2019 東京都市大学等々力中学①|学校説明会レポート



東京都市大学等々力中学校学校説明会レポート①(2019年9月20日)


本日は東京都市大学等々力中学校学校へ、受験ドクター算数、国語、理科、社会講師の久米 光太郎先生が行ってきました。
各教室の黒板に、黒板の半分くらいの大きさのプロジェクターが用意されていて、それと先生のタブレットをつないで映像を映し出して授業を行っていた。生徒もそれぞれタブレットを机の上に出して、それを使って授業を受けていた。希望者への個別指導(有料)を行うための教室あり。校庭はなく中庭では狭いので、サッカー部や野球部は二子玉川のグラウンドまでバスで移動している。

今年度2回目の塾対象の説明会であったこともあってか、施設やカリキュラム・進学実績などのPRは特になし。理科の授業が入学後2年間は実験授業であるということを理科の先生が再三話されていた。

等々力駅まで 東急大井町線「等々力駅」下車徒歩10分
渋谷から約20分
川崎から約30分
町田から約40分
大井町から約20分
東京から約35分
横浜から約30分
あざみ野から約15分
※乗り換え時間含まず

●路線バス
・黒02系統 (目黒駅-二子玉川) 都市大等々力キャンパス前 下車
・渋82系統 (渋谷-等々力) 玉川警察署前 下車
・等11系統 (等々力-祖師谷折返所) 玉川警察署前 下車
・等12系統 (等々力-成城学園前) 玉川警察署前 下車
・東98系統 (東京駅-等々力操車場) 都市大等々力キャンパス東 下車

2019年9月20日に行われた東京都市大学等々力中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は東京都市大学等々力中学校ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©東京都市大学等々力中学校

プログラム

校長ご挨拶

原田豊校長より、東京都市大学等々力中学校の教育に関するお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

教育について

2020年の大学入試改革が目の前に迫ってきたが、英語の外部試験の導入をめぐる混乱などが続いている状態である。外部試験を点数に換算する科学的な根拠が無い。TOEICも脱退した。少なくとも2年前から受験生に周知してほしいと思っていたが、7カ月前になっても決まっていない状態。記述問題を出して思考力をつけると言っていたが、30字とか60字とかの問題が国語でちょっと出るだけ。活動歴を大学の一般入試でも判断材料にすると言っていたがどういう形で採用されるのか分からない。受験生を混乱に導いている。日本で30年間デフレが続いている原因を全部教育のせいにしている。不況になっているのは政治の責任。日本の教育は胸を張るべき。英語が喋れないのだけが問題。私は国の方向に即してICTとアクティブラーニングに取り組んできたが、時流に飛びつくことはやめようと思っていた。道徳教育に対しては教師と生徒との関係、学校行事との関連性が大事。そういう関係がある中で初めて有効な道徳教育ができる。変転してやまない議論に対して動かぬ不変の立場を取り、要求に応えつつ大切なものを見据えていくことが必要である。

入試について<国語>

国語科の荒川 智恵子先生より国語の入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

国語について

S特も特選も大問構成は同じ。①漢字②小説③説明文④S特は図表、特選は短文読解
まずはS特の入試についての説明。漢字は漢検5級まで。読みが5問10点、書きが5問10点で配点20点。とめやはねをしっかり書くことが大事。難読漢字に注意。
小説は配点30点。副詞・擬態語・擬音語などの補いも頻出。多くは記号問題で出る。抜き出し問題や文中の語句を使って書く問題が多い。S特は文章の難易度が上がり、語彙力が必要となる。記述の文字数も多い。
説明文は配点35点。接続詞は頻出。高度な論理力が必要になる。抽象的な話題が出てくる。新書レベルを読むこと、分からない言葉があったら辞書を引くことが大切。記述は部分点があるので、空欄のまま出さないようにしてほしい。
大問の4はS特では図表が出題される。配点は15点。図表や資料を言語化する」力を見る。図表や資料の字数は少なくない。資料を読み取り分析して発想して言語化することが問われる
次に特選の入試についての説明。特選も漢字読み10点、書き10点。特選は文章の難易度と記述の難易度が下がっている。誤字脱字をしないことが大事。特選の4問目は天声人語などの新聞のコラム。新聞のコラムは字数が少ないので、行間に込められた筆者の意図を汲み取ることが大事。記号や抜き出し、20字程度の記述が出ることもある。
帰国生入試の大問構成は特選と同じだが、全体的に取り組みやすい。

入試について<算数>

数学科の清水 遼先生より算数の入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試について

算数1科入試は1日の午後四科と一緒には受けられないことの説明。
通常入試の出題形式は計算→一行問題→アラカルト問題という構成になっている。
計算の⑵は「工夫をする問題」、ややこしいものなので、工夫をして解かないと複雑な処理が必要になる。
一行問題で問題用紙に図形を載せずにやると、できない子が多い。今年度も図形は多く出題する。
大問になってくると難しい問題が出る。正答率が10%以下の問題ではなく、10~40%の問題でいかに拾えるかが大事。40%以上の問題は絶対できてほしい。場合の数は難問が多い。頑張って数えていくのではなくて先を推測するのが大事。空間図形や図形の移動は捉えきれない子が多かった。初見の図は手を動かして推測してほしい。
一行問題で「正しいと言えないものを全て選ぶ」という聞き方をしたら正答率が下がった。アラカルト問題の数当てゲーム問題、あきらめずに頑張ったら⑶はできた人が多かった。

算数1教科入試 18年度は記述問題がほとんどで難しかったので、19年度では記述の割合を3割くらいまで下げた。大問5の⑵⑶は正解率0%と表示しているが、全部できた人が0ということ。部分点を取れた人もいる。
大問1では図をあえて載せない不親切な問題にしている。図を自分で描くことが大切。1教科入試だけど全てが難しいわけではない。読めば取れる問題も多い。
大問4は㈠を⑵や⑶に使えるかが大事。
大問5は空間を平面に落とし込むことが大事。図を書かずに式だけで行って失敗する人が多い。図を書けばできたという答案多かった。
大問6は会話文に沿って解答を推測する問題。
対策は以下の4つ。
①何とか算のような基礎は固める。
②読解問題では、条件を洗い出す・問題文をしっかり読むことが大事。
③初見問題ではまず手を動かして本質を探ること。
④記述問題対策としては、式だけでなく言葉にするトレーニングをすることが大事。

入試について<理科>

理科の清水 遼先生より理科の入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試について

物理・化学・生物・地学の四分野から満遍なく出る。リード文に答えまたは答えのヒントが隠されていることが多い。入学後最初の2年間、理科では実験授業が中心になる。そことリンクして入試を出題しているので、実験結果からの考察問題や身近な理科とその法則の出題が多い。知らないと解けない問題より、考えて解ける問題が多い。問題文を正確に読み取る力が必要。規則性などに気づく能力も必要。最低限の基本的な知識は必須。苦手分野を作ることなく各分野の対策をしてほしい。判定したい力は資料を関連させながら答えやそのヒントを発見する力。実験授業を見据えている。ひらがな多すぎて一般的に漢字で書いて欲しいところもひらがなでは減点。小数点もきちんと書くこと。

入試について<社会>

社会科の岩城 裕亮先生より社会の入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試について

平均点6割を狙って作問している。S特の方を難しくしている。S特は融合問題を25点×2題。特選は地理17点、歴史17点、公民16点。記号や短答問題は1点か2点。記述問題は3〜4問出題され、おおむね4点程度の配点。入試では理科と社会の問題が同時に出題されるので、どちらから解くか自分なりに取捨選択してほしい。 記述では何字以上書いてほしいという制限字数があり、解答用紙に二重線があるので、それを超えていない場合は0点となる。指定語句も必ず使ってほしい。論述は必ず出題する。漢字が書けないのは問題。

AL入試について

AL入試検討委員の岩城 裕亮先生よりAL入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試について

アクティブラーニング型入試、以前は通常入試を申し込めば追加料金なしで受けることができたが、昨年度は別々の申し込みにした。協調性とリーダーシップがある子に来て欲しい。人の意見を聞きながらチームをうまく導いてほしい。3つのグループに分けてそれぞれ別の資料を渡す。通常の小学生が前提知識を持たない3つの資料をそれぞれ読みといて、集まって議論する。個人ワークとグループワークのそれぞれで採点を行う。説明会という名前の体験会が12/22にある。受験生が流れを把握できるので、一回やっておくのはかなりのアドバンテージになる。

入試について<英語>

英語科の池田 伸先生より英語の入試についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

入試について

帰国生入試は英検2級から準1級レベルの出題。大問は4つ。1語順整序、2文挿入(語句挿入)、3長文問題、4自由英作文。語数オーバーしたら採点しない。知ってることを並べるだけでは点数にならない。
英語1教科入試は英検2級から準1級レベルの出題。大問は4つ。1空所補充(単語)、2語順整序、3会話文問題、4長文問題、5自由英作文。平均点50〜60くらい。出題傾向は例年通り。

学校訪問を終えて

各学年の廊下に各科目の成績優秀者が実名入りで張り出されているところは昔ながらの進学校のよう。生徒や先生がタブレットを使って授業をしているところは新進気鋭の学校のよう。以前は東横学園という女子校だったが、共学化して10年目で以前の女子校の面影はほとんどなくなった。