2021 豊島岡女子学園|学校説明会レポート



豊島岡女子学園学校説明会レポート(2021年9月19日)


本日はオンラインで行われた豊島岡女子学園の学校説明会を、受験ドクター 算数・理科講師の橋本 樹がご紹介いたします。
池袋、東池袋駅から徒歩数分というアクセスの良さ。
始業時刻は8時10分と早めではあるが、混雑を避けるための工夫。
多彩な方面に興味を持ち、自己実現のために必要な学習を後押しする。
多種多様な個性を尊重し合う校風。
SSHに指定される、科学英語の授業を取り入れるなど、理系教育にも力を入れている。
オンライン英会話やディベートなどの授業を通じて、国際社会で自ら発信していく力を育てる。

JR・東京メトロ・西武線・東上線・都バス・私バス「池袋駅」 徒歩7分
東京メトロ有楽町線「東池袋駅」 徒歩2分

2021年9月19日に行われた豊島岡女子学園の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は豊島岡女子学園ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©豊島岡女子学園

プログラム

校長ご挨拶

竹鼻志乃校長より、豊島岡女子学園の教育に関するお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

豊島岡教育の概要

明治25年女子裁縫学校として設立。来年で130周年を迎える。
建物の間口は狭いが、中の設備は充実している。
校庭はテニスコート2面分、体育館は3つ、エアロビクススタジオやトレーニングルームなどの体育施設が豊富。埼玉県入間市のグラウンドで毎年運動会を開催している。
始業時刻は通勤ラッシュ前の8時10分、下校は繁華街が賑わう前の時間帯に設定している。
教育方針は「道義実践」、「勤勉努力」、「一能専心」の3つ。
正しい判断をすること、努力を絶やさないこと、個人特有の能力を磨くことを大切にしている。
一能を発揮するという考えから、クラブ活動は全員参加。さまざまなイベントを生徒が企画・運営する。
朝5分間の運針を70年以上続けている。目的は無心になること、基礎の大切さを知ること、努力の大切さを学ぶこと、特技を持つこと。裁縫の技術を求めているわけではない。
自粛期間中は授業は動画配信形式。運針の動画配信も行った。
来年度から高校募集を廃止し、完全中高一貫校となる。
3年前から「志力を持って未来を創る女性」をスローガンに、「科学的思考で問題解決できる力」、「挑戦する力」、「世界で活躍できる力」の3つを養う取り組みをしている。2018年にSSHに指定された。
豊島岡には自分の好きなことに打ち込んでいる生徒が多い。多種多様な仲間を否定せず受け止め、応援できる風潮が魅力である。

キャリア教育・進学指導

中1学年主任の先生からキャリア教育・進学指導のお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

学習指導について

中学1年のあいだは、様々な分野に興味を広げることを目標としている。
1学期にはパソコンの使い方、2学期には「輝く先輩に学ぶ」座談会、3学期には「食を通した国際理解」などイベントを通して、情報のインプットだけでなく、徐々に自分の考えをアウトプットできるようにしていく。
中1、中2で国際社会の理解を深め、中3ではSDGsの取り組みについて、自分たちにできることを話し合っていく。
これらの取り組みは「成長の記録」という紙に書き残し、長期休暇中にポートフォリオとしてまとめ、今までの自分の学びを振り返れるようにしている。
任意参加になるが、生徒の様々な可能性を開かせるために科学コンテストや社会科シンポジウムなど、探求型の授業・講演を多数用意している。
高校2年生までに高校学習を完了し、3年生ではより実践的な学習を進める。希望者は高2の3学期から、放課後に実力養成講座、中3~高3で夏期講習・冬期講習を受講できる。同じ担当が質問対応してくれるので、予備校よりも学校を頼る生徒が多い。

探求的学習について

探求的学習についてお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

教育方針

「志力を持って未来を創る女性」の育成を目指し、「科学的思考で課題解決する力」、「挑戦する力」、「世界で活躍できる力」の学習に関わる探求的学習をすすめている。
・中学生の探求授業は学校行事として行われている
中1・中2対象のT・STEAM:Jr授業で、試行錯誤しながらものづくりを学ぶ。
中3ではSDGsの掲げる17のゴールの中から1つを選び、自分たちにできることを構想、ディスカッションする。
・高校生の探求学習は授業内で展開
生徒たちが自ら設定したテーマに関して、PDCAサイクルを回しながら何度も探求していく。高1はグループ探求、高2は個人探求を行い、1月にその年の成果を発表する。
・希望者のみの行事
全員対象のT・STEAM:Jrよりも発展的ないようであるT・STEAM:Pro。
自身の探求を発表するAcademic Dayが催されている。今年は400名以上が参加。高校生は授業内で探究活動があるため、参加者のほとんどが中学生。

グローバル教育

グローバル教育委員会主任の兼沢先生から語学教育についてのお話がありました。
そのなかから一部を抜粋して紹介します。

英語教育

自己実現のための英語コミュニケーション能力の養成のため、圧倒的な基礎力をつける必要があると考えている。
中学では情報のインプット、こまめな小テストで地道に基礎力をつけていく。英語弁論大会も実施。中1は課題文暗唱、中2・中3は自作のスピーチを発表する。ネイティブ教員との少人数クラスでの学習、学期ごとのスピーキングテストを通して、英語を積極的に使えるようになっていく。中3ではオンライン英会話の授業があり、英語を使うことの喜びを体感できる。同時にまとまった英文を書く力をつけるため、昨年からオンライン添削プログラムを取り入れている。
高校からはディベートの授業が始まり、年度末にディベートコンテストが行われる。外部の大会でも全国3位の実績がある。高3ではSTEAM教育をテーマとした教材を扱う授業があり、技術英語を学んでいく。
学んだ英語を使う経験の場として、模擬国連、エンパワーメントプログラム(海外有名大学の学生とのグループディスカッション)、異文化体験研修・海外研修、3か月留学、米国ボストン研修などの他、各種イベントを用意している。
グローバル教育の目指すところは、語学力の育成と、語学力以外のコミュニケーション能力の育成。
それだけでなく、生徒自身が持つ情熱を表現し、自己実現のための手助けとなることが重要と考えている。

学校訪問を終えて

オンラインでの動画配信という形式でしたが、ディベートコンテストや探求授業の様子など、生徒が生き生きと活動する様子が伺えました。
言わずと知れた女子の伝統校ではありますが、伝統や礼法などを重んじつつも、STAEM教育やグローバル教育を通して、未来を生き抜く力をつけさせようという強い意思を感じました。
来年から高校募集が停止されるということもあり、中学入試における人気もまだまだ上がる余地があります。
今後も最注目の学校のひとつであることは間違いなさそうです。