桜蔭中学校説明会レポート②(2020年11月9日)
本日は桜蔭中学校へ、受験ドクター 算数、理科講師の橋本 樹講師が行ってきました。
2024年の創立100周年を前にして、東館を建て替え(2021年9月~2023年冬)。
東館に含まれる温水プール、体育館、理科室が新しくなり、同時にICT化もすすめる。
工事期間中も既存施設にて授業を行う予定。
校外の施設として浅間の山荘宿泊施設、西東京市のグラウンドがある。
基礎学習と実技科目を大切にしている。
キャリア教育を充実させ、幅広い進路に対応するため文理のクラス分けは行っていない。
JR
『水道橋駅』徒歩 5分
地下鉄
三田線『水道橋駅』徒歩 3分
丸の内線、大江戸線『本郷三丁目駅』徒歩 7分
丸の内線、南北線『後楽園駅』徒歩 7分
2020年11月9日に行われた桜蔭中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は桜蔭中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©桜蔭中学校
校長ご挨拶
齋藤由紀子校長より桜蔭中学校の教育理念・校訓についてお話しがありました。
その中からいくつかを紹介します。
教育理念
校訓:勤勉・温雅・聡明であれ 「責任を重んじ、礼儀を重んじ、よき社会人であれ」
初代の後閑キクノ校長が女子高等教育学校の教官を務め、礼法や家事教育を確立したことから、現在も中1の道徳の授業では担任と校長が交代で担当している。礼法の授業は専門の先生が担当し、重んじられている。
バランスの良い女性になるため、保健体育、音楽、美術、書写などの芸術科目を大切にしている。
今年はコロナの影響で体育大会は中止となったが、高3生はひばりが丘グラウンドでダンスの発表を行うなど、元気に学校生活を送っている。
東館(プール、体育館、理科室含む)の建て替え。
2021年9月に解体。完成は2023年冬を予定。ICT化もすすめる。
工事期間中も既存施設を利用して授業を行う。
学校生活について
教務主任の井上先生より、学校の説明がありました。
その中からいくつかを紹介します。
学校生活について
学校生活について
各学年5クラス編成、学年単位で担当が密に連絡をとり、学年として生徒を見守っている。
担任団は3年もしくは6年間通しての持ち上がり。クラス替えはある。
カウンセラーを2名配置。担任を通すことなく相談できる。
授業は8:30~15:10、17時には完全下校。クラブ活動は必修。
1コマ50分、土曜も4コマ平常授業がある。
原則弁当持参、おにぎり、パンの購入はできる。
学校行事について
基礎・基本を大切にした学習をすすめている。
音楽、美術、体育、家庭科などの実技も大切にし、幅広い学力を身につけることを目標としている。
中3生は合唱、家庭科、美術、書道の卒業制作を行う。
3年間のまとめとして自由研究に取り組むことが、50年以上つづいている。原稿用紙20枚~40枚の論文にまとめる。
中2から論文の書き方、資料の引用のしかたなどを学び、中3の9月に発表。全員分を要約して製本する。
体育の授業は2つの体育館、卓球室、温水プールを使って行う。中2の夏休みには外部コーチを招いて、泳力別に強化を行っているが、東館の建て替えのためしばらくプールの授業は行えない。
外部施設として浅間山荘、西東京市のグラウンドがある。今年度は3密を避けるため浅間山荘合宿を中止。
数学、英語は高2から2段階の習熟度別授業を行う。クラス分けは自立学習をうながすため、本人の希望により決める。
中学、高校を通してテストの順位付けは行っていない。
文系、理系という分け方はせず、様々な進路に合わせた分野を学ぶため選択授業という形式をとっている。
キャリア教育について
仕事をもって社会で地道に活躍する卒業生も多く、後輩へのアドバイスとして冊子を作成している。
高1では卒業生を招いてキャリア講演会を行う。外部講師を招いての講演会も毎年行っている。
弁護士会の助力を得て模擬裁判を経験する。
大学在学生に放課後学習ルームのチューターをお願いしている。
東京医科歯科大学との高大連携講座、卒業生の仲介によるグーグル社訪問イベントなどもある。
各国大使館の女性大使を招いての英語講演会など、外部機関と関わるイベントを多く実施している。
オンライン学習について
文化祭も動画を作成して公開する形式で実施した。外部の方に学校生活をしってもらうため。高校生徒会によるデジタルパンフレットが作成された。
よくある質問
英語を受験科目として採用することは当面なし。
補習は小テスト、定期テストの結果により担当教員の判断で行う。
塾は必要無し。学校の予習、復習にしっかり時間を使うべき。
保護者海外赴任による転校は、中学生の場合、復帰時の編入試験に合格すればもとの学年に戻ることができる。
高校生の場合は転校中の単位をそのまま認定する。
令和3年度入試について
3密を避けるためインターネット出願に変更。
合格発表も2月2日14時にインターネットのみでの発表に変更。
出願資格は保護者同居であること、新幹線などを使わずに90分以内で通学できること。最寄り駅までの自転車、自家用車での送迎は不可。
通知表のコピーは、小学校の担任の先生に依頼する形式に変更。
面接は受験生のみに変更。保護者面接は無し。5名同時に面接するが、質問内容は別々。服装は日常のものでいい。
防災について
そのなかから一部を抜粋して紹介します。
防災についての情報
防災訓練年3回、9月には集団下校訓練。
学年ごとに下校グループを作成している。同じ路線ごとに5、6人のグループを作成して、災害時などに1人で行動することのないようにする。
2011年3月11日の体験
当日は試験休みのため、球技大会のあった中3とクラブ活動中の370名ほどが登校していた。交通機関が止まっていたため、学校に宿泊させるための準備を始めた。備蓄は生徒一人にカロリーメイト2箱、水1Lと毛布があった。保護者、卒業生も頼ってくる人がいた。
翌日に中3は下校グループ、中1・2、高1・2は緊急の混成グループで帰宅した。この際に高2の生徒がリーダーシップを発揮し、グループごとの名簿作成もしてくれた。
この経験から、生徒・教員全員にサバイバル5という備蓄セットを購入した。内わけはパン3缶、水1L 、保温用アルミシート、携帯用トイレ、緊急用ホイッスル、そこに使い捨てカイロを3つ追加したもの。
それ以外に折り畳みヘルメット、エアマット、毛布を全員分用意、食料も3日分は確保している。全員分ではないが簡易ベッド、寝袋も用意。
また、電話連絡がつきにくくなった経験から、NTTのフェアキャストに全家庭が加入している。連絡先として電話、メールなど3つ登録できる。
学校側として生徒の安全のために全力をあげることを約束する。
学校訪問を終えて
受験のための効率の良い学習をすすめるのではなく、取り組む姿勢や礼節といった意識が高い学力の下支えになっていることが伺えました。