早稲田実業学校中等部説明会レポート②(2021年12月6日)
本日はオンラインで行われた早稲田実業学校中等部の学校説明会を、受験ドクター算数・国語・理科講師の高田 いさむがご紹介いたします。
2001年に、創立100周年記念事業の一環として、早稲田から現在の国分寺へ移転。
54,000㎡ほどの敷地に、1号館から6号館までの校舎とグラウンドを備えています。
1号館の1階には、卒業生である小室哲哉氏の名を冠した、437名収容の小室哲哉記念ホールがあります。
講演会、保護者会、演奏会、各種説明会などに利用されます。
2号館の1階には、350席の食堂・ラウンジがあります。
2層吹き抜け構造で、グラウンドに面した大ガラス窓から外光が取り入れられており、明るく開放的な雰囲気です。
さらに、体育館2室とトレーニングルーム、柔道場、剣道場、調理実習室などを備えています。
3号館の1・2階には、蔵書数7万冊で147席を有した図書館があります。
パソコンやタブレットが完備されたPC教室やCALL教室、また物理・化学・生物などの各種実験室があります。
4号館には、屋内練習場、弓道場、ゴルフ練習場などのスポーツ施設が入っています。
5号館には、普通教室のほかに技術室、家庭科室、図書室、音楽室などの各種教室があります。
6号館はスポーツ施設で、床暖房の入った体育館、水深調節が可能な25m×6コースのプール、グラウンドなどがあります。
グラウンドは、人工芝やゴムチップで舗装され、陸上の他に、サッカー、野球、ラグビー、アメフトなどで利用できます。
テニス用3面、ハンドボール用1面の人工芝コートもあります。
卒業生の王貞治氏の名を冠した王貞治記念グラウンドは、2016年に人工芝にリニューアルされました。
本格的なブルペンや屋内練習場を備えています。
長野県の駒ケ根市には、広大なグランドと宿泊施設を備えた駒ケ根校舎があります。
春に実施される新入生のオリエンテーションや、部活動の合宿に利用されます。
ほぼ100%の生徒が早稲田大学へ推薦で内部進学できます。
高3生の定員以上の推薦枠がありますので、きちんとした成績を収めていれば必ず早稲田大学に進学できます。
また、2021年から日本医科大学と協定を結び、2名の推薦枠が与えられました。
総合大学と言われる早稲田大学には医学部はありませんが、これによって医学部への学びの道も開かれました。
早稲田実業学校中等部は120年近い歴史を持ち、政界、財界、法曹界、球界、芸能界など、様々な分野の人材を輩出してきました。
野球選手の王貞治さんや、音楽家の小室哲哉さんなどは早稲田実業学校中等部の卒業生です。
各界に散らばった優秀なOB・OGが、学部紹介や模擬講義、特別授業などを行ってくれます。
こういった社会の第一線で活躍する人材が早稲田実業学校の大きな資産です。
早稲田大学とのつながりから、早稲田大学の施設を利用してOB・OGの指導が受けられるのも大きな魅力です。
今後は、未来を見据えて、様々な教育改革を考えています。
クラス数やクラス定員の削減もその一環で、中等部は1クラスの定員を36名としていきます。
また、高等部は9クラスを8クラスに変更し、1クラスの定員も45名から40名に削減します。
よりきめ細かい指導のために、様々なことを変更していきます。
早稲田実業は、様々な人が行きかう交差点のような場です。
生徒、教職員、保護者、OB、OG、後輩など、多くの人たちが学び、人として成長できる環境を提供します。
交通:JR国分寺駅・西武線国分寺駅 北口より徒歩7分
2021年12月6日に行われた早稲田実業学校中等部の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は早稲田実業学校中等部ではなく、受験ドクターまでお願いします。
©早稲田実業学校中等部
学校長のご挨拶
村上 公一校長よりご挨拶がありました。
その中から一部を紹介いたします。
ご挨拶
早稲田実業学校中等部は、1901年に大隈重信によって設立されました。
2001年に創立100周年記念事業の一環として、早稲田から国分寺の地へ移転しました。
2002年に、共学化と初等部の設置を行い、これにより小学部から大学への一貫教育が確立されました。
校是は「去華就実」で、表面的な華やかさではなく、物事の本質をとらえる姿勢を大切にします。
校訓である「三敬主義」は、他者を敬い、自己を敬い、事物を敬うということです。
豊かな個性と高い学力、そしてたくましい精神力を兼ね備えた人材の育成を目指しています。
早稲田実業学校中等部では、未来を見据えた人材の育成を考えています。
2030年代の社会はどうなっているのか、どんな社会となっていて、どういった人材が必要とされるのか。
そういったことを考えながら、中高生の指導にあたっています。
変化するしなやかさを維持していくことが早稲田の強さです。
常に変化することによって、伝統は作られていきます。
伝統の継承は、新たな価値を作り続けることによってなされるものです。
探求型の学びへの転換、高等部カリキュラムの大幅な見直し、などを行っていきます。
教育活動・学校の紹介
その中から一部を紹介いたします。
学校の特徴
勉強+αを育む環境があり、部活動など、様々な学びをバランスよく提供しています。
近年では、教科横断型の学習である、総合プロジェクトを開始しました。
これは中1から積み重ねる探究活動です。
わかる→できる→使えるという形で、知識を実生活に役立てていくことを目指しています。
知識の量ではなく、「どれだけ考えたか」を重視し、生徒の思考を深める問いかけを行っています。
中1では、国分寺巡検を実施し、ボランティア活動などをしながら得た疑問を、仮説・検証していきます。
中2では、JTBパブリッシング編集部の助けも借りながら「早実版るるぶ」を製作します。
班ごとに取材・執筆を行い、完成した「早実版るるぶ」は国分寺市役所などで配布されます。
中3では、「論の構築」を目的に、個人で研究内容を設定し卒業研究レポートを作成します。
校是である「去華就実」、校訓である「三敬主義」のもと、受験に縛られない探究活動を行っていきます。
早稲田大学に入学した際に、「早実の生徒は発表がうまい」と評価されるようになって欲しいです。
学校生活について
その中から一部を紹介いたします。
学校生活について
生徒たちは平均で50~60分くらいをかけて通学しています。
自宅が遠い生徒ですと、90分くらいの通学時間のものもいます。
自転車での通学は禁止で、校舎にも駐輪場はありません。
ただし、自宅から最寄り駅までの自転車利用は問題ありません。
昼食については、お弁当をできるだけ持参してください。
食堂もありますが、混雑が予想されますので、お弁当をお持ち頂くことをお勧めしています。
スマホの持ち込みは禁止ですが、今後は許可することも検討中です。
クラブ活動については、90%以上の生徒が何かしらの部活動に加入しています。
部活動の時間は、最長でも18時30分までで、19時には完全下校となります。
また、早朝の部活動は7時30分から8時15分に実施しています。
朝6時から練習とか、夜9時まで練習とか、そういったことはありません。
国際交流について
その中から一部を紹介いたします。
プログラム
近年ではコロナの影響で中止になったものもありますが、オンライン等で実施もしています。
正規の留学制度として、イギリスのパブリックスクール2校と、オーストラリアの私立校1校への短期留学があります。
イギリスのパブリックスクールについては1年間の留学で、学費はすべて早稲田実業学校中等部が負担します。
オーストラリアは8週間で交換留学となりますので、オーストラリアのお子さんのホームステイ受け入れが条件です。
また、いずれの留学先も定員は2名で、希望制となります。
イギリスの1校は、2016年に協定を結んだラグビースクールです。
1567年に設立された、イングランドでも最も古いパブリックスクールのひとつです。
もう1校は2019年に協定を結んだスタンフォード校です。
スタンフォード有数の大規模私立校で、現在は2名の生徒が早稲田実業学校中等部から留学しています。
オーストラリアは、キャンベラにあるグラマースクールで2017年に協定を結びました。
1929年に創立され、1,700名の生徒が在籍する大規模校です。
また、これ以外にも短期の海外研修として、イギリス、スイス、カナダ、アメリカ、オーストラリアなどを用意しています。
国語・数学について
その中から一部を紹介いたします。
国語について
早稲田実業学校中等部の国語の指導方針は、「受験のための勉強ではなく、大学入学後のための勉強」です。
「心」を解く、を基本目標に、共通のテーマを持つ作品を比較検討したりなどを行っています。
話す・書くことをたくさん取り入れ、研究意識の高い人材を育成することを目指します。
また、科目担当者の「心」を注ぐことを大切にし、オリジナル教材の作成などを行っています。
入試については、国語力を総合的に診断することを目的としており、記述式の問題も複数出題します。
漢字のトメ・ハネについては、採点はしませんが、明らかに他の漢字と判定されたものは減点になります。
数学について
2021年・2022年にかけて段階的に新カリキュラムに移行し、高3文系でも2単位は数Ⅲを履修します。
入試については、計算力・思考力・推理力の3点をチェックしています。
また、記述式の問題も出題します。
三角定規・コンパスを必ず持参してください。
直定規の使用は禁止です。
社会・理科について
その中から一部を紹介いたします。
社会について
早稲田実業学校中等部では、文部科学省の指導要領に基づいて中1・中2で地理と歴史、中3で歴史と公民を学習します。
また、体験を重視した学びを行い、それを作品としてまとめることを行います。
中1の国分寺巡検では、地理や歴史のフィールドワークの基礎を学びます。
中2では、自分の住んでいる環境のフィールドワークを行い、環境地図展に応募します。
中3では、卒業研究として個人ごとに研究テーマを設定し、1つのレポートとして書き上げます。
入試については、大問3題で、30分間50点満点です。
長文の論述問題が出題される可能性があります。
理科について
学んだ知識を、自分の生活の範囲で活用できることを目指します。
ノーベル賞受賞者の朝永振一郎も言っているように、日常的な事象に対して不思議を感じる心を大切にします。
入試については、文字を丁寧に書くことを心がけて下さい。
また、知識ではなく、思考力・表現力を問う問題を今後増やしていくつもりです。
学校訪問を終えて
120年の歴史を持つ日本トップの私立大学である、早稲田大学の系属校です。
講演内容は、8つの動画に分かれており、ひとつひとつの時間も短く、視聴しやすく工夫がされていました。
派手な演出はなく、必要な情報を簡潔に伝える内容で、校是である「去華就実」そのものと言った感じです。
トップ校としての余裕が感じられる、非常に落ち着いた雰囲気の説明会でした。
早稲田実業学校中等部の最大の魅力は、その長い歴史からくる優秀なOB・OGの存在でしょう。
記念グラウンドが設けられた王貞治氏や、ホールに名を冠した小室哲哉氏などはその代表です。
多くの優秀な人材が育った環境で、6年間の学びの機会を得られることは貴重です。
また、もうひとつの魅力としては、確実に早稲田大学に進学できることがあります。
早稲田大学に対して、卒業生の100%以上の推薦枠を有していることが大きいです。
入学定員規制の影響で、大学入試で都内の有名私立大学に入学することが以前より難しくなっています。
そういった中で、早稲田大学への進学が確実になることのメリットは非常に大きいです。
早稲田中や早稲田高等学院と異なり、共学であるために女の子のお子様にも門戸は開かれています。
将来は早稲田大学で学びたい、という強い希望をお持ちのご家庭には第一候補になる学校です。