

1年間の流れ

中1学年主任の久保山先生より、スライド写真を用いて現在の中学1年生のここまでの様子をご紹介いただきました。入学式のときには緊張した面持ちで、まだ制服も着慣れていない印象だった生徒たちが、数々の行事を通してどんどんより元気に、より積極的になっていく様を実際に目にすることができました。

桜蔭中学の防災体制について

防災部長の方より、桜蔭学園の防災体制についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

防災体制について

・年3回の避難訓練を行う。2回は火災を想定した避難訓練。1回は「下校グループ」を使った集団下校訓練。下校グループとは、緊急時に生徒たちが一人で帰宅することを避けるために、各々の利用路線、最寄り駅などから作る5~6人の班のこと。
・先の東日本大震災時にも、この下校グループを活用して生徒を帰宅させた。
・学校にはサバイバル5(食料、水、携帯トイレ、サバイバルシート、ホイッスル)に使い捨てカイロを加えたものを全生徒、全職員の分常備している。全員分はないがヘルメットや毛布の備えもある。
・緊急連絡時には一斉配信システム(NTTのFair Cast)を使用。メール、電話、FAXなどご家庭が優先順をあらかじめ決めておき、そこへ一斉連絡を行う。
・ラジオニッポン放送の学校安否情報サービスも利用している。
・クラブや行事の準備で休日登校する場合には登校届を提出。誰が来ているのかを把握することができるようにしてある。
・「登下校時の緊急避難校ネットワーク」に加盟。災害時、東京都内・神奈川県内の私立小・中・高校に避難することができ、さらに避難状況を所属する学校にも伝えてもらえるというもの。

学校訪問を終えて

女子最難関校ということで真面目なイメージを抱かれがちな学校だと思われますが、VTRで見た実際の生徒たちの姿は、皆どんなことに対しても一生懸命取り組んでいて、非常に明るい様子でした。教科学習のみでなく礼法や部活動にも全力な桜蔭生であるからこそ、将来自分のやりたいことをしっかりと見据えて勉強し、その結果としてあの素晴らしい大学進学実績を出していけるのでしょう。私が特に素敵だと感じたのは、中2から準備を始め、中3の夏休みに仕上げるという自由研究です。自分でテーマを設定し、調べ、論文と資料にまとめ、それを発表するというこの活動は、社会に出てから様々な課題を乗り越えるために必要な力を育成してくれるものであるといえます。パンフレットにその一部タイトルが掲載されていましたが、実に幅広いジャンルの研究がなされており、中には「見たい…!」と思うものもありました。その分野が実に多彩であることも、桜蔭生たちが自分の興味関心に沿って、自ら研究していることの表われなのだと思います。楽しそうな生徒の姿がとにかく印象的な説明会でした。