2024 聖学院・女子聖学院中学|学校説明会レポート



聖学院・女子聖学院中学 学校説明会レポート(2024年06月26日)


聖学院・女子聖学院中学の学校説明会に、受験Dr.白金高輪校長の千葉 誠が行ってきました。

創立100周年を越えた、伝統的なミッションスクールです。

聖学院中学
聖学院_外観2
JR山手線「駒込」駅より 徒歩5分
東京メトロ南北線「駒込」駅より 徒歩7分

女子聖学院中学
女子聖_外観
JR山手線「駒込」駅より 徒歩7分
東京メトロ南北線「駒込」駅より 徒歩8分
JR京浜東北線「上中里」駅より 徒歩10分

2024年06月26日に行われた聖学院・女子聖学院中学の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は聖学院・女子聖学院中学ではなく、受験Dr.までお願いします。
©聖学院・女子聖学院中学

プログラム

聖学院中学校・高等学校の紹介

聖学院中学校・高等学校について

今年118周年を迎えるキリスト教の男子校。
教育理念として「Only One for Others」を掲げている。
「Only One」は「生徒一人一人に必ず神様から与えられた才能、賜物がある」という意味。
それを6年間で一緒に見つける、また一緒に磨いていく。また、その球物を自分のためだけに使うのではなく、後半部分の「for Others」、 人や社会や世界のために使えるような、そんな子どもたちに育ってほしいなという思いがある。
全ての教育活動がこのオンリーワンをわざわざに繋がる形になっている。
毎朝、講堂で礼拝の時間がある。慌ただしい気持ちのまま授業に入るのではなく、少し人の話を聞いて、 オルガンの演奏を聞いて、心を落ち着けた状態で授業の取り組みに入ることができる、学校生活を始められる、とても生徒にとっても大事な時間になっている。
教育の内容について。全ての教育活動が「Only One for Others」に全てが繋がる形で展開をされている。
ICEモデル(Ideas(知識)、Connections(つながり)、Extensions(応用))という、問いを軸にした授業を展開。
各教科、各単元において、彼らが自分の中でなぜこの単元を学ぶのか。この単元を学ぶことで この先何に活きるのか、ということを自分自身で考えられるように、教師から多くの問いを投げかけている。
ホームページにたくさんの授業の記事が紹介をされているが、中学3年生の国語の授業では、国語の教科書に書いてある文章を使ってディベートを行ったりしている。
弟を殺してしまったという主人公について、 本当に罪なのかということを反対、賛成に分かれてディベートを行った。
文章の読み解きということ自体は、もちろん国語科の授業の中で実施をしているが、そこに対して、自分が思考するということを付随することで、生徒たちに表現の場を多く与えるような授業を展開をしている。
他にもたくさんの授業をICEモデルの形、また探究型で実施をしているので、 保護者の方、受験生の方にはホームページのたくさんの授業紹介をで、ご覧いただきたい。
我々が彼らが「Only One」に触れるために非常に大事にしているのは、表現力の部分。
本校では一般の入試とは別に、レゴを使った入試を中心に思考力入試、また表現力入試というものを実施している。
コロナを通して非常に盛んになったのが、ICTを用いた授業。
本校では入学時に1人1台iPadをご購入いただいて授業を進めているが、中学1年生時に「情報プログラミング」という独自科目を設定しています。生徒がICTのツールを使うときに、役割、目的を必ず持ってツールがスムーズに使えるようにする。また、体験からツールの使い方、また目的の達成の仕方というのを学べる授業をICEモデル形式を用いて展開をしている。
1学期の情報リテラシーを学ぶ単元では、「人に分かりやすく伝えるとはどういうことか、 また、人に伝わるCMってなんだろう」という問いを主軸とした授業をしている。
生徒が実際にCMを見て、何が良かったか、どう伝わったかを分析し、参考にしながら 自分のCMを作るということを段階を経てやっている。
紹介する文章をまずキーボードで入力をすること。それを人に見せる形のスライドに書き換えること。その後、30秒から60秒の動画編集をして、 再度自分の成果物という風にしてもらっている。 動画にする上で、画像や動画として映していいもの、映してはいけないものとして、情報リテラシーのインプットの時間もある。
他にも、プログラミングでドローンを飛ばす時間、3Dプリンター、レーザーカッターを使ったモデリングの授業、ものづくりのきっかけとなるような授業なども中1の情報プログラミングで展開をしている。
中1のこの授業のおかげで、様々なICTを使った成果物というものをスムーズに作成をすることができる形になっている。
また、担任とのコミュニケーションツールとして、生徒手帳と「自学ノート」というものを使っている。
帰りのホームルームで「1人作戦会議」と言って、放課後・帰宅後の自学自習の計画を生徒手帳に書き、その計画に基づいて「自学ノート」で学習する。
翌朝の朝礼で 提出し、担任がコメントを入れて返却する。
担任は毎日、生徒手帳、自学ノート、全員にコメントを入れて、交換日記のようになっている。
毎日生徒全員と面談はできないが、この手帳を通して生徒とのコミュニケーションを取っている。
本校のグローバル教育について。
英語教育については、習熟度別で、おおよそが通常のクラス、アルファベットから学ぶクラスに入るが、英検の取得のレベルによって中学1年生では経験者コースというコースもある。
特に英語科の授業では、自分の言葉で表現しようとすることを評価したいという願いを強く持っている。
本校の英語教育ではアウトプットを中心に展開をしている。中学の頃からアウトプットをしているので、高校になっても恥ずかしがらずにアウトプットをしてくれるんだという風に説明会で保護者の方にも毎度お伝えをしている。
ただ、おそらく受験生、保護者の方、ご心配になるのが「受験どうなの。受験英語ってどうなんですか」ということ。すごく心配されると思う。
先日、高校3年生の授業を見てみたら、中央大学の過去問を題材に偏見という単語をテーマにたくさん喋っていた。
偏見という言葉を出すために、その前に悪い印象のものをたくさん英語で喋ったり、 偏見っていろんな偏見があるけど、どんな偏見があるかな。ということを英語で表現したりしていた。
自信がが大学受験前に 受けていた英語の授業は、過去問を解いて解説をされてというだけだったが、本校の生徒はは本当に使えるようになっているんだなということを非常に実感をした。
また、グローバル教育の一環として、多彩な海外研修プログラムを実施をしている。語学研修はもちろんタイ研修旅行、ネパール研修というものを実施をしている。
生徒が現地でアクションを起こしてくること、語学を学びに行くのではなく、自分が住んでいるエリアではない場所、違う文化の場所で困りごとに対してアプローチをするということを念頭に置いた研修も実施をしている。
また、もう1つの中心になっているものとしては行事です。中学2年から高校2年まで、毎年、 宿泊を伴う学年全員で取り組む行事を実施している。
特に中学では、「Only One」になるような自分の卵を見つけられるきっかけになるような行事、高校の行事では他者や社会に向けて自分が何ができるかということを考える設計の行事を実施している。
2023年度に実施した行事では、「半径10メートルの社会しか見えていない認識を広げ、自分の将来、進路、日本の未来を考えるきっかけにする」という目的のもと、農業体験や林業体験、植林を実施をしたり、田植え体験をさせてもらいながら、 都会では経験ができないこと、また学校にいる時には経験ができない、考えられないとなんかも成長として彼らが受け取ることができるようになっている。
グローバルイノベーションクラスという高校の特色のあるクラスを2021年度より設立した。
現在の中学校1年生から中学校3年生までの生徒たちは、このクラスに入りたくて入学をしている生徒たちも一部いる。
ものづくりを通して世界に貢献ができるように、独自科目を中心として 様々な体験を授業の中で取り入れているクラス。
このクラスのSTEAMという授業の中では、音や光をプログラミングで制御したり、 色の感覚を研ぎ澄ましたりして、1年間の成果物としては「40センチ四方のエリアを自分で自由にデザインしてください」といったものがある。材料費なんかも生徒のの交渉次第。
このような形で、授業の中で手を動かす、頭を動かすという時間を多く取っている。体験を中心としたこのクラスの生徒たちは、様々な進路に進んでいって、1期生はICUやSFCなどに進学している。

女子聖学院中学校・高等学校の紹介

女子聖学院中学校・高等学校について

女子聖学院は、生徒を導くにあたり「キリスト教教育」「Global Arts教育」「Experiential Learning」の3本を考えている。
「キリスト教教育」に関しては、生徒1人1人、世の中の変化に対して自己肯定感を高めることが本当に必要との考え方に立ってキリスト教教育を施す。
それによって、6年後、他者を大切にできる心、これがしっかりと根付いてくる。
教科教育を中心とした「Global Arts教育」で1人1人の6年間の学力をしっかりと育て、それに取り組むことによって、自分の好きと出会い、学ぶ目的を見出す。
そして体験的学び、「Experiential Learning」による今だからこそできる経験の積み重ね。
本校は様々な 体験的な学びの場を用意し、それによって自分の良さを生かし、共に生きる力が身につく。

女子聖学院の教育について

女子聖学院の教育について

女子聖の教育の1つの柱である「Global Arts教育」、これは、生徒の皆さんに主体的に学ぶ力を培ってほしいと思っている。
この教育の効果というのが、自身の好きに出会える、これが何よりだという風に思っている。好きに出会えるからこそ、学び続けることができる。
女子聖のもう1個の教育の柱として、「Experiential Learning」というものが挙げられており、こちらに関しては、体験的な学びということで定義づけている。
やはり女子聖学院の6年間は、6年間だからこそできる学び、体験を通した学びというのがあると考えている。私たちはそこで様々なコンテンツを用意して、生徒の皆さんに、自分の良さを活かして、そしてもう1つ大事なのは、共に生きていく、仲間とともに生きていく、こういった考えを持ってほしいなと思いこういった教育を展開している。

聖学院の教育について

聖学院の教育について

2021年度頃から男子・女子の聖学院合同のプロジェクトを実施している。
パラリンピックが東京で開かれることをきっかけに実施された男女合同の「パラプロジェクト」。そこをきっかけに2021年度から「SDGsプロジェクト」というのを男女合同で実施をすることになり、現在も引き続き実施している。
SDGsプロジェクトと並んで、DX(デジタルトランスフォーメーション)ユニットという形で、男女合同で情報の学びというものを2021年度頃から実施している。
特にSDGsプロジェクトに関しては今年で4年目になる。この取り組みは月に4回から5回ほど、女子生徒が男子の聖学院の教室に来て80人ほどの生徒が同じ目標に向かって、同じ目的に向かって、学校内または学校外で、SDGsに向けて取り組むということを4年間実施している。
このプロジェクトの顧問をやってこの3年になるが、やっていて本当に感じることは、男子には男子の得意不得意があって、女子には女子の得意不得意がある。
それは男女差ではなく、おそらく各校の差だと思う。特に、男子で言うと、彼らの発表はすごく上手。スライド作り、言葉、立ち振る舞いというのがすごく上手です。ちゃんと聞いてる人の顔を見て、また身振り手振りを使って発表してくれるが、男子の弱いところは、質問をされると「うっ」てなってしまう。データの細かいところとか、根拠はどこにあるのということを聞かれると、そこの詰めは少し甘い。
逆に女子生徒は、伝えたいという思いが強くてスマートフォン、iPadに書いてあるメモを丸読みする。ただし、質問をされた時は、ピカイチに質問に対する反射が強い。
それを男女共同で3年間やってきてるのを見ていると、お互いの良さをすごく尊重し合って、教員が「君、ここダメだからもうちょっとできるようになった方がいいよ」と言っても動かない部分が、隣に女子がやってる、あるいは隣で男子ができてるのを見るとすごく刺激になる。
3年間見ていて、3年連続で参加をしてくれてる生徒もいてすごく成長した。そういう各校の 強みを生かした学びというのを共同でやることで、教員が伝えきれない部分が、 彼ら同士、彼女同士の中ですごく成長のきっかけになっているんだなと思っている。
この2024年度から始まったDXのユニットについて、基本的な考え方はSDGsプロジェクトと同じで、共にある良いところを一緒に共同で学び合ってさらに伸ばしていこう、教育シナジーをさらに 高めていこうという形で始まったもの。ICT分野に特化した共同の学びという形でスタートした。
こちらもやはり女子の良さ、男子の良さというのがすごく如実に現れている。また、この生徒たちがデジタルネイティブ世代。説明するとすぐ作ってしまってもう完成。説明終わる頃にはほぼ8割方完成してるといった感じだった。
目的は彼女たち、彼らのリテラシー・技術向上。
世の中に耐える技術を備えていこうという形で、私たちは共同の学び、DX教育ユニットとして 教育を行っている。
勉強と、パソコン・スマホ・iPadとなかなか両立するのは難しいが、ダメダメ、ダメダメという風に指導していくのではなく、「じゃあこれをやったらどうなる」
というような、良きデジタルの使い手となっていただけるようにDXユニット等で生徒たちに教育をしている。
彼女たち、彼らに責任を持って社会に参加してほしい。そんな願いでこちらの活動を行っている。

学校訪問を終えて

学校見学時に授業中の生徒の様子を見ることができました。
聖学院中学校では、1つの授業をZOOMとプロジェクタを使用して他の教室と同時に行っていました。生徒が手元のiPadを使いながら授業を受けている様子からも、ICTツール活用に力を入れていることを感じました。
女子聖学院中学校のすべてのHR教室には大きな窓がついていて、中庭の自然と陽の光を身近に感じながら授業を受けられます。昼休みに自習室を利用している生徒が多かったことも印象的でした。
男女合同のプロジェクト活動などもあり、勉学以外の学びの機会も豊富に感じました。