サレジオ学院中学校学校説明会レポート(2020年9月21日)
本日はサレジオ学院中学校学校へ、受験ドクター横浜校校長の澤田 重治が行ってきました。
説明動画で触れられた施設
- 自習室……完全下校時刻は6時だが、9時まで利用できる
※ 動画中の画面では「19時」となっていたが、先生の説明では「9時」と言っていた。
ホームページで調べたところ、「9時」となっているので、こちらが正しそう
ホームページ・パンフレット等で紹介されている施設
- チャペル……月例ミサやクリスマスのミサなどが行われ、生徒は自由に参加できる。卒業生の結婚式が行われることもある
- 図書館……約2万冊の蔵書と自習スペースがある
- パソコンルーム……1人1台のPCを設置。主に情報の授業で使用している
- ドンボスコシアター……中学・高校合わせた全生徒が着席できる。慰霊祭などのミサの会場としても使用
- コミュニケーションルーム……昼休みや放課後に、神父さんと一緒に聖書について学んだり、ビリヤードやサッカーゲームで遊んだりすることができる
- サレジオ修道会の祖であるドンボスコの教えを継承し、目の前の困っている人に手を差し伸べられるような人格形成にも力を入れている
- 「25歳の男づくり」というスローガンの下、中学・高校の6年間だけでなく、その先(25歳くらいのときに)どんな社会人になるかを大切にした教育をしている
- 教員が生徒と共にあることで、生徒の現状や問題点を知ることができ、適切なアシストができる
- 学力向上だけでなく、多感な10代にこそ海外に出て、グローバルな視点を得ることを促している
▽カウンセリングルーム……専門のスクールカウンセラーが常駐していて、在校生やその保護者なら、誰でもカウンセリングを受けることができる
横浜市営地下鉄グリーンライン
北山田駅より徒歩5分
2020年9月21日に行われたサレジオ学院中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問はサレジオ学院中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©サレジオ学院中学校
プログラム
校長ご挨拶
鳥越 政晴校長より、サレジオ学院中学校の教育に関するお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。
サレジオ学院はどんな学校か?
- 生徒たちが通っていて「居心地の良い学校」ではないかと思う。
- 新型コロナの影響で入学式が6月になってしまったが、今年の中1も明るく元気に通っている。
- 様々な個性があるが、みなクラスの中で安心して過ごせていると思う。
- 飾ったり、特別な自分でいたりする必要がなく、素の自分でいられる学校の雰囲気。
- 先生たちも、近くで見守ってくれている。
- 勉強も部活も大変だが、お互いにコミュニケーションを取りながら切磋琢磨して過ごしている。
- 忙しいがやりがいのある日々を通して、自分でも成長が実感できる。
- 6年間過ごして卒業するときには、一生ものの友達を得ることができる。
- 目の前にいる人が必要とするなら、さり気なく手伝うことができるのはイエス様の教えでもある。
サレジオ学院をもと知ってもらうために
- 今年は学校説明会ができないので、ホームページやフェイスブックで学校の様子を配信している。
- さらに、もっと知ってほしいので紹介動画をあっぷしていく。
学校概要
入試広報部長の朝倉広明先生より学校の概要についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。
交通
- 横浜市営地下鉄グリーンライン「北山田駅」徒歩5分(実際には7~8分)
- 東急線・小田急線・横浜線あたりから多くの生徒が通っている
- 通学時間の平均は60分程度
カトリックの男子校
- 元々はサレジオ修道会が作った学校で総本山はサレジオ教会(カトリック碑文谷教会)
- 1960年に「目黒サレジオ中学校」として開校。その後、鷺沼に「川崎サレジオ高等学校」が移り、中学校も移って「川崎サレジオ中学校」となり、さらに「サレジオ学院中学校」として現在の場所に移転してきた。今年、創立60周年を迎えた。
- サレジオ修道会を作ったBon Bosco という神父が作った「オラトリオ」という小さな寺子屋のような学校――遊びの場・学びの場・祈りの場であったものがサレジオの原点。
校訓①……「アシスタンツァ(伊:assisutenza)」
- 英語では「assist」にあたる。
- サッカーの「アシスト」と同様、教員が良いパスを与え、生徒がゴールを決められるように、生徒のそばからサポートするのが我々の「共にいる教育」
校訓②……「25歳の男づくり」
- 卒業時の18歳でなく、その先25歳くらいの時にどんな男になっているのか?
- カトリックの価値観に基づいた「助けを必要としている人に自分のできる範囲で手を差し伸べることのできる」ような社会人に育ってほしい
英語学習
続けて入試広報部長の朝倉広明先生より英語教育についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。
授業……週7時間
- 教科書「NEW TREASURE」を使ったメインの授業が5時間
- ネイティブの先生と一緒に行うT.T.(チームティーチング)の英会話が1時間
- 昨年度から取り入れたオンライン英会話(フィリピン・セブの語学学校の先生とマンツーマンでレッスン)が1時間(正味は25分程度)
英検への取り組み
- 中2で3級、中3で準2級、高2までに2級を取得
GTEC受験
- 中3は「Basic」、高1・2は「Advanced」を年2回受験し、スコアの伸びを確認する
- 希望者は「GTEC CBT(スピーキングのテスト)」も受験可能
海外研修
中3卒業時「イタリア研修旅行」
- 全員参加
- 現地の姉妹校との交流会など
中3・高1「カナダ・ホームステイ」
- 任意参加
- カナダ・ビクトリアへ2週間滞在する
- 午前中はレッスン、午後はアクティビティという形
高1修了時「フィリピン語学研修」
- 任意参加
- フィリピンの英語学校に缶詰めになって、1日9時間ぐらいのレッスンを受ける
- 週末には学校がないので、関係の教会や施設、スラムなどにも行く
- スラムでは貧富の差に直面し、どのように貧富の差を解消するかを真剣に考えだす生徒もいる
高2夏休み「オーストラリア短期交換留学」
- 任意参加
- オーストラリアの姉妹校・兄弟校との3週間の短期交換留学
- 日本の夏休み(現地は冬)にこちらから留学し、現地の夏休み(日本は冬)に現地の留学生を受け入れている
目的
- 感受性豊かな10代のうちに、海外に出よう、そして刺激を受けようと生徒たちを励ましている
- 日本は快適になって内向きになっているが、10代にこそ海外に出て刺激を受けることが大事
- 今はコロナ禍で海外に出られないが、落ち着いたらどんどん送り出したいと思っている
- 日本の当たり前が当たり前ではないことを知る
大学進学・入試情報・部活動
続けて入試広報部長の朝倉広明先生より大学進学や入試情報、部活動についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。
大学進学
クラス編成
- 中1~高1は均等4クラス編成で、毎年クラス替えをして学力が均等になるようにしている
- 高1の秋に進路選択をするために、泊りがけで進路ガイダンスに参加する
- 進路ガイダンスでは、たくさんのOB(大学生・大学院生)からどのような学びをしているかを聞く
- 高2からは文系3クラス、理系3クラスに分かれ、計6クラス編成(1クラス30名程度)
- 文系・理系の各1クラスは難関国公立を志望するクラス
自習室
- 行内には、校舎とは別棟の「自習室」という施設がある
- 学校の総下校は6時だが、その後9時まで自習することができる
中学入試
A試験
- 試験日…2/1,定員…110名
- 出願者数…369名,受験者数…348名(94%),合格発表…172名(2.1倍)
- 合格者平均…241.9点(得点率69.1%)
B試験
- 試験日…2/4,定員…50名
- 出願者数…440名,受験者数…356名(81%),合格発表…101名(4.4倍)
- 合格者平均…229.2点(得点率65.5%)
合格の目安
- 年によって変化はあるが、およそ65%取れれば合格できる
- 基準点はなく、総合点で判断しているが、配点が少ない理社(75点)で挽回するのは困難なので、差が付きやすい算数(100点)は手堅く準備をするべき。
部活動
全般
- 活動は週3日以内。18時には完全下校となるので、勉強との両立もしやすい
- 部活動は強制ではないが、中学生の参加率は98%で、なにか事情がない限り参加している
現中1生を含む参加者が多い部活動(中学生全558名中)
- 運動部…テニス100名,サッカー61名,卓球57名,バスケ57名,野球52名など
- 文化部…吹奏楽39名,生物27名,ジャグリング20名,物理18名,化学8名など
兼部はできるか?
- 本人と親の意向が異なるというのが理由らしいが、中学生になったら、本人がやりたいことをとことんさせるべきだと思う
よくある質問
続けて入試広報部長の朝倉広明先生より質疑応答がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。
大学進学
A試験・B試験を両方受験するとメリットはあるか?
- 加点などの優遇はないが、お子さんによっては同じ校舎で受験できることで、2回目は落ち着いて力を発揮できることもあるようだ。それがメリットになる
出題方針に変更はないか?
- 大きな変更はない。教員が作っているので、ある年から急に変わることもまずない
- 過去問をよく見て傾向をつかんでほしい
グレード別クラス・特進クラスはあるか?
- 均等のクラス編成をしているので、特進クラスなどはない
- 高2からは、文理それぞれ1クラスを難関国公立を志望するクラスにするが、これも希望制
補習は多いのか?
- 部活動が週3日以内しかないので、部活動のない日に英数を中心に補習を行っている
- このままでは定期試験が心配な人を呼び出したり、自由参加だったりと様々
通塾率は?
- 通塾の必要もないし、宿題や部活動もあるので実際には無理だろう
- 日常の学習を大切にし、宿題をきちんとこなせるようにがんばれば実力はつく
不登校やいじめへの対処法は?
- 不登校は理由が不明確なものが多いのでいかんともしがたいが、学校にはカウンセラーが定期的にきているので、教員も相談するし、親御さんにもカウンセラーに会ってもらって、登校できるように方策を探る
- いじめについては、サレジオでは生徒と教員の距離が近く、異変があればすぐに気づくので、関係者を一人ずつ呼んで確認する。知らない間に問題が大きくなっていることはない
- 中1・中2くらいでは小さないざこざもあるが、中3になると落ち着いて、問題は起きなくなる
スマホ・携帯電話は?
- 朝のホームルームのときに担任が回収して預かり、帰りに返却している
海外転勤になる可能性があるが、戻ってこられるか?
- 中学と高校が併設になっているの、基本的には戻ってこられる
- できれば中3の夏くらいまでには戻るようにとお願いしている
- 高校に上がってスムーズに進級していけるだけの学習がされていたか面談などをして相談する
保護者参加の行事や役員などはあるか?
- 希望者にやってもらうので、必ず役員をしなければならないような決まりはない
- 様々なサークルがああるので、時間が合えばぜひ参加してほしい
学校訪問を終えて
最近の私立中高一貫校では、私立高校が後から併設中学を設立する例が多いように思いますが、サレジオ学院は、最初に中学校(目黒サレジオ中学校)を設立し、その3年後に高校(サレジオ高等学校)を設立したという歴史を持つ学校です。設立初年度の中学1年生が高校に進学するタイミングで、そのまま学内に留まれる道を作った形なのでしょうか。
私は無宗教の人間なのですが、奉仕の精神を大切にするカトリックの教えを基に、「25歳の男づくり」というスローガンを掲げ、学力向上だけでなく全人格的な教育に取り組んでいる同校の教育方針には大いに共感を覚えました。自分の将来を本気で考える多感な時期だからこそ、学習だけに没頭するのではなく、様々な刺激を受けて自分の進むべき道を考える必要があると思うからです。
有力な進学校でありながら、卒業時の進路だけではなく、その後社会に出て活躍する姿までを思い描いて指導する取り組みには頭が下がります。
余談ですが、拝見した学校説明動画自体はやや不慣れな感じが否めませんでしたし、もっといろいろな先生の声を聴きたかった気もして残念です。ただ、このコロナ禍で、学校説明会が開けない中でも何とか自校の魅力を伝えたいという朝倉入試広報委員長の思いはよく伝わりました。
私は無宗教の人間なのですが、奉仕の精神を大切にするカトリックの教えを基に、「25歳の男づくり」というスローガンを掲げ、学力向上だけでなく全人格的な教育に取り組んでいる同校の教育方針には大いに共感を覚えました。自分の将来を本気で考える多感な時期だからこそ、学習だけに没頭するのではなく、様々な刺激を受けて自分の進むべき道を考える必要があると思うからです。
有力な進学校でありながら、卒業時の進路だけではなく、その後社会に出て活躍する姿までを思い描いて指導する取り組みには頭が下がります。
余談ですが、拝見した学校説明動画自体はやや不慣れな感じが否めませんでしたし、もっといろいろな先生の声を聴きたかった気もして残念です。ただ、このコロナ禍で、学校説明会が開けない中でも何とか自校の魅力を伝えたいという朝倉入試広報委員長の思いはよく伝わりました。