2020 洗足学園① |学校説明会レポート



洗足学園中学校説明会レポート①(2020年7月2日)


本日はオンラインで行われた洗足学園中学校の学校説明会を、受験ドクターのK.D講師がご紹介いたします。

・グラウンドの人工芝は大変水はけが良く、雨が降った後でもすぐに使うことができます。
・小体育館には床暖房が入るため、冬の百人一首大会などでは生徒に喜ばれています。
・大講堂の天井は音を吸収する構造になっており、講演などの際に声が響かないため、大変聞き取りやすくなっています。
・1教室に1台ピアノが置いてあります。
・全教室にWi-Fiが完備されています。
・カードをタッチする機械があり、登下校時にタッチすることで、保護者にメールがいきますし、教員側も生徒の登下校の時間を確認することができます。
・本年度、ミネルヴァカフェがつくられました。生徒と教員、そして卒業生、保護者の憩いの場になっています。

JR南武線 武蔵溝ノ口駅より徒歩8分
東急田園都市線・大井町線 溝の口駅より徒歩8分
「溝の口」は渋谷や自由が丘へも短時間でアクセスでき、緑と近代都市が調和する魅力的な街です。

2020年7月2日に行われた洗足学園中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は洗足学園中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©洗足学園中学高等学校

・説明会のオープニングに弦楽合奏部による演奏を聴くことができます。今年は弦楽合奏部高校2年有志がリモートで合奏を行ったものが動画配信で視聴できました。
・全編英語(字幕も英語)ですが、ネイティブディレクターによる洗足学園の帰国生教育についての説明も動画配信で視聴できます。
・今年3月に洗足学園を卒業した卒業生4名によるパネルディスカッションを動画配信で視聴できます。
・web校舎見学/案内として中1担任の田中先生が動画と共に校舎の案内をしてくれます。
・2019年の入学式で演奏された「威風堂々」を視聴することもできます。
・特別コンテンツとして、2016年に洗足学園を卒業し、ハーバード大学に進学した生徒からの「多様性」をテーマにしたメッセージを視聴することもできます。

プログラム

校長ご挨拶

洗足学園中学校の宮阪元子校長より、教育に関するお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

教育と理念

・生徒たちは1人1台Chromebookを持って、既に学習にも使っているため、4月から日課票通り進められている。また、googlemeetを使って先生と対話したり、googleformsを使ってその日の出来事を記録しています。
・校舎の床は木造でできているので、とても暖かく、柔らかい感じがします。
・色々なところに芸術作品が貼ってあるし、大変興味深いプログラムの案内が貼ってあります。
・洗足学園は何にでも挑戦できる場所であり、安心して失敗できる場所であり、そして可能性がいっぱい詰まった場所です。
・目標や将来の夢は途中で変わっても問題ありません。今この瞬間自分がどんなことをしたいかという夢を持つことはとてもいいことです。なぜならそれこそが挑戦の原動力になるからです。
・洗足学園の歴史を一言で表すなら「女性の自立に向けた挑戦」と言えます。
・本校はキリスト教の学校ではないが、教育の理念にはキリスト教の「奉仕の精神」が流れています。
・教育の理念はどんなに時間がたっても変わらないが、教育の中身、システム、方法は社会の流れに合わせてスピード感をもって躊躇なく変えていかなければなりませんし、洗足学園はそうしてきました。

教育方針

蕪木慎也教頭より、洗足学園中学校の教育方針についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

洗足学園の教育方針

・現在や近い将来は、Society5.0やVUCAの時代と呼ばれており、「どんな時も役立つ汎用的な能力・態度・志向」が必要とされる力であり、新学習指導要領で言う、「主体的・対話的で深い学び」がこれにあたります。
・洗足学園では、教科教育で指導していく「リテラシー面」と、総合学習や自治活動で力をつける「コンピテンシー的」なものの両輪で指導していきます。「リテラシー面」では問題解決のPDCAサイクルを回せるような指導、「コンピテンシー的な面」では、社会に出て必要となる力をつける指導を行っています。
・このような教育をするには十分な時間が必要で、「週6日授業」「1コマ65分」の授業をしています。具体的な特徴を挙げると、教科学習では基礎基本はもちろんですが、1つの教科にとどまらず、関連のある教科と教科横断的な学習をすることによって時間を有意義に使ったり、理解を深めたり、物事を様々な視点で捉える力を身につけさせます。総合学習では中学3年生と、高校2年生で執筆する研究論文や道徳の時間を含めた哲学対話、高3を除く各学年で年1回ある宿泊研修などを中心にシラバスが組まれています。
・土曜日の放課後には希望者が受講する「教養講座」が開かれています。
・洗足学園が力を入れている一つに「他流試合」と称した学外活動があります。毎年、200種類以上あり、延べ500人以上が参加しています。また、総合学習の一環として中学2年生全員がボランティア活動、高校1年生全員がインターンシップを経験します。
・2024年に大学入試改革があるが、洗足学園ではそれに対応する準備は万端です。
・課外授業(希望制)では、中学1年~中学3年まではOG補習というものがあり、本校を卒業したOGが来てくれ、補習をしてくれます。年が近いということもあり、大変人気の補習です。中学3年~高校3年までは季節講習が開催されます。中学1年生~高校3年生までネイティブ講座が設定されています。

入試について

玉木大輔校務主任より
入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

クラス編成と入試概要

・これからお話しする内容は7月時点での予定であり、新型コロナウイルスの感染拡大の状況によっては変更の可能性もあります。
・洗足学園は1クラス42~43名の6クラス編成です。
・洗足学園の入試には内部入試(12月にあり、10名程度が入学)、帰国生入試(1月にあり、35~40名程度が入学)、一般入試(定員は第1回が80名、第2回が100名、第3回が40名)があります。
・内部生は6クラスにほぼ均等(1クラスあたり1人または2名)に振り分けられ、帰国生は6クラス中2クラス(1クラスあたり18~20名)に振り分けられます。帰国生が振り分けられる2クラスは一般生が20~23名となります。帰国生は英語の授業のみ取り出して、北米の現地校と同等レベルの授業を展開します。
・一般入試は2/1(第1回)と2/2と(第2回)2/5(第3回)にあり、第1回と2回は2科・4科選択方式の入試です。第1回、2回の入試は、2科受験、4科受験の両方において、募集定員の80%を算数と国語の2教科の合計点で判定します。残りの20%は4科受験をした受験者から4科目の合計点で判定します。第3回の入試は4科判定のみです。
・正規合格者については複数回受験の有利不利はありませんが、繰り上げ合格の判定の際に「良いとこどり」という制度をとっています。「良いとこどり」とは、複数回受験した中で、国語と算数の2教科において、一番良かった点数を繰り上げ合格の際の判定に使うというものです。繰り上げ合格の判定は国語と算数の2教科の合計点で判定します。
・昨年(2020年)に関しては、繰り上げ合格者の70%が3回受験者で、残りの30%が2回受験者です。1回受験での繰り上げ合格者はいませんでした。

入試問題について<国語>

・説明的文章と物語的文章を1題ずつ出題。
・設問内容:記述問題、記号問題、抜き出し問題、語句問題など。
・漢字・語句に関しては得点の基礎点となるものですので是非正解してください。正答率は80~90%になっています。
・記述問題は部分点があります。複数ある採点項目について加点法で部分点をつけています。また、記述問題の一部の問題で、字数制限をなくしています。指定字数オーバーといったケアレスミスによる減点が減り、記述内容により得点できる可能性が広がります。

入試問題について<算数>

・大問1で、計算問題を2題出題しています。得点は各5点で、合計10点です。合否は数点の差で決まることもありますので、是非正解していただきたいと思います。
・途中式の記入欄がある問題は、まず、解答のみを見て、解答が正解であれば、途中式を見ずに満点をつけます。解答が不正解の場合のみ途中式を見て、加点できる内容に部分点をつけていく加点方式で採点します。途中式で減点されることはないので、どんなことでも解答欄に記入していってください。この記述式の問題は5年前より、3題から4題に増やし、全体の設問数を少なくしています。

入試問題について<社会・理科>

・どちらも薄く広く出題するので、偏った勉強ではなく、薄く広く勉強してください。
・理科・社会は同時に配られ60分で実施。時間配分は受験者の自由です。
・社会は各設問とも2~4点で、2行程度の記述問題(部分点あり)を数問出題します。
・理科も1~2行程度の記述問題を出題します。

帰国生入試について

・来年の入試日程は2021年1月9日で、A方式、B方式の2つの入試方式から選択できます。募集人数はA方式、B方式合わせて20名です。出願資格は設けていないので、どなたでも出願できます。
・合否は当日の試験の点数のみで判定します。また、10分程度、保護者面接をしますが、合否判定に一切影響しません。
・A方式:英語の筆記(60分で100点満点)と英語面接(15分で100点満点)の200点満点。
・B方式:英語、国語、算数の筆記(各50分で各100点満点)と英語面接(10~15分で100点満点)の400点満点。
・A方式の英語の難易度は北米の小学校6年生レベルで、文法70%、文章題30%の出題です。B方式の英語の難易度はA方式より若干易しい難易度になります。グレード5と6の中間くらいです。
・英語の筆記試験は記号選択方式での出題で、A方式は4択問題が100問、B方式は3択問題が85問出題されます。
・B方式の国語と算数の問題は一般入試の問題の70%の難易度くらいの問題です。具体的には、国語は、素材文を読みやすいものにしたり、記述問題では全体を読まなくても前後をある程度読めば答えが出せるようにしています。算数は、一般入試に比べて一行題の比率が高く、発展問題の比率が低くなっています。
・筆記テストに関しては、足切り点はありませんが、英語面接に関しては、入学後の英語の授業がすべてネイティブによるオールイングリッシュ授業になるため、20点未満は不合格となります。
・帰国生英語面接対策として、webでの模擬面接や英語面接対策講座を動画配信する予定です。詳細は8月中にHPにてお知らせします。

その他

・模擬面接は6年生のみに実施します。5年生以下の模擬面接は実施しません。今年はweb上で実施しますが、ネイティブの先生1人と受験生1人で体験してもらいます。本番はここに日本人の英語の先生が加わります。また、模擬面接は5分を予定しています。その後、今後に向けてのアドバイスを5分程度します。
・本番さながらの状況を体験してもらうためにも模擬面接は受験生本人のみで参加してください。その後のアドバイスは保護者の方もご同席ください。

学校訪問を終えて

生徒全員がChromebookを持っており、コロナ禍でもオンラインで通常授業を行えており、さらに、googleformsを使ってその日の出来事を記録するなど、IT企業顔負けの最先端さに驚かされましたし、Society5.0やVUCAの時代に対応していくための総合学習型のカリキュラムにも大変魅力を感じました。また、「奉仕の精神」という教育理念は変わらないが、教育の中身、システム、方法は社会の流れに合わせてスピード感をもって躊躇なく変えていくというお話や、2024にある大学入試改革に対応する準備は万端であるというお話、卒業生のパネルディスカッションやメッセージからも「自立し、自ら挑戦をしていく」女性を応援していく環境の整った学校だと感じました。