2021 立教女学院中学|学校説明会レポート



立教女学院中学校説明会レポート(2021年10月3日)


本日はオンラインで行われた立教女学院中学校の学校説明会を、受験ドクター 算数・理科講師の橋本 樹がご紹介いたします。
敷地の半分以上が木や花で囲まれた、自然豊かな環境。
高校校舎と礼拝堂は今年全面改修工事を終えたばかり。
多様化する社会の中で、自ら問題解決できるよう、主体性をはぐくむ教育をしていく。
自然あふれるキャンパスでじっくりと時間をかけて成長していってもらいたい。

京王井の頭線三鷹台駅北口 徒歩1分

2021年10月3日に行われた立教女学院中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は立教女学院中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©立教女学院中学校

プログラム

校長ご挨拶

田部井善郎校長より、立教女学院中学校の教育に関するお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

メッセージ

次の時代を見据え、一人ひとりの個性を大切にする、既存の価値観にとらわれない、自由な教育に努めている。

教育目標

  • 多様性の尊重。他者とともに、他者のために生きることのできる福祉的教育。
  • 世界の人々が全て豊かさの中に、その人らしく生きることができる世界平和の実現。

さらに環境問題、情報化社会、AI時代の中、いかに生きていくべきか。
他の人たちと一緒に支え合っていく社会とはどうあるべきか。
常に自分自身に問いかけていくような教育に努めている。
これからは価値観が多様化し、答えが無い時代、自分で答えを創り出していく時代となっていく。だからこそ、10代のときに女子だけの環境で自分たちだけで創意工夫してやってみるという主体性を育む教育に意味があると理解している。
コロナ禍で生徒が楽しみにしている学校行事が縮小または延期となっているが、できないことを嘆くよりもできることをしていきたい。こういう時だからこそ、他の人のために自分たちは何ができるかという意識を持って過ごしている。その姿に自由な校風が受けて継がれていると感じている。
こうした立教女学院中学校の目指す教育は、一人ひとりの生徒が神様から与えられた豊かな個性を大事にして、自由に考え自由に行動する、自分や目先の利益だけでなく、もっと広い世界を見つめ、すべての人が平和の中でその人らしく生きることができる、そうした世界をつくるために自分は今何をなすべきか、将来何をすることができるか、そのために今何を勉強すればいいのかといった問題意識を持って学び、それが144年間続く自由な立教女学院らしい教育である。
キャンパスの半分が緑の木々や花々に囲まれた自然豊かな教育環境である。あわただしい日常とは離れて、時がおだやかにゆったりと流れている、そうした環境こそが教育には重要ととらえている。なぜなら、教育において最も重要なものの一つは、子どもたちの成長をじっくりと時間をかけて待つことと考えるからだ。10代の多感な時期にこうした環境の中で、自分と友達の将来について共に考え、共にセ成長する日々を過ごしていくこと、それは貴重な6年間であり、立教女学院中学校の大きな特色であると考えている。
昨年から高校の校舎と礼拝堂の全面改修工事が行われてきたが、10月に終了した。
入学に際してはキリスト教の信仰があるかどうかは全く心配いらない。”

入試について

中学校教頭の浅香美音子先生と各科目の担当教師の方から入試についてのお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試概要

募集人員
一般生110名、帰国生20名、併設小学校出身者70、1学年200名(40名×5クラス)
2022年度一般入試
1月29日(土)保護者同伴面接 合否には関係なく、キリスト教に基づく教育を行うことの確認の場。
2月1日(火)筆記試験
出願資格
入学後、常時保護者と同居できる者
学校生活を大切にしてほしいので、個人の習い事などを理由にした欠席や早退は認めない。
出願の留意点
2022年度よりインターネット出願に変更。
志望理由を明確に記す。
通知表のコピーが必要。
入試科目と合否
4教科300点満点(国算90、理社60)
各教科ごとの合格基準点は設けていない。
合格発表
2月1日21時にホームページで発表。
入学手続きは2月2日9時~12時。
繰り上げ合格は電話連絡のみ。補欠発表はしない。

入試について<国語>

例年通り説明的文章、文学的文章から出題する。
漢字の読み書きは教育漢字の範囲内なので、正答率は高い。とめ・はねははっきり書く。読み取りづらいものは不正解としている。

受験生に求める力は
①筆者が述べている内容を、文章に即して正確にとらえる力
②表現された状況や登場人物の会話などを手がかりに人物の心情をとらえる力
③読み手が理解しやすい文章を整然と組み立て表現する力
④同年代、現代に限らず、幅広い文章を読みこなす力
⑤日常生活の中で使用されるような基本的な言葉を正しく使う力、慣用句などの知識
⑥漢字の読み書き(教育漢字の範囲内)

入試について<算数>

昨年度は合格者平均点が上がり、初めて80点台になった。
今年度も難化させる予定は無く、基礎力を問う標準的な問題を中心に出題していく。完成度を高めることが重要。
大問1が全体の半分以上の配点を占めるので、計算力を高めてミスを少なくする。

アドミッションポリシー
大問①
・丁寧で正確な計算力
・典型的な問題を素早く解く力
大問②③④
・状況をその場で分析・把握し、数えあげ調べる力
(積極的に手を動かして考える習慣を大切に)
・誘導に従い、最後の設問までたどりつく力
苦手分野をつくらず、標準的な問題をより良い解法で解くことができるように。
(学びに対する「素直さ」と「誠実さ」を大切に)

入試について<社会>

・教科目標「基礎基本を大切に、社会意識を育てます。」
中1地理、中3公民の中に総合学習(ARE授業)を実施、調べ学習やプレゼンテーションを通じ、問題を解決する力、自分の考えを発信する力を育成する。

2022年度入試アドミッションポリシー
・地理
地域の特徴や差異に注目し、その要因を地理的な視点から考えられる。
自然環境と人間生活の結びつきをとらえることができる。
・歴史
歴史の基本的な流れや用語を理解し、様々なものや出来事を、複数の視点で見ることができる。
・公民
憲法の内容を知っているだけでなく、憲法がめざす社会がどういうものか具体的にイメージすることができる。
世界で起きている出来事に関心をもち、自分にも関係することとして考えることができる。

2022年度入試に向けて
①地理・歴史・公民の3分野から広く出題、大問3~4台。
②基本的事項の理解の徹底+応用力と問う出題。地図やグラフ、資料の読み取りなど知識をもとに考える問題。
③長文の論述問題は出題しない。
④地名や人名、歴史用語、憲法の言葉などを正確な漢字で覚える。
⑤各時代の流れをきちんとおさえる。
⑥ニュース等を通して、世界の動きにも関心を持つ。

入試について<理科>

アドミッションポリシー
好奇心(情報収集)×情報整理・分析×関連付け
・好奇心が旺盛で、理科が好きな生徒
立教女学院の理科では、体験させること、見せることを重視している。園芸(薔薇・藍)、鮭・ホタテ・ホッケの解剖をはじめ生物学と栄養学を学ぶ横断的な学習ができる。国立天文台、井の頭公園、企業訪問などの機会もある。
・情報(条件)を整理し、活用(分析)する力のある生徒
→実験結果(表・グラフ)を読み取り、考察・分析ができる。
→問題文や与えられた結果から、次の実験結果を紐解く。
・日常生活で得たニュースや知識を理科の教科書の内容と関連付けることができる生徒(例:2019年はやぶさ2、2020年部分日食、チバニアン)

2022年出題方針
・物理、科学、生物、地学の4分野から満遍なく出題予定。
・小問数は例年通り25題程度。
・問題文をよく読み、グラフや表を正確に読み取る力が必要。
・自然科学に関するニュースは要チェック。
・日常経験から得られる知識等については、教科書にない範囲でも出題します。小学校の出題範囲を超えた問題を出題する場合は、解くために必要な情報を問題文で示します。
・解答形式は例年通り(記号選択、単語、数値)

学校訪問を終えて

短時間の説明動画でしたが、「自由」という言葉が複数回出てきました。
「自由」=「奔放」ではなく、「自由」とは自ら選択することという、主体性を育む教育を目指していることが伺えました。
また、新時代に合わせた新しいカリキュラムなどをアピールするのではなく、豊かな環境でじっくりと人格形成をしてほしいという、伝統校らしい揺るがない精神も伝わってきました。緑あふれるキャンパスなど、進学校とは別の意味で大きな魅力がある学校です。