2024 逗子開成中学校 |学校説明会レポート



逗子開成中学校説明会レポート(2024年6月7日)


  

  
  本日はオンラインで行われた逗子開成中学校の学校説明会を、受験Dr.佐々木 裕子がご紹介いたします。

・海と山に囲まれた広大な敷地
海洋教育センターという施設を有している。海のすぐ近くという恵まれた環境を最大限に利用して設立されました。
1階には、多目的ホールと2つの講義室があり、授業やクラブ活動、PTA活動などに使用します。2階は88名が一度に宿泊できる施設になっており、合宿などで生徒親睦の場となっています。地下には、大浴場、艇庫、そして工作室があります。工作室では、中学1年から2年にかけてヨットの製作が行われます。自分たちがつくったヨットで逗子湾を帆走し、たくましい体と心を育成します。(学校パンフレットより)
心と体を鍛えるということで始めた海洋教育だが、ここ10年くらいの最近では、「海」について学ぶ、考えることになっている。これは生徒からの発信で、環境、自然を学ぶことに繋がっている。
泳げない子ほど来て欲しい。怖がらせてはダメ。中1で泳げない子ははじめ3分の1くらいいるが、中3の1500m遠泳は全員、泳げるようになる。中1、中2で海洋実習活動(ヨット帆走・遠泳)に取り組み、夏休み中に体育科教員の指導で補習を行う。
・1903年に創立。今年で118年。海と山に囲まれている学校で自由闊達に学びができる学校。
・「知」、空より広く、「心」、海より深く、「志」、雲より高く
「開物成務」を教育目標とし、海洋人間学を取り入れ、未来の学びをモットーとしている。開物成務とは、物を開き、務めを成すという意味。

JR横須賀線「逗子駅」徒歩12分
京浜急行「逗子・葉山駅」徒歩12分

2024年6月7日に行われた逗子開成中学校の説明会での内容をまとめました。
この内容についてのご質問は逗子開成中学校ではなく、受験Dr.までお願いします。

プログラム

逗子開成中の紹介

逗子開成中学の校長、小和田亜土先生より逗子開成中学の紹介についてのお話しがありました。
その中から一部を紹介いたします。

歴史・アドミッションポリシー

1903年創立。昨年120周年記念行事を行った。創立者は、当時開成中学校の校長をしていた、田邊新之助先生。東京にある開成とは別に、自然豊かな逗子に作ろうということでできた学校。当時は第二開成学校という名称だったが、1909年東京開成中学校から分離して私立逗子開成中学校となった。「開成」の意味は、中国の古典『易経』にある「開物成務」に由来し、「人間性を開拓・啓発し、人としての務めをなす」ことを意味している。1986年に中学の募集を再開するにあたり、カリキュラムを大幅に見直し、校章も今のペンと矢と桜に戻し、OPヨット実習、遠泳実習を含めた海洋教育、映像教育、土曜講座、ICT教育、海外研修などを打ち出している。
・逗子開成のアドミッションポリシー
‣好奇心が旺盛で、何事にも積極的に取り組もうとする意欲や意思を持つ人
‣自ら考え、表現することが好きな人
校章にもあるように、ペンは矢よりも強し、言葉のもつ強さを学ぶ。言葉で感動を生むこともできるが、逆に言葉が暴力になることがある。知恵を出し合って言葉で協力し分かち合う精神をはぐくんでいきたい。

2024年度入試総括・2025年度入試要項

教頭の小西信行先生から2024年度入試総括・2025年度入試要項についてのお話がありました。
その中から一部を紹介いたします。

2024年度入試総括・2025年度入試要項

  2025年度大きな変更点はなく、複数回受験者がみられる
来年度、大きな変更は無く、すべて申込はインターネット。締切に注意してほしい。合否は、HPに受験番号を示すので塾の先生方もそちらで確認できる。
入試問題は、それぞれの科目で作成している担当講師がいるがチームで作っている。今年度は今着手しているが完成はしていない。1/31まで議論を続けている。それぐらい熱をかけている。
1次、2次、3次で複数回申込でも優遇はない。1次で不合格だった生徒が2次でリベンジしている。点数が低い生徒でもリベンジしている。

2024年度入試報告

各教科の先生より2024年度入試報告がありました。
その中から一部を紹介いたします。

国語

・2024年度は、大問の文章2題を比較する問題を出題した。例年は3題だが、2つの文章を相互的に比較することを目的とする問題を出題した。
・来年度もそこまで変更はない。
・記述問題のポイント
要素をいくつか分けて部分点をみている。いかに部分点を取るかが重要。
書き出し指定、部分穴埋め、キーワード指定などの「補助つき」の記述問題は「ヒント」がついているということ。
→1次入試の【三】第七の採点ポイント、得点率21.08%
要素としては、(A)豊臣家への恩のために戦った自分が、(B)自らが助かる利のために、(C)恩のある与次郎大夫を犠牲にすることは、(D)信念に反することだから。という4つの要素をかけているかで採点している。完璧にかけた生徒はいない。しかしながら、4つ中3つの要素を入れている生徒はいた。
・2025年度入試にむけての学習ポイント
【1】漢字の読み書き、語句の意味、読解の基本的な問題を確実に得点できるように、基礎基本をしっかり固めること。
【2】記述も題は、「何が問われているか」を明確に把握すること。
【3】様々なテーマを扱った文章が出題されるので、より多くの文章に触れることはもちろん、読解の素地を作るために世の中の出来事や社会問題に幅広く関心を持ち、考える習慣をつけること。
逗子開成の国語の授業では、ハイレベルな中学受験を経験してきた生徒達に、社会で生きてゆくために必要な力のひとつである「複眼的思考力」を育んでゆきたい。

算数

計算は全問正解していた生徒は67.4%。大問2の一行題は、全問正解者は8.9%。6問中2問ミスぐらいに抑えてほしい。
【減点の対象となるもの】
分数で答えるとき、既約分数に直していない。仮分数を帯分数に直していない。(問題用紙の表紙に指示ある)
答えに単位が必要な問題で単位をつけて答えていない、あるいは単位を間違えている。
本校では単位が必要な問題は、問題文で単位を指定せずに、例えば、”太郎君の歩いた速さはいくつですか。とし、単位を自分で考えて書かせるようにしているので注意が必要。本文で「体積は何㎤ですか」と単位を指定してある場合は、答えに単位がなくても減点していない。
答え方を問題文で指示されているときに、その指示に従って答えていない場合。
記述問題の解答で説明が一切なく、計算式の羅列だけの答案。
何を書いているかわからない解答、例えば、式があちこちにあり、筆算もあちこちに飛んでいると、理解できない。その中で順序良く式を書いて一言説明などがある解答の方を丸にして、それと比べて点数をつけることになる。算数の問題の作り方としては、まず計算3題から作る。(1)工夫(2)順番(3)逆算の順番に気を付けてほしい問題。答えの数値はそこまできたない数字にはならないようにしている。次に記述問題。規則性、場合の数、整数問題が多くなる。自信でルールを発見し、手を動かして見つける問題などが主。次に一行題の問題。典型題、塾でやってきていた問題、地道に努力してきて結果が出る問題を作っている。最後にバランスをみて大問を作る。

社会

きちんとと努力した子が報われる問題を作っている。
グラフの読み取りや書かせる問題が多い。時事問題は、やはり夕飯を食べているときや、ニュースを見て親御さんとちょっとした会話のときに出していった方がこどもは印象に残っている。
漢字で書くことは必須。
何を聞かれているのか丸をする。

理科

言葉や漢字、用語を必ず書いて覚えてほしい。
リード文が長いが、出題の意図をちゃんと読みとる力をつけてほしい。
過去問で練習。出題は物理、科学、生物、地学の4分野からまんべんなく出題している。
1次、2次、3次もほぼ同じなので、とにかく過去問で練習してほしい。

英語

帰国入試説明会で詳しくお伝えする。
記述が長い傾向がある。
入学してから英語コースが設けられているわけではない。一般で入った生徒も帰国で入った生徒も同じクラス。帰国生であれ国語も一般と同等のレベルが必要。

学校訪問を終えて

自然と一体になっている学校で、説明会当日もプールの授業が行われており、高学年は海での実習を行っていた。
入試問題は、算数も社会の先生と協力してチームで作っていることを強調していた。1問1問大切に作っていることがうかがえた。
入試分析も細かくされており、どういう生徒さんが欲しいかが明確であった。
チームでのヨット作りや、土曜講座、国際交流など、アクティビティの多い学校で楽しそうであった。先生たちも若い先生が多く元気な印象を受けました。