頌栄女子学院中学校 学校説明会レポート(2023年06月15日)

頌栄女子学院中学校の学校説明会に、受験Dr. 白金高輪校校長の太田 陽光が行ってきました。
「男女は同権であっても同質ではない」という考えのもと、「女子にふさわしい教育」を目指す伝統ある女子校です。
都営地下鉄浅草線「高輪台」駅より 徒歩1分
JR・東急池上線「五反田」駅より 徒歩10分
東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金台」駅より 徒歩10分
JR・京浜急行線「品川」駅より 徒歩12分
2023年06月15日に行われた頌栄女子学院中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は頌栄女子学院中学校ではなく、受験Dr.までお願いします。
頌栄の歴史と教育方針
岡見 清明校長より、頌栄の歴史と教育方針についてお話がありました。
1884年12月8日に開校した頌栄学校が前身。今年で創立139周年になります。
日本人によって開校されたクリスチャンスクールです。
「頌栄」という校名は「神の栄光をほめたたえる」という意味で、「賛美と奉仕」が学院標語です。
頌栄は女子のための学校です。男女は同権であっても同質ではないので、受ける教育に違いがなければなりません。女子にふさわしい教養を身につけさせるのは、女子だけの教育が理想と考えます。共学にする考えはありません。
ここで言う「教養」とは、①生徒たちに満足のいく進路を与えること(基礎学力+自分で考える自発性)②女子としての品性・情操のことです。
毎日礼拝を行います。日曜日には教会に行くことを奨めています。入学の条件はキリスト教の理解です(ご家庭の宗教を尊重します)。週一回聖書の時間があります。
月~金に授業があり、土日は休みだが、土曜日は学校を開けています。多くの生徒が登校し活動しています。
音楽は6年間必修にしています。情操教育のためです。
校外学習を頻繁に行います。長野県に二つ宿舎があります(林間学校を初めて行った(1889年軽井沢)のは頌栄です。またタータンチェックの制服も頌栄が初です。)。
繰り上げ合格は一切出しません(入学後に繰上げ合格だったという気持ちを生徒に持たせないため)。
学院生活・生徒の様子
生徒指導部部長の塚田 智矢子先生より、学院生活・生徒の様子についてお話がありました。
☆制服 冬服・夏服・盛夏服(希望者のみ)の3種類あります。
☆校外学習の充実 中1オリエンテーションキャンプ(頌栄山荘《南志賀高原》と頌栄軽井沢学荘)中2修学旅行(高山や会津で自然に親しみ日本文化を学ぶ)中3修学旅行(西中国地方で平和と日本の歴史・文化を学ぶ)高1天城キャンプ(伊豆天城山荘で仲間と共に語り、考える)高2修学旅行(北海道で日本の風土や歴史への理解を深める 宮城・岩手のときもあった)
※希望者参加の校外学習 中2軽井沢英会話研修 中3カナダ語学研修 高校生イギリス語学研修 高3フェアウエルキャンプ(卒業式後の春休み)スキーキャンプ(冬と春に頌栄山荘と頌栄軽井沢学荘)ワークキャンプ(頌栄山荘に泊まり奉仕活動を行う)歴史研修旅行(12月下旬に京都・奈良)グローバルスタディプログラム(本校で夏に外国人との交流を行う)
☆学校行事 花の日礼拝(6月第二水曜日) 合唱コンクール(6月中旬の土曜日)ふれあい講習会(9月初め 本校に社会福祉協会、障害者協会等の代表を招き、中学1年生が話を聞く)コラーナーズデイ(研究発表会 1975年から行っている。生徒と教員が共に学び研究したことを発表する日。)
☆部活 95%以上の生徒が入部しています。ほとんどのクラブが中高合同です。特別クラブ2つ(聖歌隊・ハンドベルクワイア)文科系クラブ20(模擬国連部が校外的に活躍。理科研究部は部員90名)体育系クラブ13(弓道部は部員100名弱)。
☆昼食 食堂の利用は高校生からです。ただし軽食は販売します(朝申込制で350円と450円)。
☆その他 学内に緑が多いので、落ち着いた雰囲気で学習に臨めます。
生徒からの質問が多いです。生徒は神からのおあずかりものという考えを持って接しています。
教育課程・進路指導
小川 和夫教頭より、教育課程や進路指導についてお話がありました。
☆進学(合格実績ではなく入学実績を見てほしい)
国公立・早慶上智→卒業生の62.1%(過去最高)普段はだいたい50%後半。
四年制大学での理系進学率は24.1%
推薦入試やAO入試よりも、一般入試を重視した指導をしています。理由は大学に入るのがゴールではなく、自分で考える力を身につけることが大切だからです。頌栄ではライフデザイン教育として指導しています。
☆カリキュラムの特徴 ※先取りより基礎を重視(小テストや補習を頻繁に行う)
英語 ※頌栄生は他科目に比べ英語への関心が高い
週4回+総合的な学習で週2回の計週6回授業を行います。
クラスを二つに分けて、少人数で授業を行います。
クラス編成は学年5クラスのうち2~3クラスは帰国生との混合クラスです。帰国生と一般生の比率は4:6です。英語の授業は別々だが、ホームルームなどでは英語で話しています。毎年クラス替えを行い、6年のうちに必ず一回は混合クラスになるようにしています。
☆高校のカリキュラム 高2で文科と理科に分かれ、文科は日本史か世界史を選択、理科は物理か生物を選択することになります。
月水金は必修授業が午前のみなので、例えば国公立受験者は自分の科以外の科目を午後に学べます。
☆ICT
一人一台のタブレット。ロイロノートを使用。コロナなどでの出席停止者にはチームズで配信。但し対面重視。
入学後に塾に行く必要はあるかという質問が多いが、必須ではありません。まずは学校で学んでほしいと考えています。
学びたい意欲には、頌栄生のカラーである「明るく元気で積極的」が重要です。部活や学校行事で活躍し、忙しく活動している生徒は成績もよいです。忙しい中にいることで時間の使い方が上手になったのだと思います。
入学試験について
広報部長の湯原 和則先生より、入学試験についてのお話がありました。
第1回2/1 100名 第2回2/5 100名 午後の面接を2023年度から再開しました。
帰国生入試 12/9と2/1 12月入試では英語だけでなく、3科目(英国算)入試を導入しました。また、在籍国・在籍校による制限をなくし、海外在留期間を1年以上としました。
第1回 出願者はここ5年は308~276名 欠席者が多かったです。
第2回 2023年度の出願者は437名と前年の570名より減りました。実際の受験者は出願者の約8割です。
合格者平均点と受験者平均点では、算数の差が大きくなります。算数の最大点差は2021年第2回の19.1点差でした。
各教科からのアドバイス
国語 傾向①長文を1題か2題出題。2題の場合はタイプの異なる文章を出題。②漢字の書き取り問題は基礎的な語が中心。③ことわざや慣用句も出題
作問者からのメッセージ「記述問題や作文問題は出題意図を正確に捉えることが大切です。解答用紙に答えを書き始める前に『何を聞かれているか』を今一度、確認する習慣を身につけてください。」
算数 傾向①素早く正確な計算力②図形をイメージして考える力③解答を導くために必要な材料を問題文から読み取る力➃考え方の過程が分かるような説明や式を丁寧に書く力
作問者からのメッセージ「小問は計算問題から図形問題まで基本的な問題を出題しています。『求め方』を記述する問題を解く際には、計算式ばかりでなく、言葉も添えて『何を求めているか』を説明することも大事です。」
理科 傾向①4分野から出題②知識のみを問うのではなく、理科的なものの見方や考え方を問う問題(表やグラフの読み取り)を出題③新聞やテレビで報じられる科学的なニュースにも関心を持つことが大事
作問者からのメッセージ「一見難しそうな問題でも、ヒントや解答が問題文や図・表にあることもあります。あせらず、あきらめずに注意深く図や表を読み取ることが大事です。」
社会 傾向①地理・歴史・公民の融合問題を出題②日頃より新聞・ニュースなどの時事問題への関心を持つこと③社会科の基本的な用語については、必ず正しい漢字を使って書くこと
作問者からのメッセージ「出題意図を正確に捉えて解答すること。問題文(リード文)中に解答の手がかりがあります。設問だけではなくリード文をよく読みこむことが大事です。」
面接 保護者同伴は一名のみ(コロナ対応のため)です。
目的 入学後の長いお付き合いに備え、より良き信頼関係を結ぶ端緒、つまり「最初の保護者会」と考えています。素のままでよいです。評価は参考程度です。
面接は受験番号の早い順に行います。
受験番号は受験料決済が終了した時点で付番されます。
(参考)2023年第1回入学試験の面接終了時間 受験番号1~100→13:25頃 101~200→14:15ころ 最終終了時刻15:00前
出願 WEB出願です。 その際に小6の4月~12月の出欠状況を入力していただきます。
合格発表 第1回当日遅くとも22:00までに 第2回翌日2/6の9:00の予定です。
学校訪問を終えて
確かな伝統に則った教育を行う学校だと感じました。最近女子校の共学化の傾向がありますが、女子校での教育に自信と確信を持っていることが伝わってきました。安心して我が娘を任せられると多くの親御様が思ったことでしょう。
生徒への接し方に関して、押し付けるのではなく、生徒が納得する形で話し合いを重ねていくとのことでした。コロナ後、画面越しでのコミュニケーションが多くなっている中、対面重視の考えも古くからの良き伝統として受け継いでいるいるのだと思います。
校内に緑がとても多いことに非常に驚き、感動しました。最寄り駅から歩いて30秒で学校に入れる立地にもかかわらず、こんなにも木々が生い茂っているのは、生徒が過ごす環境としては最高だと思います。落ち着いて学習できることでしょう。