堀江先生
プロフィール
灘中高・東大法学部卒
大手塾で全教科教材作成担当
受験指導歴30年以上
合格実績
筑駒、開成、麻布、武蔵、駒東、桜蔭、JG、雙葉など
インタビュー目次
本日は、中学受験講師歴30年以上、早稲アカ、市進でも最上位クラスをご担当されていた堀江先生をお招きしました。
いろいろとお話を伺わせてください。よろしくお願いいたします。
堀江でございます。よろしくお願いいたします。
【灘中をめざしたわけ】
先生は、灘の中高、そして東京大学ご出身ということで、素晴らしいご経歴ですね。
ご出身はどちらなんでしょう?
はい。神戸で高校卒業までずっと神戸でした。はい。
受験に熱心な地域だったんでしょうか。
そうですね。今考えると信じられないような受験の熱心なエリアで、私が小学校の3年生のときでしたか、東大の合格者が日比谷を抜いて私立が、灘が1位取って、すごいな、と。自宅が、たまたま灘から歩いていけるようなエリアだったもんですから、それもあって受験しました。
塾には通われましたか?
はい。今と違いまして、テスト会っていうのが、もう全然講義はやってないテスト会で、塾といえば、個人塾みたいなところばっかりだったんですけども。昔は今とは違ってシステマティックではなかったですからね。
それでは、先生は、そのまま灘卒業されて、東大進まれて、もうそこからずっと塾講師です?
はい。塾でずっと教えていて、いわゆる就職活動もしないで、そのままずっと塾業界で。はい。
そこまで学生時代からもう教える楽しさというか、のめり込んで行ったっていうのは、天職、って感じがしますが。
それ、たしかにそれはありますよね。それと、あとは当然人間関係っていうか、そういういい先輩と言っていいのかどうかわからないですけども、いろいろ面倒見ていただいた方がいっぱいいて、っていうかたちですね。はい。実際、自分の将来の進路をどうしようかとか悩んでるときに、集団ですけども、教えてれば楽しいし。もちろん生活もある程度のレベルでは安定するしということで、はい。気が付いたらです。はい。
はじめはどちらで講師をなさっていたのでしょう?
最初、東大学力増進会でやってたんですけども、そこが解散になってしまって、その人たちのつてで今のenaの前身で教材作成をしていました。
そのあと、 早稲アカと啓明舎と市進さん?
そうですね。大手でまず市進さんに行って、そのあと啓明舎、早稲田アカデミーさんですね。はい。今は、ドクターさんで家庭教師1本ですけど。
【家庭教師の魅力はご家庭との心の距離の近さ】
家庭教師の魅力って何ですか。
大変な部分でもあるとは思うんですけども。お子さんやご家庭との距離が近いことですよね。はい。もちろん集団でも一部で、一生懸命週3回、4回教えてればってありますけど。相手のご家庭、本当にご家庭って建物という意味でもですけど、中に入っていって。そうすると、いろんなこと見えますよね。例えば、お子さんが勉強してる勉強部屋であるかもしれない。
リビングで勉強するんだったらリビングでもいいんですけど。そういう物まで全部見えてしまう。
距離が近くなる部分。ただ、それが魅力でもあるのかなと。集団だったら、もうちょっとこの子に手掛けてあげたいなってお子さんがいても、そのお子さんにばっかり注力するわけにはいかないですから。ですから、そういった意味では距離の近さというか、お互い懐に飛び込んで行かざるを得ない部分があると思うんですけど。それが、逆に魅力ではあると思います。
確かにおうちってプライベートな空間ですから、通塾と違い、心の距離が近いですよね。
はい。近いですね。例えば家庭がお仕事を、親御さんのお仕事を継いでほしいっていうようなご家庭の希望も当然あって。そういうご希望があるってことは、進学先の選定の相談時なんかで、当然ながら踏み込む部分になりますし。はい。
自分のアドバイスが生徒さんの未来に大きくかかわっていく、と考えれば、やりがいもありますね。
そうなんです。
あともうひとつ魅力を上げるとするなら、成果がはっきり出るところですね。もちろん集団で塾通ってらっしゃるっていうのあるにせよ、家庭教師で1か月でも2か月でも教えて数字が動いてきたっていうのがあったときに、そのあたりの成果は、わりとはっきり出ますし。うん。成績が上がると、まあ、上がらなきゃプロとしてどうなんだって話ですし、形になって見える成果としてやりがいがあります。はい。
そうですね。成果の見え方がはっきりしている分、やはり集団に比べると、その責任の重さもちがいますし。
はい。責任の重さ、ありますよね。
自分の指導がこの結果を生んだんだ、っていうのがわかりやすい部分。もちろん生徒さん本人のがんばりもあってこその成果なんですけど、まあ、がんばらせることができた、というのとあわせてうれしいものですね。
そうですよね。
定例のテストですと、ある程度範囲が狭いですから。テストの前にどっか復習ってときに、これ見といたほうがいいよって言って、それが出たりすると、やっぱり当然重要度考えて言ったりするわけですけども、露骨に成績に反映しますし。はい。
そうですよね。そのあたり、集団塾と比較して、いかがでしょうか。
集団塾の場合ですけれども、いろいろとアプローチ、親御さんが言ってきてくださる親御さんとはもちろんお話しますけど、皆が皆そうじゃない。もっとお話をしたくても、お仕事も忙しかったりとか、集団だから自分ばっかりっていうふうな、遠慮される方もいらっしゃったり。
お子さんもそうですね。集団だとそれでも、「先生、先生」ってすぐ質問で持ってくるお子さんもいれば、なかなか質問とかで持ってこれないお子さんもいますし。うん。
その点、家庭教師は違いますね。
家庭教師の場合は、それはもうあり得ないので。当然、宿題じゃないですけど。やったことチェックして、「これ、大丈夫なのか」とか。全部それも見なきゃいけないですし、当然見ますから。
そういう部分がやっぱ家庭教師の大変さでもあり、やりがいでもありますね。
そうです、そうです。
【担当教科は全科目!難関校に適した指導】
ご担当の教科は算数と理科でしょうか?
全教科見ております。
すごいですね。全教科。
はい。算数が1番時間的に多いですけども。算数と国語五分五分ぐらいで教えることも多いですね。はい。
最難関目指すお子さんと中堅校を目指すお子さん、それぞれ教え方が変わってくると思うんですが、同じ志望校でもお子さんによっても指導内容って大きく変わりますか?
当然そうなりますよね。今はもう皆さん当然ながら、どこか大体大手の塾さんですけど、通ってまして、しっかりしたカリキュラムは当然お持ちでしょうけれども。大手の塾さんですね。やっぱりクラスレベルによって学力差はあるので、分厚い教材をお持ちでも、こちら基礎問って、こちらは難関校向けみたいな、一般のレギュラーの教材ですと、そうなってますから。
どこの塾に通ってらっしゃる方にも、やっぱり塾の教材のなかで扱ってる部分が違いますよね。ですから、当然最難関のお子さんですと、質問とかで持ってくる問題も、やっぱそれなりに骨のあるものになりますし。
今ご担当されている生徒さんはサピックス生が多いと伺いましたが。
はい。サピックスの方がほとんどです。
最難関校受験となりますと、どうしても偏りますね。
一方で、サピックスさんの場合ですと、親御さんのかかわりが他塾と比べてどうしても多くなってしまいますが、そのあたりいかがでしょうか。
サピさんは、教材の量は多いですし。難易度の高いものも含めて入ってて、とにかくプリントが多いですから。プリントを管理して、しっかり自分に必要なところを身に付けてっていうことを、ご家庭で、お子さんが年齢的に厳しいでしょうし。親御さんがそれができるようにお子さんを管理しきれるかっていうと、なかなかそこまでできないですよね。ですから、親御さんのかかわりが多くなるのは、ある意味当然かもしれません。
成績上位のお子さんのほうが、教えていて楽、ということはありますか?
これ、例えば科目によっていろいろ違いとかあると思うんですけども。算数なんかでも、解法をある程度パターン化するっていうんですかね。パターンに持ち込むための、例えば書き出して規則性を見つけるみたいなところって、やっぱり最難関のお子さんできるんですけども。
そのあとじゃあ、持ち込む先のパターンっていうのをしっかり整理しきれるかといいますと、そこが難しい。
実際塾ですと、カリキュラムごとに速さの問題とか立体図形がありますけど、テストになると、そんなのいちいち書いてくれてないですから。立体図形は切断で見ればわかるでしょうけれども。速さでもどういう処理するのかと。実は、流水算のかたちになってないけど、実は流水算の発想だったとか、
そういうのをパパッと見分けていく力っていうのは、なかなかこちらが整理してやらないと、最難関のお子さんのほうが、志望校対策のなかで、やっぱり、「あれ?」って混乱しやすくなる場面がどうしても多くなりますので、そのあたりがプロの出番でしょうね。
単元ごとの基礎力は一通りついてはいるけれども、そこが入試問題とか、応用レベルとか、ミックス問題になってくると、今までの知識のアウトプットとしての整理ができていないので、やっぱりそこで躓いてくる、ということですね。
そうです、そうです。
これがたとえば理科なんかですと、例えば生物分野なんてものは、知識量が多くなる分野で、分類的なことをやってあげるにしても、こういう視点で分類してるんだよ、そうすると、こういうグループになるよとかなんていう話は、正直なかなかお子さんわからないので。
だから、こういうグループ分けで覚えると、このセットで覚えるとわかりやすいよみたいなのは、かなり出してやらないといけない。
社会なんかはもっとそうですよね。年齢的に、経験値が少ないですから。うん。優秀なお子さんほど、最後はもう力づくでも覚えちゃうみたいになるんですけど。それでは、難関校の社会の技術とかちょっと対応しきれないですし。
やはりつながりとか、因果関係とかしっかり説明して、覚えやすいようにこちらで整理してあげる必要がどうしても出てまいります。はい。
【勉強が習慣化されていることこそ大切!】
先生は大学受験生も教えていらっしゃったそうですが、中学受験と比べて難しさとか、逆におもしろさとかございますか?
そうですね。大学受験の場合、大学であったり、学部であったりは、親御さんとかとお話してる云々あるにしても、ある程度ご本人の意思がはっきりあってのものです。
中学受験って、そういう何て言うんでしょう。中学受験をすることの意味とか、それがどんな先々に影響があるのかっていうのは、ご本人わかってないですから。ですから、よく親御さんが、「うちの子は自覚がない」というような言い方をしてますけど。
確かにそうですね。
そういうことをおっしゃった親御さんに必ず言ってるんですけど、小学生に自覚を求めるのは無理ですと。
ただ、知的な好奇心がある点であったりとか、負けるのが嫌だっていうそういう競争心であってもいいですし。
あるいは1番いいのは勉強が習慣化されてることだろうと。それは、中学受験をする、しないに関わらず、先々に勉強の習慣があることは絶対いいことなんだから、ここで勉強の習慣化を身に付けて、気に入った学校に行ければ1番いいんじゃないですか、というお話もしてますね。
学年が下になればなるほど、どうしても親御さんの管理が強くなるので、親子間で親御さんが先走ってお子さんが委縮してしまうようなケースも出てまいります。中学受験指導となりますと、そのあたりを含めてのアドバイスをする場面は多いです。
一方、そういう意味では、大学受験とかになればもう生徒さんとだけ向き合ってればよくて、親御さんと面談するにしても、サラッとしたもんになりがちですけども。
失礼な物言いに聞こえたら申し訳ないのですが、手がかかる分、中学受験指導のほうがやりがいもあるし、おもしろいと思っております。
親御さん、サラッとしているんですね、大学受験ともなると。ある意味、健全に親離れ、子離れできたということなんでしょうね。
先生がさっきおっしゃった知的好奇心なんですけども。先生が教えるうえで、お子さんに勉強好きにさせるための、何か工夫されてることってありますか。